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Episode 177 まだまだ道の途中です。

ウチの会社の福利厚生の充実ぶりは、労働集約産業ゆえの必要な人材確保をするために会社が取った施策でした。
これだけの制度を展開している企業は数少ないだろうと思います。

ただ、会社はあくまでも営利企業であって慈善団体ではないのです。
こんなにも女性の為を思っているように見える政策でも、その根本には女性軽視が透けて見えたりするのです。

そもそも、女性の熟練工(≒おばちゃん)が多く集められた理由が、「女でもできる軽作業」という類の単純作業だったと言うこと。
それ故に、そもそもの賃金体系が高く設定されていないと言うこと。
だから、現場の作業員と大卒で入ってくるような研究職や管理者候補とは仕事に対しての感覚が違うことがあって、会社内でも暗黙のダブルスタンダードが見え隠れすること。

ただ、現場の作業者でも管理者候補や研究職でも、賃金体系は一本化されていて、核家族化の浸透により男女の就労形態の統一化が進行しているというのも事実なのです。
ようやく、会社設立から50年かかってここまでたどり着いたワケです。
これは国や自治体などの行政が指導して形になったというよりは、有用な人材を確保するための施策の進行形なワケで、今後もこの流れは続いて行くのだろうと思うのです。

ここ数回で女性の人権や雇用に関して、私が勤めている会社を例に挙げてお話してきました。
女性の人権問題や雇用問題は、社会が未だに「女性は家庭を守るもの」という固定観念を捨てきれずにいるから起こるのだろうと思います。
それと同時に「男性はしっかり稼いで家族を養うもの」という固定観念も拭い切れていません。
女性が戦力として重要な位置を占める労働集約型の食品メーカーは、戦力としての女性を確保するための方法を模索してきました。
それは「女性は家庭を…」を切り崩す作業でもあったのだと思うのです。
但し、会社は社会通念を壊す目的で女性が仕事をしやすい環境を整えていったのかといえば、明らかに No なワケでして、必要に迫られた施策が女性の労働環境の向上に繋がっただけなのだと言うことです。
そして、それもまだ道の途中なのです。

振り返って障害者雇用について考えた時に、会社が労働力として、戦力として、障害者を求めているのか?
必要な戦力となり得れば、障害者雇用は大きく前進するのではないか。
戦力となり得れば、障害者の地位も向上するのではないか。
それ故に私は、障害者が守られる立場だけでは地位向上は難しいのだろうと思うのです。

私に出来ることは何だ?
それを自問することが大事だと思うのです。

旧ブログ アーカイブ 2019/3/10

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