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テクノツールにセラピストがいることの意味と、そこから広がる様々な連携【前編】

どうも、ホッシーです。

東京に引っ越して来てからというものの、今まではリモートワークでしか参加出来なかった現場に、実際に赴いて仕事をするという機会が増えています。

実際にその場にいたり、物に触ったり、人と話すというのは、必要条件では無いにせよ、その後のそれらの捉え方の解像度をかなり高めてくれると思うわけです。

そんな現場に出て目の当たりにしてとても勉強になったことがありました。

テクノツールのスタッフの中には、作業療法士や理学療法士といったいわゆる「セラピスト」と呼ばれる方がいます。

病院やリハビリセンターでは馴染みがあっても、テクノツールのような一般的なスタッフとしているのは珍しいことだと思います。
ですが、セラピストはテクノツールが商品を提供していくためにはなくてはならないポジションなんですね。

今回はそんな、テクノツールの要である「セラピスト」を主点に置いた記事を、実際の取り組みの紹介と共に書いていこうと思います!


テクノツールにとってのセラピスト


テクノツールにはセラピストがいるというお話をしましたが、ここで言うセラピストである「理学療法士」「作業療法士」がそれぞれどのような仕事なのかを軽く触れておきたいと思います。

まず理学療法士、こちらは怪我や病気といった何かしらの理由で身体に障害のある方や、障害が起こると予測される方に向けて、運動療法や物理療法によって自立した生活が送れるようサポートする医学的なリハビリテーションの専門職です。

そして作業療法士、こちらは怪我や病気といった何かしらの理由で身体に障害のある方や、障害が起こりうると予測される方の、日常生活における作業(家事、仕事、趣味などなど)全般に対して、その方に適した方法でサポートする専門職です。

テクノツールはコンピューターにおける入力支援機器や、MOMOのようなアームサポートを提供していますが、その提供は使うユーザーの方にとって本当に使いやすいものであるために、正しく商品が提供される必要があるわけです。

なので理学療法士や作業療法士といった、身体について正しく評価できる人材が必要とされるのです。

現在、テクノツールのセラピストは2人います。

今回はその内の1人である理学療法士兼事業開発担当の中塚智恵さんを、東京都障害者スポーツセンターとの取り組みの例と共に、前編・後編に分けて紹介します。


東京都障害者総合スポーツセンターでの講習会


今回事例としてご紹介するのは6月13日(火)、20日(火)に東京都障害者総合スポーツセンター(東京都北区)で行われたeスポーツ教室です。

東京都障害者総合スポーツセンターは、公益社団法人東京都障害者スポーツ協会が運営する公共施設のうちの1つで、主に障害のある方専用のスポーツセンターとなっています。

スポーツやリハビリテーション目的で利用できるのはもちろん、障害のある方に向けた宿泊施設や会議や講習会、研修会などで利用できる文化施設も備えた施設となっています。

またスポーツを始める前段階の方に向けたサポートや、リハビリについての相談会なども行っています。

今回はスポーツの中で、近年台頭し確固たる地位を確立しているeスポーツを、障害のある方でも参加できるようにとスポーツ教室「はじめよう!eスポーツ体験」を開催しました。

「はじめよう!eスポーツ体験」の様子


今回は最大3名の方を対象に、テクノツールが販売しているFlex Controllerを使って、それぞれの身体状況に応じた快適なゲーム環境を共に構築するサポートを行い、自分に合った環境を考えていただきながら構築しました。


ゲームを遊ぶにあたって、多くの場合

「いかに上手にクリアするか」

という方向に目を向けがちですが、その前段階である

「どのような操作環境を整えたら快適にゲームで遊べるか」

という部分が達成されることが基礎が大切だと思います。

今回参加していた方も多様な身体状況や生活環境があり、お孫さんが遊んでいるから自分もやってみたいという方や、親子で共に遊びたいといった様々な状況がありました。

実はわたくしホッシーも、この「一緒に環境構築を考える」といったことをさせてもらい、
参加者それぞれの方の特性を見ながら、それぞれに合った配置を考えるという作業をさせてもらいました。

