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「最高の子育てベスト55」(トレーシー・カチロー著、鹿田昌美訳)の読書感想(評価:★★☆)

この本と出会ったきっかけ

子どもを持つ親であれば、誰もが「最高の子育てをしたい!」と思いますよね?
私もそんな親の一人です。ちなみに、ほっしー家にも3歳になる子どもが1人おり、日々てんやわんや。子どもの体力は無限なのではないかと感じられるぐらい、動き回ります。

とある日、帰宅時に書店内に寄ると「最高の子育て」という文字が目に飛んできました。私たちの願いを叶えてくれるような本を見つけたのです。それが本書となります。

本書では、はじめにの部分にこう書かれていました。

脳の90%は生後5年間に発達する。なので最初の数年間がカギ。また、子育てにおいて本当に大切なことはシンプルで、一緒にいるときにかまってあげる。たくさん話しかける。きっぱりかつ温かくしつける。たくさん抱きしめる。そして、たくさんの睡眠を取らせてあげるということです。

本書では色んなHowToが書かれていますが、この文に全てが凝縮されているような気がしました。

ここからは、私が普段の生活でも「使えるな」「気を付けなければいけないな」「取り入れてみたいな」と感じた部分をぎゅっと12個にしてご紹介していきたいと思います。

1.最大の欲求「安心感」を満たしてあげる

赤ちゃんは、親のケンカを理解している。生後6か月未満でも何かが変だと感じます。血圧と心拍数が上がり、ストレスホルモンであるコルチゾールの値も上昇します。
もし、ケンカをするなら相手の支えになり、わずかでも愛情表現を見せることが大切。そうすることで、子どもは家族の調和を守りながら衝突に対処することを学習する。
パートナーとケンカしたとき、「脅迫」「罵り」「暴力」があると子どもの心はダメージを受ける(引用:p27~29)

皆さんは、いかがでしょうか?
私は妻とケンカすることがあります。お互い言いたいことを伝えるだけなので、歩み寄りがありません。なのであまり調和が取れていない状態です。
それが子どもには敏感に伝わっているということに気づかされました。
もう少し言動に気を付け、調和を図り子どもの安心感を満たしたいと思います。

2.子どもと一緒に家事をする

親の家事に子どもを関わらせることで、「たくさん教えて、たくさん話しかける」ことができる。一緒に「料理」「洗濯」「おそうじ」「買い物」をするとよい(引用:p44~46)

「料理」だと、包丁があったり、火を使うことがあるためケガをしてしまう可能性があります。なので、私は子どもに炊飯器のご飯をよそってもらう係りをお願いしました。すると、子どもはすすんで家族の分もやるようになりましたので、おススメです。是非皆さんも!

3.3歳までに言葉を浴びせるほどIQが上がる

3歳までにたっぷり言葉を聞いた子どもは、語彙力とIQが高い。
話し掛けられる回数が多い子どもは脳が活性化する。
実際の人との関わりの多さが言語学習の成果を大きく左右する。
1時間に15分間おしゃべりをする程度がよい(引用:p51~59)

会話をする時間の確保が語彙力アップにつながると思いました。
我が家では食事の際にはテレビをつけません。また、食事以外でも長時間テレビを観続けない。そして、なるべくスマホを見ないことをしています。
最初は抵抗感があるかもしれませんが、慣れてくると自然と出来てきます。
テレビやスマホは私たちを夢中にさせてしまう仕掛けがたくさんあります。なので、それに引っかからないことは難しいのです。
テレビに時間を取られますか?家族との時間を取りますか?どちらが良いかはもうお分かりですよね。

4.脳を刺激する読み聞かせをする

同じ本を繰り返し読むのなら親が読む部分を徐々に減らして、子どもにたくさん語らせましょう。
本を指さし、モノの名前を教え、子どもに質問をしましょう。
子どもにも参加させるスタイルの読み聞かせを15週間続けると、子どもの口語能力がアップする。子どもを読書好きに育てるには小さいうちからたくさん話しかけて読み聞かせをすること。
本は新しいアイデアや可能性に心を開かせてくれ、情報を与え、時には人生にひらめきを与えてくれます。親子の絆を楽しく育む手段でもある(引用:p60~66)

1~2歳までは親が絵本を読み聞かせるだけでしたが、3歳になったときに絵を見ながら逆に親に対して絵本を読み聞かせたことに、とても驚いたことを覚えています。もちろん、まだまだ文字は読めません。
今までの記憶でこのページではこういったことを言っていたな、この絵はこういったことを伝えているんだなということを学習していたのです。
絵本はそこに書かれている絵を見ながら何を伝えようとしているのか、子どもの想像力を養わせるものだと思います。また、「これは何?」「こういったときはどう思う?」などアウトプット型の読み聞かせをすることで、口語力を養わせるのだと思いました。
私自身、本があまり得意ではなかったのですが、多くの気づきを与えてくれるものですし、成長につながることを確信しています。子どもにも早くそれを実感してもらいたいと願っています。

