見出し画像

【イベントレポ 】2022/2/22 北海道スペースポートトークイベント「宇宙×地方創生が加速する!" オール北海道で、宇宙版シリコンバレーをつくる"」 ②

第二部「オール北海道で、宇宙版シリコンバレーをつくる」

登壇者:

最初にモデレーターを務める中神がご挨拶と宇宙ビジネスの可能性を資料を使って説明し、第二部が幕を開けました。
(第一部リンク)
https://note.com/preview/ncf1b59ceccea?prev_access_key=ab17527a067c6cc785cce960df34e332

SPACE COTAN株式会社 取締役兼CMO 中神 美佳

経済団体・民間企業としてHOSPOに参画する理由

北海道経済連合会 会長 真弓 明彦氏:

北海道経済連合会 会長 真弓 明彦氏

北海道が宇宙に対して活動を始めたのは1984年になります。当時の北海道北東開発公庫、現在の日本政策投資銀行が宇宙産業基地構想を発表した翌年、大樹町が宇宙ビジネスの誘致を始めました。北海道経済連合会も2014年から国や北海道へ具体的な要望活動を始めております。2019年には「宇宙産業ビジョン『宇宙で変わる北海道の未来、日本の未来』〜宇宙版シリコンバレーを目指して〜」という報告書を公表しましたが、その舞台は大樹町でありました。宇宙産業は北海道の未来産業として大変有望であると考えており、経済発展の起爆剤として宇宙を活用できないかという観点から支援をさせていただいています。

宇宙産業ビジョン『宇宙で変わる北海道の未来、日本の未来』~「宇宙版シリコンバレー」を目指して~を掲載しました |北海道経済連合会 Hokkaido Economic Federation

北海道商工会議所連合会 会頭 岩田 圭剛氏:

北海道商工会議所連合会 会頭 岩田 圭剛氏

HOSPOを中心とする宇宙産業の拠点を北海道に形成していこうという活動は北海道民に未来への夢と希望を与えるものとしてぜひ応援をしてまいりたいと考えています。HOSPOの経済波及効果は北海道経済連合会そして日本政策投資銀行の試算によりますと、年間267億円に昇ると試算されておりますが、これはロケットの射場整備、運営維持による発注効果だけということで、それに付随する新たな情報サービス産業を始めとする関連産業がもたらす波及効果は含まれておりません。そうしますと267億円にとどまらず膨大な額に昇ることが容易に想像できます。商工会議所としてこれらの挑戦する企業を支えていくということも役割の一つですので、地元の中小企業の皆さんがその経済効果を実感していただけるように参画していきたいと思っております。

サツドラホールディングス株式会社 代表取締役社長兼CEO 富山 浩樹氏:

サツドラホールディングス株式会社 代表取締役社長兼CEO 富山 浩樹氏

実は大樹町さんにお店を構えさせていただいたのですが、出店のきっかけというか意思決定の後押しになったのが宇宙産業でした。出店を悩んでいたときにインターステラテクノロジズ(以下IST)さんの記事を拝見して、宇宙産業の可能性というのに初めて関心を持たせていただいて、こんな世界的な産業が北海道、しかも大樹町から生まれてくるんだということに驚きました。我々もそこに絡んでいくことは非常に大きなチャンスになると思い、出店を決意した背景があります。

INCLUSIVE株式会社 代表取締役社長 藤田 誠氏:

INCLUSIVE株式会社 代表取締役社長 藤田 誠氏

宇宙との取り組みというところなんですけれどもHOSPOさんには企業版ふるさと納税をさせていただいたり、ISTさんとも資本業務提携を結んでおります。新しい産業で地域の創生にもつながり町が活性化していく、夢に挑戦していくところに関わっていきたいというところで参加させていただいています。

具体的な宇宙ビジネスの可能性について

中神:
次のテーマはHOSPOをはじめとする宇宙産業との協業であったり、具体的な宇宙ビジネスの可能性のお話を伺っていきたいと思っています。

藤田 誠氏:
衛星を使って既存ビジネスを変革していくことを勝手に「SX(スペーストランスフォーメーション」と言っていますが、「DX」の次は「SX」が来ると思っています。宇宙あるいは衛星のデータを活用してどれだけ既存ビジネスの効率化を進めていくのかが重要になってきます。ISTさんはロケットを打ち上げる会社で、ISTの子会社であるOur Srarsさんは衛星を運用する会社。我々INCLUSIVEは衛星の利活用のコンサルティング、あるいは衛星を打ち上げる支援事業という形でいろいろな事業を変革できたらいいなと思っているところです。

富山 浩樹氏:
藤田さんの「SX」というワードいいですね。僕もそういう話をしたいのですが、宇宙と関わらない企業はないんじゃないかなと思っていて、今ってDXとかAI、メタバースなど出てきていますけど、次は「SX」の時代かなと。逆に宇宙に関心とかアンテナを立てていない経営者やビジネスパーソンはリスクがあると思います。具体的な宇宙ビジネスの可能性について言えば、(目の前に置いてある)この「超炭酸水」ですね。サツドラで一番売れている炭酸水なんですけど、炭酸が非常に強いというイメージにぴったりだということで、1本売れるごとに1円をISTさんにファンディングさせていただいています。道民の皆さんにも炭酸水を飲むだけで宇宙に関われるというような、宇宙を身近に感じていただく接点を日常の中に作ったり、そういった形で多面的にいろいろと関わらせていただきたいなと思っています。「超炭酸水」ロケットも打ち上げたいですね。