ゲームで遊ぶにあたって、やはりどうしても

「画面の中で起こっていることについてどう対処するか」

に集中しますが、その集中力はゲームのコントローラーを触っているときの姿勢や環境が快適であればあるほど維持できます。

その上で、自分と違う身体状況の方やその支援者の状況を踏まえて、環境構築を考えプレゼンするという作業は、これから出会う方の支援に携わるときの一つのヒントを蓄えられる貴重な経験でした。

テクノツールとスポーツセンターのコラボレーションの背景


今回テクノツールとスポーツセンターがコラボレーションするにあたって、その目的や今後の展望についてスポーツセンターの方にインタビューをさせていただきました。

ホッシー(以下、ホ):今回東京都障害者スポーツセンターがeスポーツに取り組むことになったきっかけを教えてください。

スポーツセンター担当者(以下、ス):現在注目されているeスポーツを、障害のある方がするにあたってどのように取り組めるだろうと興味を持ったのがきっかけです。

昨今のDXをスポーツセンターでも活用できないかと考えたときに、幅広い方が楽しんでいるeスポーツでならできるのではないかと考えました。

:テクノツールを知ったきっかけを教えてください。

:eスポーツに取り組むにあたって、「環境設定が大事なんだよ」というお話を聞く機会がありまして、(障害のある方がゲームで遊ぶにあたっての)環境設定のプロフェッショナルってどこだろうと調べた時にテクノツールを知り、

「この人たちにぜひお願いできれば」

と思いアポイントを取りました。

公共の場所、人が集まる場所でのeスポーツの取り組みは、ある人の言葉を借りると「ゲームセンター化」になりがちだと言われています。

ですが、私たちがやりたいことはそこではなく、(障害のある方が取り組むスポーツという)核なるものや信念を持って取り組んでいくための土台作りをやっていければと思い、ご依頼させていただきました。

:ありがとうございます。実際にテクノツールとのコラボレーションでプラスになったことはありますか?

:私たちはリアルスポーツにおける支援、例えば卓球をするとなったときにラケットを持てなかったらどのような工夫をしたらできるようになるかといった部分では長けていますが、(テクノツールと関わるまでは)eスポーツでの支援で必要なデバイスをどう揃えるかという部分が分からなかったので、どこがデバイスを提供していて、どこに問い合わせたら良いのかを知ることができたことがプラスになりました。

ワンクールご一緒させていただいて、機材や障害について知っているからこそ柔軟な対応ができるということで、障害のある方のスポーツとeスポーツを掛け合わせることが出来るのだというところに面白みがあって、すごく勉強になりました。

:ありがとうございます。最後にeスポーツに関する今後の展望を教えてください。

:はい。ぜひ今後とも(テクノツールと共に)引き続きご一緒させていただけたらと思います。

テクノツールとの関わりでは、先日8月27日(日)に「スポーツ祭」を開催しました。

このイベントは障害の有無や年齢等を問わずどなたでも参加出来るイベントとなっております。
そのイベントの一部に、eスポーツ体験のブースを展示し、当日はたくさんの方々にeスポーツを体験していただきました。
その際にも、テクノツール株式会社様より講師として1名派遣してくださいました。大盛況に終える事が出来ました。ありがとうございました。

次、10月21日~ 全4回で、「はじめよう!eスポーツ体験」の2クール目を開催します。

10月21日と10月28日の2回、テクノツール株式会社様に講師として来ていただくこととなっておりますので、是非、ご興味のある方は、当センターへお問合せ下さい。

当スポーツセンターでは様々なスポーツに触れることができるので、ぜひ興味関心を持っていただいて、自分の可能性を広げていっていただきたいと強く思っています。

:ありがとうございました。引き続きよろしくお願いします!


次回は中塚さんをはじめとする「事業開発チーム」と、今後の協業に関する展望をご紹介します!


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