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【マネジメントの基本】効果的なジョブアサインメントについてまとめる。

どうも、ほたか(@hotaka_tajima)です。

今回は「ジョブアサインメント」についてまとめてみようと思います。マネジメントをしたことがある方は経験済みかと思いますが、「仕事をどう切り分け、どんな人に、どういう風にお願いするのか」みたいなお話なので、興味がある人はぜひ読んでみてください。

ジョブアサインメントで重要な考え方

まず、ジョブアサインメントをする上で重要になる考え方を共有したいと思います。結論からいうと、ジョブアサインメントをする上で、重要になるのは以下の2つのポイントです。

1. 業務達成
2. 人材育成

僕もまさしくそうだったのですが、マネジメントを始めてまもない時は、おそらく1だけにフォーカスしてしまうと思います。

「どうすればこの業務が達成できるのか」
「どの人に任せると一番早くかつ効率がいいのか」

こんなことばかり考えてしまうことでしょう。もちろんこの考え方も大切です。しかし、実はジョブアサインメントをする時はもう一つ考えなくてはいけないポイントがあります。

それが「人材育成」という観点です。仕事が完了すればいい、というだけで不十分です。仕事を遂行していく中で、メンバーが成長でき、その成長がゆくゆくは会社のために繋がるといった構造を作り出さなくてはならないのです。一方的に「Aさんはこのタスクが得意だから」といった理由でジョブアサインメントをした場合、これは2の視点が欠けていると言えるでしょう。要は、仕事を任せる側の視点、仕事を任される側の視点の2つの視点が必要だということです。

ジョブアサインの6つのプロセス

では次に、アサイメントを決めるプロセス、大枠についてまとめてみたいと思います。僕が考えるに、大きく下記6つのフェーズがあると考えます。

・目標 / ゴールの確認
・必要なタスクの洗い出し
・タスクをブレークダウンする
・タスク分配 / アサイン
・タスク完了サポート
・検証 / フィードバック

目標 / ゴールの確認

まずは、目標 / ゴールを定めることが重要です。ゴールがないと、どこが最終着地点なのか明確にならず、各タスクがフワッとしてしまいます。任された側の人間も「このタスクってそもそもなんでやってるんだっけ」という状態に陥ってしまうでしょう。明確な目標を定めた上で、その目標を達成するために各タスクをする、といった発想が正しいのではないかと思います。また、先ほどもお話したように「何を成し遂げるか」だけでは不十分です。それプラスアルファ、「成し遂げた先でチームがどんな状態になっているか」を言語化しておく必要があります。

必要なタスクの洗い出し

目標が決まったら、その目標を達成するために必要にタスクを洗い出しましょう。ここでは粒度にこだわらず、必要だと思ったタスクを出すと良いと思います。注意すべきこととしては、「目標達成のために本当にこのタスクは必要だろうか」と自問自答することが挙げられます。不必要なタスクにチームの時間を割いていては効率がとても悪いです。それだけではなく、タスクを任された側も「これ本当に意味あるの?」と懐疑的な気持ちを抱いてしまいます。

タスクをブレークダウンする

タスクを洗い出すと中には粒度の大きいものがあると思います。粒度が大きいままだと、タスクを任された側の人は「何をしていいかわからない」といった状況に陥るでしょう。そんな状態を避けるために、今度は粒度の大きいタスクは細分化していきましょう。上流、中流、下流とセグメントをきると、自然と細分化することができるのでおすすめです。

タスク分配 / アサイン

タスクが細分化されると、ここで初めて誰かにお願いできる状態になります。ここでは「どのタスクを誰にお願いするか」というフェーズです。ここで意識しておきたいのは「業務達成」と「人材育成」の2軸で考えることです。もっと具体的に言うと、タスクの抽象度とタスクをお願いする人の思考の抽象度の調整が必要になります。前職の上長が教えてくれた「業務の渡し方のパターン」が非常に参考になったので貼っておきます。

業務の渡し方のパターン
◯作業レベルで渡す
・ミッション達成までの過程が不可逆な場合
・相手の理解度が低い時
・イシューが非常に重要な時

◯行動目標レベルで渡す
・ミッション達成までの過程が不可逆な場合
・業務の実行において、前提知識は足りているがメンバーが独力での解決が不可能だと判断した場合
・行動レベルで指定しなかった場合、著しく生産性の低下が起こる場合

