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荒崎に砕ける荒波

三浦半島荒崎。(神奈川県横須賀市)
その名は荒波が打ち寄せるところからついたのであろう。
荒崎といっても、天候が安定した穏やかな日は下の写真のように海も穏やか。

穏やかな荒崎海岸

そんな日には沿岸に沖合に遊漁船や様々な船の姿を見ることができる。

海の波には2種類ある。

一つは風浪。
風によって発生し、波の一つ一つがとがったような感じ。
風の強さなどによって波の強弱が起きる。
強風時などは海全体に白波が立つ。

もう一つはうねり。
波が発生した力ででき、風に関係なく発生する。
台風や低気圧で発生するので、台風接近時などはうねりが大きい。
このうねりは遠くまで到達する。
土用波はうねり。
海岸でほとんど風が吹いていなくても突然のように大きな波が押し寄せ、崩れて白波が立つ。
暗礁でもあれば別だが、沖合で白波をあまりみかけない。
だから、沖の方を眺めると一見穏やかに見える。

そして、風浪とうねりの総称が波浪。

下の写真は画角は異なるが上の写真とほぼ同じ場所でとったもの。
うねりが海岸に近づき砕け白い波となっている。
この時、撮影していた場所ではわずかな風が吹いているだけで、実に穏やかな気候だったし、海岸近くに近づく波だけが荒々しい姿を見せ砕け散る音もすごいので、ちょっと不思議な感じさえした。
沖合を見るととても穏やかな海のように見えるが、緩やかそうなうねりが押し寄せている。

穏やかで高さもそれほどないうねりでも、水深が浅い海岸では突如大きな高波となる。

下の写真は風浪による波。
撮影時、この場所では帽子が飛ばされそうなほどの強風が吹いていた。

そして下の写真は、上の写真と同じ場所から撮ったもので、うねりが岩場に砕け散って海岸全体が白波に覆われている。
撮影場所では、わずかな風が吹いているだけ。

こちらは、上から穏やかな海、風浪、うねりの押し寄せる海岸。

絵的は、海は荒れていた方がいい。
しかし、海岸近くで海を眺めるとき、荒れた海は怖い。
いくらここまでは波は来ないと思っても、心の隅に恐怖感が起きる。
荒れた海を背にして海岸を離れる時も怖い。
夜の波音だけがする海岸も怖い。
それは、もしかしたら突然大きな波が襲ってくるかもしれないという恐怖感。
東日本大震災の津波の影響ではない。
子供のころから波が怖かった。
50センチくらいの波でも怖かった。
その理由はわからない。

いま、荒れた海の写真を撮りに行きたいと思うのは、おそらくは怖いもの見たさなのかもしれない。


荒崎海岸は前にも書いたが、関東大震災で1.4m隆起したという。
先日の能登地震、4mの隆起。
地球のエネルギーは計り知れない。
そして今、房総半島東方沖でスリップ現象が起きているという。
地震に要警戒ということ。
しばらくは、不用意に海に近づかない方がよいのかもしれない。

※上記写真は2023年12月から2024年3月に撮影