5.よく眠らせて「記憶力」と「集中力」を育てる

しっかり休息する赤ちゃんは「記憶力」「集中力」「適応力」が育ち、「ストレス」「かんしゃく」「ぐずり」が少なくなる(引用:p90~94)

睡眠は本当に重要であることを改めて感じています。
私自身、夜型だったときは、あまり生き生きしておりませんでしたが、就寝時間を23時に早めたり、子どもと一緒に就寝時間を合わせたことにより、朝の目覚め方がとてもすっきりし、日々活力に溢れています。
睡眠は子どもはもちろん、大人にもとても大切な要素なのです。
我が家では共働きということもあり、少し遅いのですが21時半までにはベッドに入り、遅くとも22時までには眠れるようにしています。
最終的には21時にベッドインできるよう、努めていきたいと思います。

6.トイレにいくきっかけを増やす

子どもがトイレに行くと宣言したら、「いいわよ、行きましょうね」とあっさり応じる(引用:p119~123)

自宅では容易に対応できるのですが、外出先ですと妻に頼りっぱなしになっています。
また、遊びにいった帰りの電車でホームに電車がくると同時に「トイレ~!」と言われたときには、娘は妻に任せて先に帰宅し家事をやっていました。後から娘に「なんで先に電車に乗ったの?」と聞かれたときに、自身の行動を振り返り、効率的な行動が娘にとっては冷たい行動と捉えられてしまい、反省をしております。。。
娘のトイレトレーイングは、親にとっては子育てトレーニングになっていると気づかされる場面でした。

7.9つの方法で創造力を伸ばす

予測不可能な世界を生き抜くためには、「創造的に思考できる人間」に育てていく必要があります。つまり「創造力」。その3分の2は、訓練から築かれます。

【子どもの創造力を伸ばす9つの方法】
1.興味を情熱に変えるように励ます
2.間違いを許し、歓迎する
3.視覚芸術(絵画・写真)、演劇、読書プログラムの受講
4.子どもの才能に気づいてサポートする
5.成績よりも学習した内容に興味を示す
6.ひとつの問題に対して、複数の解決策を考えるように促す
7.解答を与えるよりも、解答を探すためのツールを与える
8.視覚的に考える見本を示す。例えば家具の配置を変えたいときに、子どもと一緒にスケッチする
9.新しい考え方を促すために例えや比喩表現を使う
(引用:p159~162)

上記9つの方法を見て、私は「2」と「4」のことに注力して創造力を伸ばしていきたいと思います。
理由は、「2」については「間違い=ダメなこと」とインプットされてしまいます。間違えることは、次の正解を導くためのステップになり、なぜ間違えたのか?を学ぶ絶好の機会なのです。この過程を経ないと、同じような問題に巡り合った時に、また間違える可能性が高いのです。
なので、間違えてもまだまだ許せる時期にたくさんの失敗を糧にし、創造力を養っていこうと思います。
「4」については、自分の子ども時代を思い返すと、好きでないものはやはり長続きしませんでした。どれだけ親が一生懸命教えてもその気になれないし、全く興味が湧きませんでした。しかし、小学4年生の時に出会った「サッカー」だけは社会人になった今でも継続しています。なので、子どもにとっての興味・関心があることを見つけるために、子ども日記をつけることが良いなと感じました。
子どもが大人になり、やりたいことに悩んだときには、その道しるべとして幼少期がどういった人間だったのかを振り返ることができ、自己分析をより深いレベルまでできるため、楽しく働くことができる職業に出会う確率を高められると感じました。

8.ポジティブな言葉を増やす

家族をダメにする「4つの言動」
1.批判:パートナーの欠点について不満を述べる
2.軽蔑:相手を見下した言い方をする
3.防御:責任を否定する(あなたがそんな事しなければ・・・)
4.妨害:石のように黙っている
対立を避けるのではなく、上手に扱うことが円満な結婚生活につながる(P175~178)

あぁ、これやってしまいがちですね。特に「1」についてはどの家庭でも起きているのではないでしょうか。
欠点があったときには、一方的に「こうすべきだ」という言い方ではなく、「こうした方が良いと思わない?」と伝えてみようと思います。

9.子どもの前でスマホをしない

子どもの頃から「顔を見てやりとり」することで、コミュニケーションスキル、思いやり、自分の感情や行動を制御するなど多くが学習できるのでスマホをしない(P192~195)

