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【将棋】初手の指し方の具体例について

今回の記事は軽くサクッと。前回でみたように、将棋における理論的な初手の指し方は30通りあります。今回も初手の指し方の種類とその検証についていくつか取り上げてみてみます。

〇1八香、9八香

<第1図>

残念ながら疑問手。とりあえず指せる手を指したという感じが否めず、むしろ1九あるいは9九のマスに弱点を作ってしまいます。香車はそのまっすぐに突き進むという性質上、できる限り下段に控えておいたほうが利きが伸びて活用できる駒です。初手から香車を触るのは無駄な一手と言わざるを得ないため、序盤は香車は触らないということがポイントになります。

〇3八銀

<第2図>

こちらも残念ながら疑問手であり、あまり見かけない一手。棒銀戦法のつもりならば銀将の上がるタイミングが少し早いです。また、銀将が2段目に上がってしまったことで、振り飛車戦法が使えなくなり、早々に相手に対策を講じられてしまいます。棒銀を指すのであれば、まずは飛車先の歩兵を突くのが良し。

〇4八銀

<第3図>

初手ではあまり見かけない手ですが、そこまでの悪手ではないという評価。銀将を中央に利かすことができており、4七と5七の歩兵にヒモがつくのも嬉しいところです。初手に指すのではなく、序盤の駒組みの段階でどこかに挟みたい一手となっています。

〇6八銀

<第4図>

損な一手です。せっかくヒモがついていた角行を放棄して銀将をあらぬ方向へ動かしてしまうからです。☖3四歩と角道を開けられてしまえば、☗7六歩は指せなくなります。☗7八金で通常の序盤戦と手順前後にはなりますが、余計な一手であることに違いはありません。

〇7八銀

<第5図>

☗6八銀と同様の理由から悪手。角行にヒモがつかなくなります。さらに悪いことにこちらの配置では、☗7八金と金将でカバーすることすらできなくなっています。結果として「金銀逆形」になってしまい、とても指しづらくなります。


ここまでで、前回の歩兵に引き続き、香車と銀将の初手を検証してみました。総括してあまり好手とされるような一手はなかったかと思います。初手から香車や銀将を動かすことは避けた方が無難なようです。

次回の記事では、初手の指しかたの例の続きとして、金将と大駒である飛車、そして玉将の初手をみてみます。

それではまたの記事で。

             ―B.―

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