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成人式その2
〈この文章は2119文字です〉
こんにちは。蛍智宏です。
昨日、成人式に出席してきました。その際の私の複雑な心境を、昨日今日の2日に渡って書いていきます。昨日の文章は、本当にぐちゃぐちゃの心境で書いたので、投稿し終わった後も色々書きたいことが出てきたのですが、それはまた落ち着いたときに、ゆっくり書くことができればと思います。
それでは、当日編です。
私の自治体では、成人式を午前の部・午後の部に分けたうえで、さらに前後左右に1席ずつ間隔を取って、座席指定で座らせるという形式をとっていました。
私は午後の部でしたので、11時からの着付けでした。11時に美容室に着こうと移動していると、午前の部に出席すると思われる娘さんとそのご家族を見かけました。
そのご家族は細い路地のパーキングスペースという決して華やかとは言えない場所にいたのですが、きれいな振袖に包まれた娘、嬉しそうなご両親、写真係を頼まれたのであろうお兄さんの4人は、本当に幸せそうでした。この光景を見て、なぜか泣きそうになったほどです。
なんで泣いたんでしょう。私はこの光景を見るまで、成人式が家族にとってそんなに幸せな節目の式であることを実感していなかったのです。でも、このご家族の様子を見て、私の家族も口には出さないが何かしらの感慨にふけっているのかと思うと、私の想像の中ではありますが愛を感じて泣いてしまったのでしょう。
そうして、美容室について、ヘアセット・メイク・着付けが始まります。私は、諸々に大きなこだわりがあるわけではなく、イメージといくつかのお願いをしただけで基本的にはやりやすいようにやってもらおうと思っていました。
私がお願いした美容室では、昨日一日で10人ほどの新成人に着付けなどを行ったそうです。そして、私はその最後でした。何人もの人に、あみこみやらアイメイクやらの細かい作業をして、立ったり座ったりの多い着付けをしてくださっている美容師の皆さんは疲れていたと思います。
が、最後の私に対しても、髪に追加でリボンを付けてあげようとか、メイクも少しうまくいかないとやり直してくださったり、着付けも苦しくないように緩くできるところは緩くしてくださったりと、本当に気づかいをしてくださいました。
新成人の私を思う気持ち、今日をステキな一日にしてあげたいという気持ちを強く感じました。そして、この気持ちは新成人、つまりこれからの時代を創っていく人への期待の裏返しなのかもしれないとも思いました。この時、少し成人式の意味が分かった気がしました。
私たち新成人が自分たち自身への期待を感じ、これからの活力にしていくという意味合いです。それまで成人式というのは、市長さんとかお偉いさんのお話を聞いて、大人の自覚を芽生えさせるものかなんかだと思っていましたが、そうではないかもしれないと思い始めたのです。
そして、やっと成人式会場に到着します。成人式会場前には多くの新成人がいて、知り合い同士でまとまっては写真を撮ったり、思い出話に花を咲かせているようでした。しかし、私はどの友人とも会う約束をしていません。ただただ場の古い知り合いの顔を見かけてはなつかしいなーと思うなど、場の空気を楽しんでいました。というのも、私はこの日いつも着けているめがねを外した状態でマスクを着けていたので他の人が気づくはずもありませんし、会ったところで何を話せばいいのやらという感じだったのです。
偶然にも小学校からの幼馴染と高校の同級生には会ったので、2枚だけ写真を撮りました。ここでも、もちろんマスクは着けたままです。
式が始まると、市長、市議会議長の方がお話になり、各中学校の先生からのビデオレターの映像が流され、40分くらいで終わりました。母は短縮バージョンで寂しくなかったかと聞きましたが、私はこれしか知りませんし、むしろ例年は1,2時間も何をしているのだろうかと思うほどでした。どうやら市議会議員の方の挨拶が増えるらしいので、来年以降もこの形式が良いのではないだろうかと、単純ですが思いました。
そして振袖の最後のお仕事、親戚との写真撮影です。近所に写真の得意な大叔父と、祖父母が住んでいますので見せに行きました。
ここで、発見があったのです。祖母は新型コロナウイルスをしっかりと警戒している人です。そのため1,2枚の写真であっても、マスクは着けたまま撮ろうと言いました。祖父は外してもいいんじゃないかと言ったのですが「マスクも思い出だから」と言って、結局マスクを着けたまま写真を撮りました。
そして、私が友人と撮った写真を見せました。先述の通り、マスクを付けたままです。ここでも、「今らしさが出ている」と言いました。
祖母の目には、新型コロナウイルス感染症は怖いものだけれど、かつ生活様式や当たり前を変えた文化のようなものにも映っているのかもしれません。
家族からの愛を感じた成人式、自分自身への期待を感じた成人式、例年通りに疑問を持った成人式、新しい文化に気づけた成人式。2020年度に成人する私は、このような気づきとともに大人への仲間入りを果たします。
それでは、ここまで読んでくださってありがとうございました。
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