
介護・医療現場の勤務シフト管理はストレス
今回は介護や医療の現場でよく聞くことがある、勤務シフトに関するお悩みを取り上げてみたいと思います。
そもそも介護・医療の現場では、人が人の面倒をみるわけですから、仕事そのものに特有の緊張感があり、そのストレスたるや大きいものがあります。
この業界では常に「人手不足」が言われますが、この特有の緊張感やストレスを直視して向き合っていかないと、人手不足はなかなか解消しないでしょうし、職場の定着率にも影響を与えると思われます。
働く側からみた勤務シフト
まず、この業界で働く人からみた勤務シフトに関するお悩み・現場の声から考えていきます。
当然ながら介護・医療業界は人の健康や生命をケアすることから、年中無休の体制が基本となります。
・クリスマスも正月もゴールデンウィークも仕事 (T_T)
・夜勤もあり、自由がきかない (T_T)
・家族・友人・恋人との時間が合わせにくい (T_T)
などは、よく耳にする声です。もちろん休みが取りやすい職場もあるでしょうが、なかなかそうはいかない職場があることも事実でしょう。こうした休みの取りやすさについて、できるだけ公平に実現していくためにも、当社の立場からすると、AIと数学のチカラを借りて自動化する「ほすぴタッチ」をお薦めしたいと思います。
もうひとつ、これは以前の「ほすぴタッチ」オンライン対談でも話題となりましたが、人が集まって組織になると政治的な力関係がどうしても生まれてきます。つまり、政治力の強い人が勤務シフトについて優遇され、政治的に弱い立場の人が割を食うというものです。
・特定の人の夜勤が多い
・特定の人の祝日・週末勤務が多い
などはそうした偏りによることも考えられます。これは、放置しておくと人材のモチベーションを下げてしまい離職率を上げて、職場の定着率を下げる要因になってしまいます。
・特定の患者さんとの相性が悪い
・特定の同僚との相性が悪い
というようなことも、なかなか表には出てきにくい理由ですが、人間関係が基本の職場であることから、実はとても人間の本心をついた理由であると思われます。これも実は働く側のモチベーション低下の隠された理由となり得ます。
・だだでさえ忙しいのに、コロナ禍対応でより一層仕事がしんどい
・法令や行政指導などで仕事の内容が変化したり、増えていく
こうした外的な要因も常につきまといます。やはり、この業界で働く人の「都合」をもっと合理的に実現してあげて、多くの方が従来よりは「働きやすくなった」「ストレスが減った」と言われることがまずは目標となるのではないでしょうか。
当社では、微力ながら 「ほすぴタッチ」 hospi.ai がこうしたことの解決の糸口にならないか、日々開発・改良を続けています。
管理する側からみた勤務シフト
さきほどは働く側からみてきましたが、勤務シフトを管理する側も実は大変です。
・大勢の都合を聞き入れるのが大変 (T_T)
・紙やエクセルでの管理には限界がある (T_T)
・勤務シフトの作成自体にものすごく手間がかかり、ストレスとなる (T_T)
・勤務シフトを作成するためにこの仕事に就いたのではない (T_T)
など、管理する側にも相当の言い分はあります。管理する側もできればみんなが平等に休みがとれて、不公平感を減らすつもりではいるはずですが、実はこのような「組み合わせ」は数学的にみてもとても複雑な計算を必要として、なかなか正解がないのが「実際」のところです。
・新人と経験者では当然仕事の質が違うので、その組み合わせなどを考えだすともっと大変
・誰かが年末年始やゴールデンウィークに偏っていないかチェックするのも大変
・本当は、AさんとBさんのシフトの交換なども応じてあげたいが、やりだしたらキリがない
・最悪、勤務に「穴」が空いたら、自分が勤務して埋める
こうした、管理する側の「思い」があったとしても、実現することがそもそも困難ということもあるでしょう。
さらに、昨今のコンプライアンス志向・コロナ禍によって、
・特別なシフト編成が必要
・特定の有資格者をシフトに配置する必要がある
・労働法規に抵触するような勤務シフトになっていないかチェックしないといけない
もう、組み合わせる要素が拡がっていく一方です。
個々人の希望をできるだけかなえてあげてモチベーションを維持し、職場の定着率を高めていく、管理する側の多くの方はそう考えていますが、それを実現するにはあまりにも複雑な計算が必要になってきます。
人間業では困難なこと、しんどいことはやはりシステム化して、自動化・機械化して、人間にしかできない本来の業務にパワーを割いてもらえればと思います。
「ほすぴタッチ」 hospi.ai がその一助になれば幸いです。
社会の側も意識を変えていこう
そもそも、人が人のケア・お世話をするのは、外野から見ている以上にとても骨の折れる仕事です。
最後に考えてみたいことは、業界の人々だけでなく、社会そのものがこの業界で働く人々に対する意識をもっと変えていく必要があるのではないかということです。
内閣府の「平成30年版高齢社会白書」によると、わが国の高齢者人口は、2042年に 3,935万人 でピークを迎えるそうですが、人口も減っていくので高齢者率は高止まりするようです。
つまり社会全体にとって、この業界で働くみなさんが元気に働いてくれる環境をつくっていかないと、いずれ社会全体の不幸につながるということです。
人が人のケア・お世話をする仕事にもっと敬意を払い、それを評価していく制度の整備も必要です。もう少しこの業界で働く人々の報酬を上げるのも一つの方策です。
社会の価値観、評価、そして経済的な支援も含めてトータルで意識を変えていくべき時代だと思われます。
それは今回のコロナ禍での医療現場のひっ迫で、私たちは十分に思い知らされたことではないでしょうか。