自分が話をしてる時に、相手がスマホばかりに目をやっていると、自分よりも優先される存在があると思ってしまいます。そのため、相手に対して愛情が沸かなくなったり上手な人間関係を築けなくなります。
また、スマホやテレビを全て排除することはできませんが、そればかりになってしまうと情報を受け取るだけのインプット人間になってしまいます。
自ら情報収集していき、どのようにしたらよりよくできるのかは、他人ら言われるのではなく、自分で見つけていく力が必要なのです。
スマホはあくまでも、自分たちの生活を潤すツールでしかないことと、本当に大切な存在をきちんと認識しなければなりませんね。

10.最も効果的なしつけはきっぱりかつ温かく

「自立心が強い」「自信がある」「社会的能力が高い」「不安が少ない」「落ち込みにくい」
こういった子どもの親は、子どもの要求に上手に応じて協力的であり、厳しくとも敬意を持って親のルールを守らせる。
そうするためには、「民主型の親」を目指すと良い。
「民主型の親」とは、罰するのではなく教えることでしつけをする。
声のかけ方としては、「○○ちゃん、順番を待とうね」「ベビーカーでは座っていてね。○○ちゃんが落っこちてケガをしたらママは悲しいわ」「まだお腹が空いているのね?ぶどうかチーズを食べてもいいわよ」
民主型の親は、時間がかかり、労力も忍耐力も必要。だから失敗を覚悟して次回もトライするぐらいの気持ちで挑戦しましょう(引用:p222~228)

子育ては、労力と忍耐力が必要だとつくづく思います。当たり前ですが、親が全て子どもの身の回りをやってしまえば早いし失敗がありません。
ですが、私たちも子どもの頃に多くのチャレンジをしたからこそ、上手くいったときの喜びや、失敗したときの悲しみ・悔しさを感じることができます。
保育園の登園前にだらだらとテレビを観ていたり、朝食を食べるのが遅かったりすると、イライラしますし、どうしても子どものペースに合わせることはできません。
ここで、子どもに対して憤りを感じるのではなく、明日からはもう少し早く起床させてみたり、楽しみながら朝食やお着替えができる工夫をすることが親の務めかなと思います。

11.子どもにルールを宣言する

明確でブレないルールをつくる。20個のルールを同時に施行するよりも重要な2、3個のルールを決めてそれについてはブレないとした方がラク。また、理由をきちんと説明する。その方が子どもも納得する。
例えば、「それはすべきではない。なぜなら○○だから」

ルールを親と子どもで作る。そのプロセスに参加することで子どもは尊重され、大切にされ、公平に扱われていると感じます(引用:p229~235)

子どもにきちんと理由を説明できていますか?
私はできていません!
「食べなさい」「寝なさい」「お風呂に入りなさい」「手を洗いなさい」「トイレにいきなさい」「マスクをしなさい」どれも、結論しか伝えていなかったです。「なぜ?」の理由をきちんと伝えることで、大人になっても理由を考えることができるのだと思います。

12.毎日のルーティンで自分から動く力を伸ばす

幼い子供にとって、ルーティンとは決まった時間に食事、昼寝、就寝をくり返し行うこと。
朝のチェックリストを子どもと一緒につくる。
3歳であれば「トイレ」「朝食」「着替え」のチェックリストを作り、「今は何をする時間かな?」と聞く。

家の外に連れ出さない日は、子どもが不機嫌になり昼寝が上手くできず、夜にその埋め合わせで大変な目にあっている。不機嫌の最良の薬は外を散歩させること(引用:p268~270)

我が家でも、食事と就寝は決まった時間に取れるようにしています。
平日であれば、起床は7時頃、朝食は7時半頃、お昼は保育園で12時頃、夕食は19時頃、就寝は21時半頃となっています。
もう少し夜の就寝時間を早めたいのですが、ベッドに入っても「眠れない、眠れない」と言うので、対策として保育園でのお昼寝時間を30分短縮したこと、30分ほど夕方遊びを取り入れたことにより、以前よりも、少し寝つきはよくなったと思います。

最後に

末巻では、パートナーや友人、子どもと「いま、この瞬間」を楽しむ。
子育ては、素晴らしい旅に乗り出すようなものと書いてありました。
我が子の出産に立ち会い、健康でここまで育ってくれたことに改めて感謝しています。この子が今後どのような人生を歩んでいくのか楽しみになったり、不安になったりしますが、あまりにも先のこと案じて行動を制限するよりも、今この瞬間を楽しみながら子どもと一緒に親も成長していければ、最高の家族になれるのだと思いました。



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