◯成果目標・イシューレベルで渡す
・ミッション達成までの過程が可逆な場合
・(上長からのアドバイス・FB込みで)メンバーが独力でのミッションの解決をすることが可能だと判断した場合

また、細谷功さんの著書「具体⇄抽象トレーニング 思考力が飛躍的にアップする29問」で出てくる下図も非常に参考になります。

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タスク完了サポート

ジョブアサインをしたら終わりではありません。その後、タスクの進捗管理や、ときにはサポートが不可欠です。タスクを任された側が「あいつ任せただけで何もサポートしないじゃん!」と思わないように、メンバーを信頼しつつも、都度進捗の確認、そしてサポートを怠らないようにするのが賢明かと思います。メンバーが意欲的に仕事に取り掛かれるように設計しつつ、進捗が遅くなっている場合などは適切な介入をすることで、スムーズな流れを作ることが重要です。多すぎる介入はメンバーの意欲を下げますし、少なすぎる介入は目標達成という面で支障を来たします。相手の思考の抽象度やマインドに合わせて良いバランスを保たなくてはいけません。

検証 / フィードバック

無事タスクが完了したら、検証、そしてフィードバックをするのがおすすめです。成果物を適切に評価し、それに対するフィードバックをすることで、メンバーは今回のタスクをしてきた中で「よかったところ」「課題点」が明確になりますし、次のタスクに対して「ネクストアクション」を打ち出すことができます。こういったことを繰り返していく中で、メンバーは成長しますし、また、次の作業スピードも早くなるため、業務達成、人材育成のどちらの側面においてもメリットがあるのです。

ジョブアサインメントで重要な5つのポイント

それでは、ここからはジョブアサインメントをする際に重要な5つのポイントについてお話していきたいと思います。

・やりたいことと、やれることは分けて考えよう
・メンバーの人生フェーズを意識しよう
・最大効果をあげるための配分を考えよう
・メンバー目線と管理目線を切り分けよう
・あなたでなくてはいけないことを伝える

それでは、それぞれみていきましょう。

①やりたいことと、やれることは分けて考えよう

まず大前提として、人間はやりたいことができるときテンションが上がります。作業効率もよくなります。そのため、理想で言えば、「メンバー全員がやりたいタスクをする」これがベストです。しかし、実際の仕事はどうかというと、決してこんなにうまくはいかないでしょう。なぜなら「やりたいことと、やれることは違う」からです。「自分がやりたくても、自分に向いていない」ということは世の中には往々にして存在します。

マネジメントをする立場としては、メンバーのやりたいことをヒアリングすることはマストですが、それを必ずしも依頼することは正解ではない可能性が高いです。まずはメンバーがやりたいことを任せようと考えますが、その中でそれがメンバーにとって「やれないこと」だった場合(能力的、時間的な要素が原因となる)は、そのタスクは他の人にお願いするのがベストでしょう。

②メンバーの人生フェーズを意識しよう

メンバーの人生フェーズを意識して、アサインするタスクを選ぶということも重要です。例えば、ここにAさんとBさんがいるとします。Aさんは、まだやりたいことが明確になっていないタイプの人。一方、Bさんは、ある種のエゴを持ち、やりたいことが明確なタイプ。こういった場合、どういったタスクをそれぞれに分配するのがおすすめなのかというと、まずAさんには浅く幅広いタスクを任せるのが良く、Bさんには本人の希望をある種受け入れてあげるような姿勢が良いと思います。

Aさんの今の人生フェーズは、いろいろ幅広く経験し、その中で自分のやりたいことを見つけるといったフェーズです。他方、Bさんはもうやりたいことが決まっているため、やりたいことにフォーカスし、さらにそれも知見を深めるといったフェーズでしょう。もしもAさんに狭く深いようなタスクを任せると、偶然それがAさんのやりたいことなら話は別ですが、多くの場合、本来Aさんが何かに興味を持てる機会を潰してしまうことになります。またBさんに浅く広いタスクを任せると、本当はやりたいことがあるのに、やりたいこととは別のことをする時間が増え、Bさんにとってストレスになり、作業効率は落ちるでしょう。

