荒ぶる自律神経との向き合いかたが希望をくれた話
2022年3月。HSP専門コンサルタント 皆川久美子さんのブログを読む中で、「ポリヴェーガル理論」なるものを知ります。これはわたしにとって画期的な出会いでした。
この記事の中で紹介された本を早速読んで、目からうろこが落ちました。
なんと副交感神経を、身体に働きかけるワークで育てることが出来ると書いてある!!!
興奮、緊張をしても、いずれ必ずリラックスが訪れると頭だけでなく身体でも知っている状態が作れると。
自律神経を育てて、整える? あの勝手に働く自律神経を…
緊張しやすく落ち込みやすく、そこからなかなか抜けられないわたし。もう50年もわたしはそういう人だからしょうがないって、完全に諦めていました。
この諦めからわたしを救ってくれたこと、まさに画期的だった。
皆川さん、浅井咲子さん、ありがとうございます。
いきなり自律神経やら副交感神経やら、謎の用語ですみません。解説します。
まず自律神経系についてざっくり説明します。心臓の拍動や腸の動きは自分の意思では調節できず、生きていくために身体が勝手に調節します。このような場面で働く神経系を自律神経系と呼び、自律神経系には交感神経と副交感神経とがあります。交感神経は活動を促し、副交感神経は休息や栄養吸収を促します。
これが従来の自律神経の説明で、わたしも学校で習いました。40年近く前ですけどね…(遠い目)。
いやぁ、学問の進歩は素晴らしい。
副交感神経はさらに二つに分けられ、休養に寄与する背側迷走神経複合体と人とのつながりに寄与する腹側迷走神経複合体から成り立つというのです。(複数の迷走神経複合体ってことでポリヴェーガル理論とよばれます)
勝手に身体が制御する神経系が、人とのつながりに寄与しているとは驚きです。
ところで、トラウマと聞くとどんなことを思い浮かべますか?
大きな災害や戦争、犯罪などで心に深い傷を負い、日常生活に影響すること…これは理解しやすいと思います。
これとは違い、過去の(それほど大きくない)傷ついた記憶の積み重ねが日常生活に影響することを「複雑性トラウマ」と呼びます。この傷付きは、身体の反応としても記憶されます。そして複雑性トラウマは、大なり小なり誰もが持っていると言えます。
ポリヴェーガル理論は、身体に働きかけることで自律神経系を育み、整え、自分の中に安心感を得てトラウマからの回復を助ける土台です。このことから心理学の分野でとても注目されているのです。
ここで突然ですが…「深呼吸」って、できますか?
わたしはかつて全く出来ませんでした。息が入っていかないのです。ラジオ体操みたいに腕や胸を動かしてやっと入っていく。深呼吸しながら瞑想なんて、どうやってやるのか謎でした。少しずつできるようになったのは昨年秋あたりから。
どうやら交感神経のスイッチが入るとなかなか切れないようなのです。常に緊張している、戦闘状態。攻撃か逃げるか…いつでも動けるようピリピリしているのが私の身体。心拍数多め、呼吸は浅め。
一方で副交感神経は自分が否定されたと感じるとき(やたら感じてた過去のわたし)に強く発動…顔は能面のように無表情になり、頭は真っ白。相手の言うことをなにも受け付けなくなります。凍り付きがおこっているのです。
当時のわたしの神経活動を図にするとこんな感じ(筆者の主観です)。
下の図は理想的な神経活動。普段は活動とリラックスの間を行き来していて、大きな刺激で攻撃や凍り付きモードになるけれども、すぐに回復する状態です。
わたしの自律神経はずいぶん極端な働き方をしているみたい。そのことにも驚いたけど、これを変えることが出来るということに超おどろいた。
変えることが出来れば、この浅い呼吸や凍り付きも改善できるってことですよね!ワークの内容も取り組みやすいものがたくさんあるし、嫌なことを思い出さなくてもいい。素晴らしすぎるんですけど!!!
しかも、当時わたしを襲っていた、更年期障害もコロナ後遺症も自律神経系を撹乱しまくっていました。そう、これに取り組むことで病状が多少なりとも改善するのでは?
やらない理由は何もなかった。希望しか見えなかった。ジェットコースターのように緊張しては落ち込むわたしに、「気の持ちよう」とか「意思の力が足りない」とか言ってくる、自分の中の何者かがぶっ飛んでいなくなった。身体なんだ!ワークをやってみればいいんだ!
自分に取り組めるものがまた見つかって、うれしかった。
(過去からのトラウマ反応が重い方は、トラウマを扱うプロの心理士さんに相談されることをお勧めします。)
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