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はんなり伝統文化入門シリーズ 歌舞伎

みなさんこんにちわ。前々回のラジオでは歌舞伎の歴史や文化について書いたので今回はそれをnoteでまとめてみようと思います。
      

歌舞伎の歴史 

歌舞伎の歴史は、さかのぼると400年ほど。
出雲大社の巫女でお国という女がいました。
これがのちに出雲阿国と呼ばれる女性です。お国は出雲大社勧進のために京に上り、歌舞伎おどりを始めます。
それが評判を呼び、伏見城に参上して踊ることも度々あったそうです。
はじめは四条河原の仮説小屋で舞を披露していたそうですが、やがて北野天満宮などにちゃんとした舞台が作られ、お国が始めた踊りは歌舞伎おどりとよばれます。

歌舞伎おどりはやがて各地に広まり、流行るのですが、そのうちにお金目当てに身を売り出す女が出てきてしまい、風紀が乱れると幕府により女歌舞伎は禁止されました。そして、そのかわりに男が舞台に立つようになり、野郎歌舞伎や若衆歌舞伎が生まれ、それが今の歌舞伎につながっているということです。

あの歌謡曲の元ネタにも⁈

春日八郎さんの曲で1954年ごろに大ヒットしたお富さん。
実はこの曲、歌舞伎の『与話情浮名横櫛』(よわなさけうきなのよこぐし)、通称切られ与三郎を元ネタにした曲です。
江戸の大店の若旦那、与三郎は木更津の浜でお富と出会い、お互いに一目惚れします。
ところが、お富は土地の親分赤間源左衛門の妾でした。二人は源左衛門の目を盗み、こっそりと会うのですが、とうとうバレてしまいます。与三郎は体に34カ所の傷をつけられ、お富は海に身を投げました。
しかしその三年後、お富と与三郎が再会すると言うお話です。
歌詞の中に、「死んだはずだよお富さん 生きていたとはお釈迦様でも知らぬ仏のお富さん」という歌詞がありますが、これは切られ与三郎の台詞をそのまま歌にしたものです。知らずに聴くとちょっと怖いですよね(笑)

お富さんだけでなく、演歌の夜桜お七も、歌舞伎の『八百屋お七歌祭文』をもとにした曲だそうです。

助六寿司の由来は歌舞伎

スーパなどでもお馴染みの助六寿司。
お稲荷さんと巻き寿司のお弁当ですが、助六の名前の由来は歌舞伎の演目、『助六縁江戸桜(すけろくゆかりのえどざくら)』からとっています。
助六由緣江戸桜は、主人公の男が助六という侠客となって、源氏の宝刀を探し出すため吉原に出入りする内、揚巻と恋仲になります。そのあと、助六は、吉原で豪遊する意休(いきゅう)という老人が、探している刀を持っていることを知り奪い返すというストーリーです。

助六はいつも頭に江戸紫の鉢巻を巻いていたため、巻き寿司の海苔を鉢巻に見立てました。また助六の愛人揚巻太夫の名前からお稲荷さんの揚げ、巻き寿司の巻とかけて助六寿司と名付けたそうです。
当時の助六にあやかり、人気が出るようにとつけたとか◎

江戸と歌舞伎

そんな歌舞伎ですが、これは江戸のファションや流行、文化に深く関わっています。江戸時代にはいると治安も少しずつ安定し、町人の文化が発達していきます。しかし、現代と違いテレビやラジオ、映画もありません。   
歌舞伎はいわば江戸時代のメディア的な役割も果たしていました庶民、武士といった身分わけ隔てなく楽しめる最高の娯楽。
何か事件があったりすると、それを元に新作の歌舞伎を作りあがていくのですから。また舞台で役者さんが着る衣装や髪型を真似る人も多く、ファッションの原点でもありました。

ちなみに江戸三座と呼ばれる中村座、森田座、市村座は町奉行公認の芝居座で格式が高かったそうです。
ちなみに市村座は、大奥女中たちが寛永寺参拝などの際に芝居を見に行くことも多かったとか。
江島生島事件の生島新五郎も市村座の歌舞伎役者です。
生島新五郎は二代目市川團十郎の師匠でもありました。

芝居の前日からお弁当を用意して、1日かけてゆっくりと芝居を観る人が多かったとか。

お国が京で歌舞伎おどりを始めたとしは慶長8年(1604年)で、この年はちょうど徳川家康が江戸幕府を開いた年です。
まさに歌舞伎と江戸は一緒に育ったと言ってもいいでしょう。

歌舞伎と音楽

歌舞伎にとって音楽は切っても切れないもの。
歌舞伎音楽には大きく分けて伴奏音楽、効果音楽があります。

伴奏音楽は主に三味線と歌で構成され、これもさらに分けると4種の音楽になります。長唄、清元、義太夫、常磐津の4種です。
長唄は三味線に合わせうたい、賑やかな雰囲気の曲が多く、笛や太鼓などが入ることもあり、洋楽で言えばオーケストラ的なもの。
清元は、震えるような高音の節回しが独特で長唄の賑やかさに比べ、艶っぽい粋な雰囲気です。
一方で義太夫。これは主に三味線の弾き手と二人構成で、しぼりだすような声に三味線が合いの手を。歌うというより語るという方が合うでしょうか。そして常磐津、これは義太夫を少しメロディアスにしたもので、語りも三味線もゆっくり聞きたいという江戸の美意識から生まれたものです。

効果音楽は歌舞伎の場面の雰囲気を表現するのに最も大事なものです。  
効果音の中で代表的なのがツケ打ち。
ツケ打ちは歌舞伎役者が見得をきるとき、揚幕を開け閉めするときなどのカンッカンっと言う音がなる木です。
一見簡単そうな仕事ですが、実は専門職です。
役者さんによって、リズムや音が少しずつ違うのだとか。面白いですね◎                             


少しですが、歌舞伎についてさらっと書いてみました。
もっと歌舞伎について知りたい方は、本などもおすすめです。

ちなみに私のおすすめの本は、歌舞伎の解剖図鑑と言う本で、イラストが可愛いので分かりやすくておすすめです。

この本です◎
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