超炭酸水×MOMO応援プロジェクト

岩田 圭剛氏:
食にブランドを持っている北海道ですから、おいしい北海道産宇宙食を生産できるというのも、一つの強みではないでしょうか。実は昨年、十勝スローフードさんが開発した「北海道産牛肉とミニトマトハンバーグ」がJAXAの宇宙食として道内で初の認定を受けました。やはり北海道の美味しい食を宇宙で楽しめるっていうことになると本当に夢があるなと思います。

北海道産牛肉とミニトマトのハンバーグ | 宇宙日本食

真弓 明彦氏:
北海道経済連合会の宇宙版シリコンバレーのイメージは「宇宙の6次産業化」であります。1次産業は打ち上げ射場(HOSPO)、2次産業はロケットや衛星などを製造・開発する産業、3次産業は衛星データを利活用するあらゆる産業です。大樹町を核として、北海道ひいては日本全体の産業発展につながる取り組みにしていければと思っています。

日本の宇宙産業を世界レベルまで進化させるために官からどのような支援を求めるか?

真弓 明彦氏:
射場の整備には今回目標金額を達成した「ふるさと納税」の他にも資金が必要です。国からの支援としては、地方創生拠点整備交付金の交付をぜひともお願いしたいと思っています。一方、道内においては、オール北海道で取り組むことが重要になってきますが、まだまだ、まとまりきれていないというのも実感としてあります。この先はより大きな塊として動きを強めていき、そのリーダーの役割を行政に担っていただければと思っています。

岩田 圭剛氏:
宇宙産業がこれだけ有望であるわけですから、いつまでにどういうことをして何をするかという「ロードマップ」を官民で共有していただきたいです。このマーケットは世界を相手に競争しなければいけないものですから、​本当にスピード勝負だと思います。

富山 浩樹氏:
アメリカは国が相当な支援をして宇宙産業自体にブーストがかかり、「スペースX」のような民間企業が育ちました。先ほど藤田さんが提唱した「SX」が起きると、今までの業界や産業の枠組みをどんどん超えてくるので、今の規制とかルールが通用しなくなると思うんです。今の「DX」の段階でも、たとえば経産省さんが推進しても厚労省さんが反対するとかうまく進めないことがあって、「SX」になるとそれがもっと起きると思います。宇宙省みたいなものがあってもいいかもしれないですよね。トランスフォーメンションが起きることを後ろ向きに守っていくのではなく、前向きな姿勢で取り組んでいただきたいです。

藤田 誠氏:
僕は民と官の事業マッチングができるような場を設けていただきたいですね。企業としても行政の方とのつながりがあると、利用できるものが増えると思っています。オール北海道はもちろんですが、当然オールジャパンで世界と戦わなければならないので、マッチングのつながりというのを作っていただきたいです。

最後に

真弓 明彦氏:
北海道も変わる。日本も変わる大きなプロジェクトだと思っています。大勢の方からのご支援をお願いいたします。

中神:
本日はいろいろなお話を聞かせていただきありがとうございました。宇宙を使うことであらゆる産業の課題を解決する可能性があることを多くの方に知っていただく取り組みをHOSPOとしても行っていきたいなと改めて思いましたし、我々だけではやりきれない部分もあるので多くの皆さんと一緒にプロジェクトをどんどん作っていきたいなと思っています。

イベントはHOSPOサポーターズの紹介と、3月25日に帯広市で行われる「北海道スペースポートに関するトークイベント“”未来志向のまちづくり”&HOSPO SUPPORTERS交流会」の告知で幕を閉じました。

HOSPO SUPPORTERS

HOSPO SUPPORTERSは、HOSPOを応援する企業や個人が参加し、
HOSPOを核とした宇宙版シリコンバレー形成に向けた相互連携を図るコミュニティです。SUPPORTERSになっていただける企業を広く募集します。
 詳細リンク:SUPPORTERS - Hokkaido Spaceport


北海道帯広市開催!北海道スペースポートトークイベント&交流会「地方創生を実現する未来志向のまちづくり」

北海道大樹町とSPACE COTAN株式会社は、2022年3月25日(金)に帯広市内の北海道ホテルにて「地方創生を実現する未来志向のまちづくり〜日本・世界の事例から学ぶ・宇宙×地方創生〜」と題したトークイベントを開催致します!

第一部のトークイベントは現地参加のほか、オンラインでも配信予定です。
第二部は現地会場での交流会も予定しております。
ぜひ多くの方にご参加いただけたらと思います!

《イベント概要》

■日時   :2022年 3月 25 日(金) 15:00-17:00(受付:14:30〜) ※交流会(有料)は17:30-19:30
■場所   :北海道ホテル(〒080-8511 北海道帯広市西7条南19丁目1番地)
■参加方法 :現地参加もしくはオンライン参加(オンライン参加は第一部トークイベントのみとなります。)
■お申込み方法:
 フォームから事前にお申込みをお願いします。現地参加、オンライン参加に関わらずお申し込みをお願いいたします。
 ライブ中継は北海道スペースポートの公式YouTube チャンネルにて配信いたします。事前のURL送付はございません。
北海道スペースポートの公式YouTube: HOKKAIDO SPACEPORT - YouTube
申し込みリンク:北海道帯広市開催!北海道スペースポートトークイベント&交流会「地方創生を実現する未来志向のまちづくり」

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?