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空虚な日々での失恋と裏切りから立ち直れた、昔話。(&今日の一曲)

社会人になって間もない頃。
無意識に口癖のように言っていた言葉がある。

「あーあ。なんか良いことないかな」

ほしまる、また言ってるよ、とか、
良いことって何よ?と聞かれるのもお約束。

その言葉は友だちや仲間、同期たちとお昼を食べていても、職場での残業を終えた後の飲み会でも、そして ちょっとお茶をしている時でもふと口から出るようになっていた。

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良いこと、って何なんだろう。
本人の私にもわからない。

「ほしまるは贅沢だよ。」

そうやって笑いながらたしなめてくれる友だちもいた。

かと思えば、お酒の力を借りてなのか、
怒り任せに詰め寄る子もいた。

「あんた、それ以上何がほしいのよ?え?」

それなりに恋もして(もちろん、片思いも、失恋も)。

沢山の友だちや仲間にも恵まれて。

仕事が忙しいなんていいながらも、残業のあとあちこち遊び(飲みとか踊り)歩いて。

そして、周りから見たら【憧れの企業】にいて。

今の私が客観的に見ても

「お前、なめたこと言ってんなよ、ふざけんな」

って突っかかってしまうかもしれない。

ただ、私は 当の張本人だからわかるけれど。

何かが、欠けているような。そしてその欠片を必死に探しているような。
そんなもどかしさがあった。

早い話が、私自身が心の底から 全く満たされていなかったのだと思う。

空虚な毎日だった。

楽しそうに見えるのは仮の姿で
実は、ちっとも楽しくなんてなかった。

こんな生活から抜け出したい。

そう思っていたのに、なかなかできなくて。
実際の私はずっと溺れた魚のような、みっともない姿だったのかもしれない。

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その年の 12月初め、待ち合わせてからすぐに入った喫茶店で、いきなり 別れを切り出された。

「俺が悪いから。ごめん、別れて」

代金だけ置いて、すぐさま店を出る その人そいつを私はすぐに追いかけた。

池袋駅前の横断歩道。

「ねえ、こんな意味わからない別れかたってあるかな...」

そう言いかけた私は、その直後、その人から突き飛ばされた。

信号が青に変わって、その人そいつは走り去る。

私は、うずくまって倒れたまま。

師走の池袋の週末はいつも以上の人ごみだ。

寄せては返す波のように人の波が激しい。

だれも、目にも留めない...というか
「なにこのやばいヤツ...」とでも言ってるのか
目すら合わせようとしない。

「東京ってつめてぇな...」

ずっと東京で育ってきた。
東京の良いところも悪いところも知ってきたつもりだった。

こうして行き交う人たちが全て東京の人じゃないこともよく知っている。

いろんな地域の人たちが集まったごちゃ混ぜの街中で、
冷たいアスファルトに涙がこぼれた。

どのくらい時間が経っただろう?

コートやスカートに付いた汚れを払って
何もなかったかのように ヒールを鳴らして
帰宅するため駅に向かう。

また涙が出た。

でも、本当に涙が出たのはそれからあとのことだった。

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たった2、3ヶ月しか付き合っていない人に
一方的に別れを告げられ、街中で突き飛ばされた。

「そんな男、早くに別れて正解だよ」

心配して話を聞いてくれた同期や友だちは口々にそう言って慰めてくれた。

持つべきものは同期だ。

そう思っていた。

「あいつ、許せない。
私から一言文句言うよ。
ほしまる泣かすなんてほんとムカつく」

そう言った同期の中でも一番信頼していたはずの親友が

私と別れたら男といつからかできていたと知った時は
もう、何がなんだかわからなかった。

いつからとか、どういう気持ちで 二人とも私と接してたのかとか
そんなこと、もうどうでもよくて。

ただ一人、私だけがしらなかった事実、というにはかなり辛すぎた。

その親友同期の子は 見た目はおとなしくて
上司や先輩の多くも好印象を持っているような
それでいてしたたかな子だった。

完全に私はあらゆる意味で利用された。

完全に、ただのピエロだ。

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クリスマス前に 男性と別れて、
最初は こんな不幸なクリスマスなんて最悪だと思っていた。

けれど、あまりにも最悪すぎたからか
立ち直りも早くて、その分これからのことを色々考えることもできた。

ずるずる毎日残業したり、そのあとも飲み会とか、そんな毎日とおさらばしなきゃ。

色々考えると、ふとやりたいことが頭をよぎった。

当時はパソコンもスマホもないから、
本屋にいって、「ケイコとマナブ」を買った。
お稽古事や習い事の載っている雑誌だ。

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24日、25日は残業もせず
家族と過ごしたり、学生時代の友だちと過ごした。

楽しかった。

何より、皆 気を遣ってくれたのか 私の親友(だった人)と二股かけてた"バカ野郎"のことなんて口に出さないし
同期も一人もいないから、純粋に学生時代に戻ってはしゃいだ。

