「大哺乳類展3」(上野) レポ
どんどこ続く大行進。
まずは概要から。
2024年3月16日から、上野公園内の国立科学博物館にて開幕した生物分野の展覧会です。
ほとんどすべての剥製や骨格標本・液浸標本が撮影可能で、今回が初登場の剥製もありました。
開館時間は9時から17時、毎週土曜とゴールデンウィーク期間中は19時まで開館しています。
毎週月曜と、ゴールデンウィーク明けの5月7日(火)はお休みです。
お子様連れからカップル、おひとりさままで老若男女問わずに楽しめること請け合いのアツい展示でした。
会場内ではイラストレーターのヒグチユウコさんとのコラボグッズも販売。
会場限定アイテムなので、品切れにご注意を!
きっと誰かに語りたくなる、生命の神秘が感じられます。
わける・つなげる
今回のテーマは「分類」と「系統」です。
見た目が似ている、食べるものや住んでいる環境が似ている……
それだけで果たして本当に「分類学上近い」と言えるのか?
それが本展覧会の大きなテーマです。
たとえば、クジラは海に住んでいますが、実はなんとカバの近縁種。
骨の作りやDNAなど、様々な方法での研究の結果明らかになりました。
この事実が判明してから、近年では「鯨偶蹄目(げいぐうていもく)」という分類名に改称されたそうなのです。
いざ標本を出し、揃えてみたら新種が発見されるという事件(?)もあるなど、哺乳類というあまりにも多種多様な進化を遂げてきた生命群を「どのように分類すればいいのか」「今の分類は本当に正しいのか」などなど、まだ解決できない課題が残っている事実を、研究者の方々も実感したそうです。
博物館の本質的な存在意義である「保存と研究」の最先端を感じられるのもこの展示の魅力です。
解説パネルの端々に書かれている「見た目にだまされるな。」という強気のメッセージにも頷けます。
まだまだわからないことだらけ、神秘に包まれているのです。
大行進
圧巻だったのは、標本数500を超える「大行進」展示でした。
剥製や骨格標本が一列に並ぶ様子は息をのむほどでした。
一眼レフを構える人もいて、「確かにこれは撮りたくなる」と感じました。
お気に入りの写真をぺたり。
初公開は以下。
「キタゾウアザラシ」「クロサイの赤ちゃん」「キボシイワハイラックス」
「アジアゾウの全身骨格標本」「プーズー」
哺乳類は皆胎生で、お母さんがお乳を与えて育てることや、頚椎(首の骨)が必ず7つであるという共通点はあるにせよ、ここまで違う姿になった、その現象が個人的にはそれがとても驚きで、同時に感動でもありました。
同行してくれた友人(生物専門)の話を要約して書いておきます。
ただ楽しい、面白い、不思議……と思うだけでなく、将来もこの動物たちが暮らしていける、豊かな自然環境を守ることもまた我々の責務ですね。
今後の執筆の糧を頂戴できれば幸いです。お気持ちだけで結構です。