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Episode 161 エッセンスにしかなりません。

「ライフハック」という言葉があります。
IT関連やネット界を中心に広がっている「仕事術」という意味の言葉で、如何に仕事を行うのかと言うことらしいです。
なんかね、言葉は違うけど、こういうのって昔からあるんですよね…私が若かったころは「How to」なんて表現を使っていましたっけ。

私はASDという発達障害をもって生まれてきました。
定型発達の人の平均的な人を「偏差値50」としたときに、私は特定の分野で「偏差値70」を叩き出し、また別の分野で「偏差値30」を取ってしまうというのが発達障害が発達凸凹と言われる正体だと思っています。
もちろんこれは例え話であって、算数・数学が70で国語が30みたいな学業分野の話をしているわけではありませんよ。
この辺の話は心理検査で語られことが多く、その結果の偏りが発達障害者の生きにくさに繋がっているという定説は、私も納得するところではあるのです。

ただ、同じように発達凸凹がある人でも、得手不得手の分野が特定の波になるとは限らないのです。
あなたと私が違う人間で、だから感じ方も考え方も違う…って言えばすごく当たり前のこと。
あなたも私も違う人間だから、得意や不得意も人それぞれって、普通じゃないですか。

そこを十把一絡げに「発達障害」って括ることにすごく違和感を感じるのです。
発達障害は大きく分けて3種類、LD・ADHD・ASD…。
その中でも、例えば…私はASDですが、ASDの特徴である感覚過敏があるのは聴覚と触覚です。
でも、ASDである人すべてが聴覚と触覚に過敏があるワケではありません。
人によっては視覚だったり、味覚だったり、過敏がひとつだけだったり、ふたつあったり…。

難聴者と弱視者はともに身体障害者の枠に入るのでしょうが、どちらも同じ教育訓練で上手くいくわけがありません。
詳しくは分かりませんが、例えば…同じ難聴の人でも聞こえ方は様々なハズ…。

発達障害はスペクトラムです。
白から黒までのグラデーションがあって、それぞれの個人が持つ灰色の度合いが違うのです。
それも一本の線で引いた「辺」で表せるほど単純じゃない、少なくても「面」で表したチャートが必要で、でも本当はそれでも足りなくて「立体」が必要なほど多様性があるものなのです。
だからね、LDはこれで、ADHDはそれで、ASDはあれ…みたいなステレオタイプで納まるワケがないんですよね。

昔、「恋愛 How to 本」で研究して、まんま実行して大ヤケド…。
凸凹があって偏差値50の真ん丸じゃない私が、同じにやろうって言っても上手くいくワケないじゃないですか。
大体、そんな「絶対うまく行く!決定版!」みたいな How To 記事をみて、「よーし、挑戦!」って思いますか?
「胡散臭いなー」って、笑いながら見ていることが殆どじゃないですか?
馬鹿正直に言葉通りに受け止めて大ヤケドするなんて、とってもASDチックですけど、じゃぁ…ASDの人は皆、私みたいに大やけどするんですかね?

障害者スポーツのクラスって、かなり細かいじゃないですか。
例えば片足を欠損したクラスでの陸上競技でも、膝上からか、膝下からなのか…とかで全然違う。
いまのクラス分けに至ったのは、きっと不公平感の撲滅でしょう。
膝下の欠損と膝上の欠損を比べたら、体を動かすのに重要な「膝」という部位があるのかないのかで、0.01秒を争う競技で生じるハンディキャップが大き過ぎる。
なんだ、定型者・健常者と呼ばれる人も分かってるんじゃないですか…って思います。

「ライフハック」は自分で作り上げるもの
誰かの成功例や失敗例は私の人生の参考になる。
でも、それはあくまでも自分の作り上げる「ライフハック」のエッセンスにしかならない。
そこを間違えてはいけないと思うのです。

私のこのブログが、皆さんのライフハックの「エッセンス」になってくれればいいな…と、私は思うのです。

旧ブログ アーカイブ 2019/2/22

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