「あ、あー。
今日はみんなに宣言しようと思います。」

宴もたけなわ、という頃合いで私は告げた。

「来年は習い事をする。
そしてその習い事の日には残業しないで
さっさと帰る!」

おー!という声と共に拍手がわく。

「語学(この時は英語)と、あとフラメンコ」

「いいじゃん!夢が広がるね!」
「さすがほしまる!頑張れー!」

この時からそう決めた。

翌年、私は宣言通り、1月から 語学学校とフラメンコを習いに通った。

「習い事のある日は残業しません」

そう宣言をして、習い事の日は帰りのデスクにそう書いた紙を置いて帰社した。

そんな生活が始まってからは
私の生活は少しずつ変わっていった。

変わった、というより、本来の働き方、今の世なら当たり前の働き方になった。

私はいつの間にか
「なんか良いことないかな」なんて言わなくなっていた(そうだ)。

そうした生活からしばらくして、
のちに夫となる 部内の先輩が
私の課に配属された。

最初は 良い印象のなかった彼。

そんな彼と後に付き合って結婚。

本当に人生はわからない。

そんな今も、当然のごとく

「なんか良いことないかな」という言葉とは無縁なのだ。

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ここまで読んでくださり、ありがとうございます。

ここからは今日の一曲。

このコーナーでは三度めの登場、リトル・ミックスです。

Little Mix | リトル・ミックス / Shout Out To My Ex(2016)

「元カレに一言物申すわ!」というタイトルでして。笑
今日のエッセイと ちょっと、というか
かなりリンクしてますかね。

この曲が当時話題になったのは歌詞への共感を多く集めたこともありますが
あるメンバーのリアルな体験を描いたものだとされており、当時、とても注目を集めました。

リトル・ミックスのこういう元気な曲はとてもパワーをもらいますね。
ミュージックビデオも楽しいです。

リトル・ミックスは 以前に 
くーや。さんリクエストの記事
と 
クリスマスソングの記事 
でとりあげています。

☆一部歌詞、私の意訳☆

Shout out to my ex, you're really quite the man
大声で元彼のあいつに聞かせてやりたいの,あんたは確かに大したヤツだわって

You made my heart break and that made me who I am
あたしのハートをズタズタにしてくれたよね
おまけに傷つけてもくれたけど
そのおかげかな、今のあたしにになれたのよ

Here's to my ex, hey, look at me now
Well, I, I'm all the way up
元カレにこう言ってやりたいのよ,今のあたしを見てみて、ってね
ここまでやっと辿り着いたわ

I swear you'll never bring me down
だから、もうあんたには邪魔させないからね

Shout out to my ex, you're really quite the man
You made my heart break and that made me who I am
大声で元カレに聞かせてやりたいの
確かにあんたは大したヤツだって
あたしのハートをズタズタにしておいて
おまけに傷つけてくれたけど
そのお蔭で今のあたしにになれたのよ

Here's to my ex, hey, look at me now
Well, I'm, I'm all the way up
I swear you'll never, you'll never bring me down
元彼にこう言ってやりたいの
今あたしのを見てみてよ
ここまでやっと辿り着いたの
もう邪魔なんかさせないから

Oh, I deleted all your pics
そうだ、あんたの写真は,ひとつ残らず消してやったわ

Then blocked your number from my phone
あんたの番号もブロック(着信拒否)にしてやった

Yeah yeah, you took all you could get
あんた、さんざんアタシを利用したよね

But you ain't getting this love no more
でもね、甘い顔は二度としないから

‘Cause now I'm living so legit
だってもうあたしはまともに生きてるの

Even though you broke my heart in two, baby
あんたのせいで散々傷ついたけどね

But I snapped right back, I'm so brand new, baby
すぐにちゃんと立ち直れたの
そして生まれ変わった気がするわ


Boy, read my lips, I'm over you, over you, uh
ちゃんとあたしの口元を見て
あたしの言うことをよく聞いてよ
もうあんたには用はないの!


Guess I should say thank you
んー...でも、あんたにお礼を言っとこうかな

For the "hate yous" and the tattoos
「お前なんか最低だ」って言葉、
何度もアンタに言われたよね
それにタトゥのこともある

Oh baby, I'm cool by the way
ただ、言っとくけど
あたしは別に平気だし

Ain't sure I loved you anyway
実際のところ、本当にあんたが好きだったのか,そこさえあんまり自信がないの

Go 'head, babe, I'mma live my life, my life, yeah
だからあんたはせいぜい勝手にしなさいよ,
あたしはあたしで生きていくから

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最後までお読み/お聴きくださった方。
もしいらっしゃいましたら
ありがとうございます。

かなり寒さが増してきていますので、どうか暖かくしてお過ごしくださいね。

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