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【イベントレポ】「Starry Music Special Edition~music by ACIDMAN~」

2020年10月18日(日)に投影終了日を迎えるということで、終わる直前に駆け込みで行ってきました。

「Starry Music Special Edition~music by ACIDMAN~」とはACIDMANの音楽を使用し、大木伸夫がプログラム監修をしたプラネタリウム番組で、コスモプラネタリウム渋谷で企画されているもの。


常日頃から生死と宇宙について語り、歌い続けてきたACIDMANにふさわしい番組といえます。

日曜日の上映は1日1回、15時開始ということで早めに渋谷へ行きチケットを購入。始まるまで友人とご飯を食べながら音楽トークに花を咲かせつつ、いざコスモプラネタリウム渋谷へ。

検温をパスし、手は消毒。もちろん全員マスク着用で席も間引いて定員は約60人。隣は空席となるので結果的にかなり快適に鑑賞することができました。背もたれをガツンと倒してほぼ仰向け状態です。


プログラムは、夕暮れ時のうっすらとしたオレンジの光が、徐々に影を帯びていく街の向こうへと沈んでいくシーンから始まります。ここで流れる音楽はACIDMANの「赤燈」。少しずつ変化していく街、そして夜空を覆う星たちの姿に圧倒されます。

随所に解説員による生ガイドが入りつつ、プログラム内には大木伸夫のナレーションも組み込まれており、立体的に星や宇宙について理解が深まる構造となっていました。


前半は夏の大三角と呼ばれる、こと座のベガ、わし座のアルタイル、そしてはくちょう座のデネブについての案内や天の川、誕生日星座の図解、さらには死をつかさどる北斗七星と生をつかさどる南斗六星の紹介など、極端に専門的にはならず、多くの人が興味を持って楽しめる内容です。

星空はその舞台を南半球に移し、音楽は「アルケミスト」にチェンジ。まさかここでこの曲が聴けるとは思っていなかったので驚くと同時に、個人的にも大好きな一曲なので興奮してしまいました。「アルケミスト」を選んでくれてありがとう。


ACIDMANと天体といえば、絶対外せないものがあります。それはもちろん「ALMA」、すなわちアルマ望遠鏡です。視力6000という、数字が大きすぎてもはや何を意味しているのかすぐには理解できないような性能を持つ、世界各国が協力して実現した巨大電波望遠鏡。

ACIDMANの「ALMA」という曲は、この望遠鏡の名前が持つ“心”“魂”“愛しい人”という意味が歌詞とリンクしたことから名づけられたんだそうです。実際にアルマ望遠鏡まで足を運んでMVを撮影するという、縁浅からぬ関係性。

「ALMA」が流れる中、この望遠鏡によって撮影された様々な観測画像、そしてズラリと並んだ望遠鏡群のタイムプラス映像がスクリーンに投影される。時間の流れを肌で感じながら、圧倒的な巨大な望遠鏡と摩訶不思議な宇宙というふたつの対照的な存在に想いを馳せる、なんともいえない感覚を味わいました。

続いては、目には見えないが、確かにそこにあるという「ダークマター」をピックアップ。いまだ正しく解明されていない、謎の存在。その名称もなんだかSFっぽくてワクワクしますね。投影されたのは、無数にある小さな光の塊のようなものがゆっくりと降り注いでくる映像。存在はしているけれど把握はできていない、そんなダークマターの演出に使われたのが言葉を持たないインスト曲「Λ-CDM (instrumental)」というのも理にかなっているというか、ピッタリだなと感じました。


約40分間のプログラムもとうとう終盤。徐々に空が白み始め、夜が終わって朝が来る。エンディング曲として使われたのは、今年6月に新たに入れ替えられたという「灰色の街」。
すでに1月のタイミングで「FREE STAR」から「世界が終わる夜」に変更されていたそうなので、2度目の入れ替えとなります。


<明けてゆく夜空を信じたなら>
<世界は密やかに>
<世界は色に染まり>
<世界は歌に成ってゆく>


「灰色の街」はACIDMANの新曲になりますが、このために書き下ろされたのかと思うくらい、まさにプラネタリウムプログラムのラストを飾るにふさわしい歌詞が胸に響く。


プラネタリウム=癒し、という勝手なイメージを持っていましたが、今回のプログラムは癒しとは少し違っていたように思います。

宇宙の神秘や星の魅力に触れたことへの感動と、また明日から…いや、このプラネタリウムの扉を開けて外に出たときから、しっかり前を見て進もうと決意するような感覚。ACIDMANの音楽があったからこそ、なのかもしれません。


人生初となるプラネタリウム鑑賞が今回のプログラムで本当に良かった。

終了までまだもう少しありますし、平日なら2回上映を実施しているので、もしお時間あるようでしたらお近くの方は足を運んでみてください。

特にACIDMAN好きならばぜひ!


セットリスト
01.赤燈
02.アルケミスト
03.ALMA
04.Λ-CDM (instrumental)
05.灰色の街

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