台湾の猫村猴硐(ホウトン)へ行ったはなし。②【炭鉱廃墟と炭鉱探検】
前回のお話しで猫村の北側、猫エリアの話をしましたが、猴硐は実は元々炭鉱として有名な地域だそうです。
今日は南側、炭鉱エリアでのお話です。
南側は台湾らしいごはん屋さん、コンビニ、お土産物屋さんなどがあり、北側よりにぎやかな雰囲気でした。
炭鉱博物館
写真は撮っていませんでしたが、博物館がありました。
お手洗いもあります。
猴硐内ではカフェなどに入らないとお手洗いがないので、なかなか有難いです。
博物館には小さなカフェも併設しており、飲み物や軽食がいただけるようでした。二件猫カフェをはしごした後だったので入りはしませんでしたが、観光客でにぎわっている様子でした。
二階建ての建物で、一階では炭鉱の歴史案内、二階は映画館のような広い薄暗い部屋で、炭鉱紹介の動画が上映されていました。一階の炭鉱案内は英語訳もあり、炭鉱夫たちの大変な労働環境について勉強できます。
二階の動画はすべて台湾語で、全く意味は分かりませんでしたが雨脚が強まってきていたのでこちらで休憩させていただきました。
二階は人も少なく、優しいナレーションでと雨音とでなんだか落ち着いてしまい、30分くらいぼんやりしてしまいました。
博物館前にも猫。雨宿りでしょうか。
炭鉱廃墟へ
雨脚も弱まり、しっかり休憩も出来たのでいよいよ炭鉱廃墟へ向かいます。
といっても、もともと炭鉱廃墟があることは知らず、せっかく来たから行けるところまで散歩してみようと思ってたら行きあたっただけですが…。
炭鉱博物館からさらに南側へ進むと、
「え、これ入って大丈夫なん?」という見た目のぼろぼろの高い建物が見えてきます。
いやでも奥に橋が見えるし、ここ通らないと奥に行けなさそうだし、先に入ってた人もいるから…と入ってみます。
中は塔のようで、人がすれ違えないほど狭い階段が続いています。
ようやく外に出ると、当時のまま打ち捨てられたような炭鉱廃墟の全体が見渡せます。
え…めっちゃ良い…。めっちゃ好き…。
元来廃墟が大好きな私。
特に当時の暮らしや面影が想像できる廃墟にとても惹かれます。
日本でも遊園地廃墟やラブホテル廃墟などを訪れていましたが、日本では安全上の問題もあって厳しく管理されており、一定の距離までしか近づけません。
それを!廃墟の中を通って!こんな近くで!こんな当時のままで!
ぜひ炭鉱跡を訪れる前に博物館で勉強していくことをお勧めします。背景を知ってからだとより深く当時に思いをはせることが出来ます。
もう最高です。雨に打たれている様子も美しい。猫もいて廃墟も見られる。なんてすばらしい場所なんだ猴硐。
大きな橋とトロッコ
もう雨なんて関係なく上機嫌で先に向かうと、大きな橋にたどり着きます。
線路らしきものもあり、途中無造作にトロッコが置かれています。
この橋も当時使われていたものなのでしょう。過剰に観光地化されておらず、当時を想像できるこの感じとても好きです。
晴れていれば中にも入れそうです。もともとそのための乗り物だし。
雨なので入りはしませんでしたが、本物のトロッコって初めて見た気がする。写真だけ撮らせてもらい、先へ進みます。
炭鉱探検
ここまで来ても、猫はちらほらといます。
この猫は、人懐っこくてずっと足元スリスリしてきてくれるのでめちゃくちゃぶれました。
しばらく行くと、お土産物やさんと、テントの下に小さな可愛い汽車?が見えました。
お土産物屋さんは炭鉱関係の鉱物や陶器などが売られていました。すごいお値段なのでそっと出てきました…。
テントの方では、地元の方らしいお姉さんとお兄さん、おじさんが貴社の受付をされていました。小さな可愛い汽車の線路はその先の炭鉱の中に続いています。お姉さんは英語が話せたので、聞いてきました。
Hotaru「あの、これ…炭鉱の中に入れるんですか?」
お姉さん「そうですよ!この汽車に乗って中で炭鉱体験もできます。ガイドが案内します。」
Hotaru「動かす時間とかって決まってますか?一人なんですけど、体験させてもらえますか?」
お姉さん「もちろん!今日雨で人も少ないから気にしないで!」
お姉さん優しい。そして体験は一回500円程度でした。安すぎる。
料金を支払うと、お兄さんが案内してくれるらしく、準備をしてくれていました。お兄さんは英語が話せませんでしたが、
「Where are you from?」と聞かれて、日本です、と答えるとスマホの通訳アプリで日本語で案内してくれました。便利な時代。
炭鉱の中へ出発!
汽車に乗って出発です。ご丁寧に汽笛も鳴らしてくれました。
一人なのに。めっちゃ楽しい。
中では炭鉱の歴史の紹介や、当時を再現した名前札などがあります。楽しい。
途中炭鉱夫を再現したマネキンがいてめちゃくちゃびっくりしてお兄さんに笑われました。
再現度が高いのと薄暗いのとで普通に人に見える。
炭鉱体験
しばらくトンネルの中を進むと、開けた場所に出ます。
ここでは、当時使っていた三種類の採掘道具を体験させてもらえます。
・岩を運ぶ車
・人が移動する為の移動台
・岩を掘る為のドリル
一つ一つお兄さんが丁寧に使い方を説明してくれます。写真も撮ってくれました。
当時の炭鉱夫たちの使用環境とかも説明してくれて、めっちゃ楽しい。当時空気の循環が出来ない炭鉱内は非常に高温になり、40℃近くにまでなることもあったそうです。その為、炭鉱夫たちはほとんど裸に近い環境で働いていたこともあったそうです。厳しい。
また、炭鉱内で使用されていたこれらの機械の多くは日本製だそうです。
全然知らんかった。勉強になりました。
親切にたくさん説明してくれて本当にありがとう、というと「雨でどうせ暇だから気にしないで!」と言ってくれました。台湾優しい人めっちゃ多いな。
装置自体は結構さびていて体験すると手に錆っぽいにおいがついちゃうのですが、手洗い場もありました。
汽車も体験
帰り道、お兄さん「どうせ一人だからせっかくだし操縦してみる?」と言ってくれました。
まじか、優しすぎん。もちろんさせてもらいました。
思っていた以上にシンプルで、速度調整、ブレーキ、進行方向、汽笛くらいしか操作内容はありませんでした。
教えてもらいながらおっかなびっくり動かしてみます。急に動くのでちょっと恐いですが、お兄さんとげらげら笑いながら動かしてました。
言葉通じないのにここまですぐに人と打ち解けられるお兄さんのコミュ力すごい。見習いたい。
おわりに
汽車の皆さんにお礼を言って、駅へ向かいました。
駅の中には猫用の汽車もあります。どこまでも猫に優しい。
滞在時間2時間程度を予想していましたが、なんだかんだで5時間くらい満喫してしまいました。
私はかなりのんびり回ったので5時間ほどかかりましたが、軽く回るのでしたら2時間くらいで村を一周できるんじゃないかな、と思います。
猫もいて、廃墟も見られて、本当に良い村だった猴硐。また行きたい…。
大きな観光地にも近いので、近くまで行ったついでにも立ち寄れます。
今の状況では難しいですが、落ち着いてから台湾を訪れる方の参考になれば幸いです。
一つ注意点として、台北にもどる電車の本数はめちゃくちゃ少ないです。
一時間に一本くらいだったし、割と平気で遅れてきます。気を付けて。
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