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教壇に立ったその日から㉖ 教科横断について【note限定記事】

今日は3時間前に執筆を始めました。計画性の萌芽を自分で褒めて伸ばしています。インスタント袋麺が食べたい(某番組を観ています)。
お腹が空いたからホットミルクでお腹を満たしています。どうも星野です。
今回も2本書きたいものがあるので連投になります。ご容赦ください。1日1本プロジェクト進行中。いいなと思って頂けたらサポートをお願いします。

お題のふたつめは「教科横断型授業」。数学と国語、社会と理科など、重なる部分を複合的に学んでいくことも意味のあることだと思います。教師間の連携、他教科への配慮、時間割の構成などの諸問題が立ちはだかるもので、なかなか実現は難しいと思いますが、やってみるとしたらどうなるかな、と考えてみたものをお示しします。

教科横断をするうえで必須になるのは、各教科間の時間数調整や内容と進度の共有、図書館やICTの活用です。順に見ていきます。

教科間の調整


教科間で時間数が偏らないように調整することがまず最初のハードルです。教科横断型の授業は、内容が重なってはじめて意味はあるのですが、「同じことはもう勉強したよ」と生徒に思わせない工夫(同じ範囲を扱っていても視点を変えること等)が必要になります。そのためには同じテーマでも教科間での「棲み分け」をしなくてはいけません。例えば美術と国語で、「美とは何か?」というテーマで授業をする場合、美術ではそのテーマを意識した作品制作と鑑賞を、国語ではテーマの核となる考え方の型を理解し身につけてもらうことを、目指すのがいいのかなと思います。

内容と進度


内容と進度の共有に関しては、教科担当者が両方の授業に出る(アシスタントとして参加する)ことなどで解決できそうですが、そのためには前述のとおり時間割の調整も必須になります。国語の場合、題材に選んだ作品が「ミロのヴィーナス」なのか「陰翳礼讃」なのか「古寺巡礼」なのかでだいぶ時間数に差が出てきます。教える内容も(核は同じだとしても)美術品を見ている角度や視点が当然異なるので、いろいろ触れさせてあげた方が良いだろうとは思いますが、それだけやっているわけにもいかないので、部分抜粋にしたり、美術の授業で他の作品に触れたりと、うまく分担すべきです。

図書館とICT


図書館やICTはこの手の教科横断に強いです。同じ領域を学んでいるのですから、関連する情報が集まれば知識も体系化されていきます。司書教諭・学校司書・各教科担任が連携することで、物の調べ方、調べたことのまとめ方などを教えていくのも大切です。各教科の担当者が相談しながらどんなソースを使うか検討すべきでしょう。

今回は美術×国語で考えたものをお示ししましたが、実際にどんな風にやるかという話をこれからしていきます。

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まずは図書館で著名な美術品の背景を知ったり、作品制作のヒントを得ます。そのうえで美術の授業で油絵なり彫刻なり、作品制作をしていきます。この指導に国語科の教員も参加して、技術的なアドバイスはできずともどんなことに生徒が関心を持っているかリサーチしていくのがよいと思います。それと並行して「作品に宿る美を見つける」というテーマで教科書や文庫本などを使用して国語の授業を展開していきます。国語では「自分が作っている作品には、どんな美が宿っているのだろうか」「美をどう定義するのだろうか」という疑問を提示しながら、教材の中から「美」に関する要点を押さえた表現を取り上げ、自分なりに換言したり要約したり、様々な視点から検討していきます。それを美術科で行う作品の相互鑑賞に繋げていくのも面白いと思います。最後に国語科で、相互鑑賞や情報ソースを活用した美術品の背景(コンテクスト)理解から「美とは○○である」という定義を、生徒自身が見つけられたらゴール……という感じでしょうか。最後に論述形式で今までの振り返りを課すのがベストかな、と。

この授業案の課題としては、「ミロのヴィーナス」を扱ったとき(欠損の美を語っているので)個人の人格否定やコンプレックスの刺激に繋がらないようにすること、それぞれの教科で一貫したテーマ性をどこまで維持できるかということが挙げられると思います。それぞれどんな学校・学級・集団で実施するかによって配慮すべきポイントは変わってきます。私の勤める学校では、ものを書く練習を事前にしておいたり、本をどのように読みこなすか、本から得た情報をどのように活用するかなどの基本的な学習のしかたを示したりと、前段階を整備しておくのが大事だろうな、と考えています。ですが「この子たちは学力が低いからできない」という姿勢で授業するのではなく、「学力の低い中でもできることをする」のが重要だと考えます。教養は武器になりますが、教養を必要とされる場面にアクセスする方法を教えなければ意味がありません。そこの溝をどう埋めるかを各現場で考えていかなければと思っています。

他教科でもまだやれることはあると思うので、もっといろいろな教科で検討してみたいと思います。

今回はここで終わりです、それでは、また。

今後の執筆の糧を頂戴できれば幸いです。お気持ちだけで結構です。