佐藤君のけだるげな冒険 試し読み④
もうすぐ関西コミティア71。
星沢てらす改め、柚木トモカ商店は、出店が決まりました! スペースNo.B-54です!
ということで今回も、ティアズマガジンかんさい70でも紹介された、「佐藤君のけだるげな冒険」の冒頭を掲載!
今日は4回目、最後の試し読みです!
前回↓
https://note.com/hoshizora_708/n/n310354b39500
④
「……うるさい」
ふらりとベットから起き上がる。誰だか知らないがうるさすぎて眠れやしない。来客を迎えるためと言うより、闖入者を黙らせるために拳を握り締め、玄関へと向かう。
せっかくの睡眠を妨害したのはどこのどいつだ。扉の向こうに言ってやる。
ドア越し。闖入者に向かって語りかける。激しいノックの音と罵声が更に大きくなる。
「うるさい。少し黙れ」
『黙れ!? あぁ?! オマエ、警察に向かって何言ってんだ!?』
「警察……?」
自分とは縁遠い言葉に、命は首を傾げる。てっきり殴り込みかけてきたどこぞの不良かと思っていたが……警察とは。いや、口調は凄まじく不良のそれだが。
先ほどの大会では不良が集まっているものの、町内会では不良少年たちのストレスを解消するスポーツのようなものとして容認されているし、しがらみが面倒だから不良グループに入ったことも無い。
盗みや窃盗もしたことがない。……もしかすると同居人が自分が寝惚けている間に人を2,3人殴って行ったのだろうか。いや殴ったのは自分ではなく同居人だから自分に非はない。……けれどいつも一緒にいるし……。
いや、前向きに考えよう。自分の覚えている限り、心当たりは全くない。だったら、防犯の呼びかけだろう。どこぞに起こった紛争で東京一帯の治安は悪いらしいし。
「間に合ってます」
これでいい。しかし返って来た言葉は想像を遥かに超えていた。
『何がだ?! もう自首したってのか!?』
「自首?」
『そうだ! オマエには午後11時25分に死亡した、徒九音慎二(あだくね しんじ)への殺害容疑がかけられている!』
「……殺、害?」
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この続きは、10/20配布予定です!
みなさん、柚木トモカ商店をよろしくお願いします!
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