クマドリトノウメン~カブキモノ②
早期退職を選択すると不動産を賃貸するにも何かと不便になる。
小説家に挑戦すると聞いた知人が「面白い場所に住むべきだ」と言って歌舞伎町のマンションを紹介してくれた。
コロナ禍の最盛期であり、殆どの店は開いていなかった。
小規模店舗にとっては濡れ手に粟の状態であったが、大規模なキャバクラやホストクラブは「止まると死ぬんじゃ~」の間寛平状態だった。
残念ながらどちらとも興味のなかった僕にとっては最悪の時期であった。
兎に角お店の数だけナンバーワンがおり、「全米ナンバーワン映画」のような安売り状態であり、『世界に一つだけの花』を教えてあげたい。
少女漫画のような零れるばかりの瞳に溢れる笑顔の宣材写真で溢れている。
本人と思しき人物とであっても「ダレダレ詐欺状態」であり、派手な衣装を纏っているから分かるものの、すれ違った時の「厚化粧による香害」は目鼻咽喉に不調を来たす。
某国のミスユニバースではないが、「涙袋とアヒル口」で瓜二つなので、「どっかで見たことあるな」と思ったら、「さっきすれ違った」ことに気付く。
視覚に頼ることはもはや困難なので、香水を重ねる負の連鎖であり、「花粉症」ならぬ「過扮症」に心理的ダメージも喰らう。
化粧の基本は変身願望ではあるが、どちらかと言えば「コスプレ」に近いのかもしれない。
本人ではなく「理想の顔」を追求する「金太郎飴状態」であれば、人物になり切ることが目的の「隈取」に近いのかもしれない。
新宿よりも大久保寄りになるとその傾向は顕著になり、ホストだけでなく男性も化粧をしている。
暗い店内では違和感はないが、明け方にはドロドロになった状態で「エントロピー増大則」を証明してくれる。
「早く人間になりた~い」都会に潜むベムベラベロは心の底で叫んでいる。
「唯吾足ルヲ知ル」は理想であるが、煩悩は尽きず、化粧では飽き足らず軽い気持ちで整形に走る。
卒業旅行や自動車免許ではなく、某国では卒業整形が当たり前になりつつあるらしい。
切開を伴わないヒアルロン酸注入は手術ではなく、「プチ整形」から始まり、『Tomorrow never knows』に陥る。
極端に尖った顎、左右対称の顔等、見る人が見れば分かるのだが、暗い店内及び「恋は盲目」効果は絶大なのだろう。
一度メスを入れると定期的なメンテナンスが必要になるだけでなく、肉体的な苦痛も尋常でない。
トイレで孤独死した元有名セクシー女優も過度な睡眠薬とオムツが欠かせなかったらしい。
それでも駆り立てる欲求はなんだろうか。
絶対ではないが、タトゥーやボディピアスに留まらず、リストカットと親和性若しくは相関性が高いようだ。
化粧は変身願望の域であるが、整形になると自傷癖なのかもしれない。
不自然な冷たい表情は「能面」のようだ。
宣材写真のような笑顔は絶対に見せてくれない。
勿論、僕の寂しい懐具合が問題の大部分を占めていることは間違いない。
素性も知らない中国人ブローカーを信じた挙句、骨董品及び現金を失った。
当初、彼ら若しくは彼女らに問題があると考えて、『タイガー&ドラゴン』で臨んでいた。
旧知の元セクシー女優とスナック経営を目論んだが、欲に眩み信頼を失った。
途中、誰かが悪いのではなく、社会の問題だと考えて、『伝えたいことがあるんだ』に変わった。
フルコミで不動産のセールスに挑戦した結果、業界の裏側に戦慄しただけだった。
更に、問題は自分の方だと考えて、『チェインギャング』になった。
ホルモン焼き屋でバイトをして、飲食店と外国人雇用の実態を知った。
残念ながら『うっせぇわ』と聞いて貰えなかった。
無謀にも新宿区議選に立候補して、ブービー賞の惨敗に終わった。
最近の歌は僕にとって雑音にしか聴こえない。
空振りに終わった僕の公約を紹介する。
パパ活八策
◆柱その1◆「パパ活」から子どもを守る
策一:「ちょっとだけよ!」
未成年者の「パパ活」に利用されやすい業態の年齢確認・本人確認の強化
策二:「ならぬものはならぬ!」
ホストクラブの高額売掛金営業への規制
策三:「ちがう、推しじゃない!」
アイドル等への「推し活」における未成年者への高額サービスを規制
◆柱その2◆悪い「パパ活」の根本を絶つ
策四:「元気ですか?」
合気道、柔剣道など、武道関連のコミュニティを振興
策五:「大丈夫だあ~!」
寺社仏閣や社会福祉協議会や町内会などと連携して「新宿寺子屋」を開催
第六:「次行ってみよう!」
物理的ではなく精神的な交流の場「新宿隣組」の普及
◆柱その3◆良い「パパ活」精神で新宿を元気に
策七:「背伸びすんなよ!」
個性溢れる個人事業主の新規開業を応援し、インバウンド需要を獲得
策八:「世界に広げよう友達の輪!」
新宿区内で活躍するアーティストを支援する仕組みの創設
僕はこの二年間を決して後悔していない。
やらずの後悔は後悔でしか終わらないが、やった後悔はいつか思い出に変わると信じている。
新宿区の中で、歌舞伎町、大久保、百人町が特異な存在になっている。
少しだけ視野を広げようと新宿区外で就職することにした。
新宿区は社会問題の最先端を行っていると思っていたが、限界集落の方がもっと深刻だろう。
憲法だけでなく地方自治法等の障害は残るが、個人的に基礎自治体は議員ではなくて自治会長若しくは町会長を代表とすべきではないかと考えている。
議会制民主主義の真価が問われている。
自分の住んでいる衆議院議員を思い浮かべて欲しい。
選挙の看板でしかない首相
首相を裏で操る重鎮
数合わせの陣笠
反対だけで代替案伴わない野党・・・
まともな選択肢が欲しい・・・
整形した顔が能面のように感じていたが、それよりも近いものに気が付いた。
人形浄瑠璃若しくは文楽だった。
テグスで釣り上げる表情は太夫のうなりと人形遣いの関係だ。
「あれ笑顔が遅れているよ」
『シェリー』に聞いてみた方が良いかもしれない。
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