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教壇に立ち続ける ㉛ リフレクションって何?【note限定記事】

PCの限界を超える。どうも星野です。そろそろパソコンがオーバーヒートしそうなのですが、勢いで翌日の分も書き上げてしまおうという魂胆です。1日1本プロジェクト進行中。いいなと思って頂けたらサポートをお願いします。minneとFantiaはこちら。即日発送可、在庫しかありません。シナリオも随時更新中。いつか同人誌を出したい。

よくよく考えたらわたくし、大事なことを記録していなかったのです。それはさんざん話題に出している「リフレクションシート」について。
これ何? と思っていた方が正しいです、私の説明不足です。ということで今日のお題はリフレクションという活動についてです。これに関しては後日八神さんとコラボしてツイキャスをやりますので、そちらもよろしかったらぜひ聞いてください。

リフレクションとは、授業の内容を自分の言葉でかみ砕き、分からなかったことや課題を洗い出し、学びを深めるとともに次回授業への動機づけをするためのツールです。
私はB6サイズの用紙に線を引いて作った手書きのシートに、自由記述の形で10分間取り組ませています。古典と現代文、両方で毎授業ごとに課しています。
やっているのは定時制のほうだけなのですが(憎き横並び主義の関係で)、全日でも単元の終わりにノート提出を兼ねて自由記述をさせてみようと思っています。
お返事も必ず書きます。毎日のべ100人分くらいひとことコメントを入れ、時に解説し……というのを一年間続けてきました。
そうすることによって見えてきたものがあります。

生徒は思ったよりいろんなことを考えながら授業に取り組んでくれているということがよくわかりました。アルバイトのこと、他の授業のこと……多種多様な経験に国語の授業の内容を結びつけて、考えたことを真摯に語ってくれます。これ、定時制の学校で、ですよ。お世辞にも学力は高くないですし、最初は「めんどくさい!」とブーイングの嵐でしたし、そもそも書くことに苦手を示す生徒の方が圧倒的多数でした。しかし、1年間続けるとそういう生徒たちが「化ける」のです。記述式の問題で正解者が続出したり、リフレクションを通してアクティブラーニングもどき(内容の相談をOKにしたら勝手に集まって知恵を出し合っていました)になったり。生徒もコメントを楽しみにしていたようで、コメントを読んでさらに私に質問するようになりました。結果的に彼らの言語運用能力はかなり高くなったと思います。

リフレクションの課題は毎授業ごとに違うのですが、私自身の発問の練習にもなりました。何を聞けば面白い答えが返ってきそうか、とか、これは私も板書計画を立てている途中で疑問に思ったけれど生徒はどう反応するだろうかとか。生徒の様子に合わせてクラスごとに即興で考えていました。生徒に何を考えてもらうか、それをきっかけにどんな授業を構成していくかのヒントを得られたのも大きな経験となりました。知恵を絞るのは大変ですが、そのぶん糧になりました。生徒の要望も聞けたので、次の時間はこんな風に展開しようだとか、ここは知識が定着していないようだからもう一度振り返ろうとか、柔軟な対応にも繋がりました。私も多くを学ばせてもらえたので、昨年度の三年生には本当に感謝しています。

今年はそのリフレクションシートを、「記述対策用」と「論理的思考育成用」のふたつのバージョンを作って運用していく予定です。
新三年生はとにかく記述式問題が苦手でした。学年末試験では長文記述の問題は正解者ゼロという結果でした。それを改善するために、入試問題に似た形式で授業に関する発問をして、〇文字以内で解答させるものを追加で作りました。各授業ごとに使い分けます。もっと抽象度が高かったり、逆に具体例を挙げさせたり、そして今年度の大きな目標・「問題解決」(自分で課題を設定し、授業を受けていく中でそれを解決する営み)の進捗把握に使うものも、これまで同様使用していきます。
私自身担当コマ数が増えたのに添削する労力がかかるだとか、生徒の負担も当然ありますが、ここでためらっていると彼らは思考停止に陥ると思ったので、私がどんなにしんどくても実施します。それは私のプライドのようなものです。それができたら、生徒も私も成長できる気がしています。


その成果が出るまで(今年はオンライン授業から始まりそうなので)先は長いですが、がんばります。それでは、また。


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