もちろん、先ほどお話しした「やりたいこと」と「やれること」は分けて考えるべきですが、メンバーの人生フェーズを考慮した上で、タスクを依頼することはとても重要な考え方だと感じます。

③最大効果をあげるための配分を考えよう

これは①と近しいのですが、簡単に言ってしまえば、メンバーの適性を知ろうということです。世の中には、地道にコツコツ、丁寧に仕事を遂行するのが得意な方、ロジカルに物事を考えられ、思考が深い人、メンタルが弱いけど天才肌な人など、多種多様な人がいます。例えば、地道にコツコツ仕事を遂行するタイプの方には、小さな成功体験がたくさん積めるタスクをアサインするのがおすすめです。コツコツ作業していく中で、成功体験を多く積むことができ、それがその人の自信に繋がるからです。そして、そうすることで、自然と仕事のスピード、質が上がり、業務としての観点からしてもプラスに働きます。

また、ロジカルに物事を考えられる人には、上流のタスクをお願いするのがいいかもしれません。上流のタスクの方が頭を使うので、作業している本人も楽しいだろうし、会社としてもなかなか上流のタスクを任せられる人材は多くはないので、助かることでしょう。コンサル出身の方が企業の役員に多いのを見れば間違いないと言えます。このように、メンバーの適性を見極め、それに応じたタスクを分配していくと、メンバーのためにもなりますし、会社としてもプラスなのです。

④メンバー目線と管理目線を切り分けよう

4つ目にに紹介するのは、メンバー目線と、管理目線を切り分けようというものです。今まで重要ポイントを3つほど紹介しましたが、どのポイントにしても「メンバー目線」と「管理目線」の2軸で考えることが重要です。簡単にいうと、メンバー目線とは「メンバーがやりたい仕事」であり、管理目線とは「誰かがやらなくてはいけない仕事」です。

本来、会社と雇用される従業員は対等です。そのため、本来あるべき姿としては「Bさん、あなたのやりたいことはあらせてあげるから、その代わり、このタスクもお願いね!」みたいな関係です。会社と個人がフィフティーフィフティーな関係の中で仕事が回っているというのが、健全な状態で、中長期的にみてメリットが最も大きいような気がします。メンバーのやりたいことを尊重しつつ、やらなくはいけない仕事も随時依頼していくことがマネージャーに求められるのではないでしょうか。

⑤あなたでなくてはいけない理由・背景・インパクトを伝える

ここまでくると、「どの人にどのタスクをお願いするか」が明確になっていると思います。今度は実際にメンバーに伝える、といったことが必要になるでしょう。その際に重要なポイントになるのが、「そのタスクをする人があなたでなくてはいけない」ということを伝えるように心がけると良いと思います。

また、そこで「そのタスクをなぜAさんに任せたいのか」を付け加えられると、さらに説得力は増します。「このタスク簡単で誰でもできるから、一旦Aさんにお願いしたい」これでは、タスクを任される側はやる気はおきません。「誰でもいい」ではなく、「あなた」にして欲しいということ、そして「なぜそう思うのか」を伝えるようにするのがおすすめです。

さらに言うと、「あなたではいけない理由」のほかに、「そのタスクの背景」「完了することによるインパクト」まで伝えられるとベストです。事業全体を見たときになぜそのタスクが必要なのか、そして完了すると事業に対してどんなインパクトがあるかを伝えられると、仕事を任される方もモチベーションが湧きますし、思考の抽象度も自ずと上がります。

まとめ

僕自身、21歳でこういった経験を積ませていただけていることに感謝しながらも、同時に難しさも感じました。本記事を執筆したいと思ったのも、ある種、体系的にまとめることで、自分が普段の業務に活かせたらなと思ったのがきっかけです。

拙い文章で大変恐縮ですが、僕と同じくマネジメントを始めたばかりで、「全体像がつかめない」「どこに気をつければいいのかわからない」といった疑問を持っている人の役に少しでも立てれば幸いです。

では!



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