宝相蜜

画家です。 文学×絵の投稿をしていきます。 好きな小説家→泉鏡花、谷崎潤一郎

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最近の記事

7月24日は文豪谷崎潤一郎の誕生日

本日7月24日は文豪谷崎潤一郎の誕生日です。 また、 谷崎先生にとって 友人でもあった 芥川龍之介氏の命日 (河童忌)でもあります。 かつて そうであったように 今日二人は 空の上で文学論を 交わしているのかも しれませんね。

    • 【四目垣よつめがき】 (泉鏡花文学ことば図鑑『春昼』)

      ”「ああ、お爺さん。」 と低い四目垣へ一足寄ると、ゆっくりと腰をのして、背後へよいとこさと反るように伸びた。” 泉鏡花『春昼』より 竹で編んだ垣根の一種。 丸竹を四つ目に組むシンプルな垣根で透き間が大きい。 鏡花文学の登場人物は芝居の台詞のような名調子で話すことが多い。 同様にその仕草が細やかに目に浮かぶ文章でもある。 まるで役者が演じている姿を見るようだ。 その理由のひとつには舞台セットのように配置された小道具や、家屋の建具の扱いがさらりと書かれていることにあると思われ

      • 【桃の花】 (泉鏡花文学ことば図鑑『春昼』)

        ”親仁はのそりと向直って、皺だらけの顔に一杯の日当り、桃の花に影がさしたその色に対して、打向かうその方の屋根の甍は、白昼青麦を烘る(あぶる)空に高い。” 泉鏡花『春昼』より 小説『春昼』の主人公、散策子が道端で声をかけたお爺さんの顔色はうっとりと酔ったようであったという。春の日が差す畑で鍬(くわ)を振るい汗ばむ老爺(ろうや)の赤い頬が思い浮かぶ。 桃の花は作中の季節を表しつつお爺さんの赤い顔に同系のピンク色を重ねるために書き添えられたようにも思われる。 春ののどかな日を連

        • 【散策子さんさくし】 (泉鏡花文学ことば図鑑『春昼』)

          ”本来ならこの散策子が、そのぶらぶら歩行の手すさびに、近頃買求めた安直な杖を、真直に路に立てて、鎌倉の方へ倒れたら爺を呼ぼう、逗子の方へ寝たら黙って置こう、とそれでも事は済んだのである。” (泉鏡花『春昼』より) 「子(し)」=「何々をする人」の意味。 散策子(さんさくし)は「散策をする人」。 泉鏡花の小説『春昼』および『春昼後刻』の主人公。 散策子は神奈川県の逗子に滞在してぶらぶら歩きをしている。 逗子に療養滞在していた鏡花本人との類似を思う。 余談として岩波文庫は巻

        7月24日は文豪谷崎潤一郎の誕生日

        • 【四目垣よつめがき】 (泉鏡花文学ことば図鑑『春昼』)

        • 【桃の花】 (泉鏡花文学ことば図鑑『春昼』)

        • 【散策子さんさくし】 (泉鏡花文学ことば図鑑『春昼』)

          泉鏡花『春昼』『春昼後刻』概要

          {小説概要} 『春昼』(しゅんちゅう) 『春昼後刻』(しゅんちゅうごこく) 泉鏡花の続きものの中編小説。 明治三十九年(1906)11月に『春昼』、12月に『春昼後刻』をそれぞれ「新小説」に発表。 この小説には妖怪や幽霊が登場しない(明示されない)ものの、全編に満ちる異界の気配はやはり鏡花作品特有のもの。 また、ドッペルゲンガー、水辺、儚い美女、生い茂る植物、気味の悪い動物(今作では蛇)といったモチーフも鏡花作品の常連。 小野小町の和歌 「うたゝ寐に恋しき人を見てしより夢

          泉鏡花『春昼』『春昼後刻』概要

          泉鏡花『春昼後刻』あらすじ

          『春昼後刻』 {あらすじ} 『春昼』の続編。 ―――通り雨はすぐに過ぎ去った。 寺を辞した「散策子」。 ゆるゆると帰る途中、土手にいたのは紫色の傘を傍らに広げた儚げな美女。 彼女は住職の奇怪な話に聞いた「玉脇みを」その人だった。 絵を描く趣味があるというみをがくったくなく笑い見せてくれた手帳には無数の〇☐△。 現実には客人と一言の言葉も交わしたことがないはずのみをがなぜ? 彼女は客人の見た幻覚と通じ合っているのだろうか。 そして意味深な言動で散策子を翻弄するみをは近く

          泉鏡花『春昼後刻』あらすじ

          泉鏡花『春昼』あらすじ

          『春昼』 {あらすじ} 明治時代の逗子が舞台。 のどかな春の昼。 ぶらぶらと散歩をしている主人公の「散策子」は行き着いた山寺の住職から不思議な話を聞く。 それは昨年この寺に逗留していた若い「客人」の奇妙な体験についてだった。 「客人」は道ですれ違った土地の有力者の妻「玉脇みを」と不気味で神聖な夢うつつの世界で思いを交わす。 夜の山中で艶めかしくも妖しいみをの背中に△☐〇と指でなぞる客人の分身。 あれは幻だったのか。 発狂した客人はその後……。 そして住職は散策子に言う。

          泉鏡花『春昼』あらすじ

          国語と美術が好き。なので文学×絵の記事を作っていきます。

          宝相 蜜(ほうそう みつ)と申します。 はじめまして。 隣の猫は助手のちまきちゃんです。 ひとつめの投稿です。 プロフィール及びプロローグの投稿です。 普段、絵を描いています。油絵、水彩画、鉛筆画などなど。 自分の名前は仏教用語から付けました。 (その話はまたいつか。) noteでは文学×絵の記事を投稿していく予定です。 といっても元々特別に活字好き、読書好きという人間ではありません。 国語が好き。 こどもの頃、国語の授業が好きでした。 小学生~高校生まで必須教科だった

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