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学びとは100%受け入れる心

今まで延べ200人以上の指導に携わってきた。

バイオリンのレッスンを仕事の主軸にしてきたわけではないので、人数としては少ないほうだと思う。それでもいろいろな方とのご縁をいただき、指導していく中で、揺るぎない自信が生まれたものがある。それは

「わたしは、人から物を教わる、プロフェッショナルだ」

決して教える側ではない(笑)

長年、指導に携わっているかたは、もちろん教え方も一流だと思うのだけれど、なにより学びを受け取る心構えというものを、誰よりも理解していると思う。

なんといっても、わたしたち音楽家は、習い事の歴史のほうが長いのだ。

どんな分野であっても、せっかく時間と労力をかけて学びを得るのであれば、できるだけ効率よく済ませたい。そのコツは

素直な心で、100%受け入れること。

それはたとえ、間違った指導法であったとしてもだ。必要がなければ、あとで捨てればいい。まずは相手が時間をかけて考えた方法を(あるいは何も考えずに受け売りした言葉を)全て受け入れ、試してみる。

もうひとつ、とてもとても重要なこと。それは

目で見て、盗むこと。

どのような体の使い方をして弾いているのか、楽器の角度、指の押さえ方、表現方法の全てを、目で見て盗み、情報を蓄える。

先生から指摘されることがあれば、何を言おうとしているのか、ひとつの事柄から10は拾うつもりで、相手の表情や目を見て、集中して聞く。

以前、高校の弦楽合奏部でバイオリンとビオラの基礎指導をしていたことがある。有名な進学校なので、勉強のほうもさぞ大変だろうと想像するが、高校へ入ってはじめて楽器を持った生徒さんが、1年後にはチャイコフスキーの弦楽セレナーデを弾きこなしてしまうのだ。

レッスンは3時間ほどのグループレッスンなのだけれど、皆さんの集中力と、全てを学びきってやろうという視線の圧に、毎回、感動したものだ。

全ての答えは自分の中にある。

だけれども、気づきのきっかけを与えてくれるのは、常に外側の出来事や他者なのだ。

敬意を持って相手に接することで、気づきが得られる。

相手の中に宝を見つけることで、自分の中にある宝に気づく。

学びとは循環なのだと思う。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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