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TRPG勉強会2024 報告 ver.1.2

2024年5月3日(金・祝)に実施した、TRPG勉強会の反省と感想について。

今回のシナリオについて

基本的に、私の書きおろした完全オリジナル作品で遊んでいます。
今回からプレイヤーの方に「この表現は避けてほしい」という要望を伺う、という活動を始めました。
これは教育LARPで学んだ「心理的安全の保障」の概念を、TRPG勉強会にも導入するためのものです。
「心理的安全」とは、いわゆる「これ以上は踏み込んでほしくない一線」のことです。遊んでくださる方が嫌だと思う描写を避け、セッションの参加者全員が気持ちよく終えられるようにするための措置として機能させました。
以前マーダーミステリー等の体験型イベントで「心理的安全」が守られず、つらい思いをされた方がいたと聞きまして……。
ただでさえ緊張しているであろう初心者の方が「やってみて楽しかった」と思ってくれたら成功、と願いながら今回のセッションは始まりました。
プレイヤーのメタ的視点とキャラクターの思惑とが重なり合って、シナリオそのものが改変されていく面白さはみんなで味わえましたし、演技によってさらに自己理解、他者理解が深まったというご感想も頂戴しました。
しかし課題も当然ながらありまして、伏線回収の失敗および全員の納得するシナリオを用意しきれなかった(というより情報の伝達ミスがあった)ことが個人的な反省点です。

教育に応用するならば

おひとりの方が「道徳の時間にやりたかった」とおっしゃっていて、これは目から鱗が落ちる感覚がありました。
道徳は教科書教材を読み、自分の感想を書く(あるいはみんなで議論し合う)基本的スタイルに落ち着きがちですが、「ある程度模範的にしなければ」と思うからつまらなかった、とその発言者さんは述懐していました。
確かにエモクロアTRPGは「葛藤」を扱うシステムなので、そういう活用法もアリではないかと学びが深まりました。
道徳教育のゴールは「自己理解の深まり」および「行動の変容」です。
教科書を使わなくても対話したり考えたりする時間はTRPGの中に存在する。
児童生徒の興味関心もひきやすいので、できれば導入したいですね。
その発言者さんは今回のセッションが人生初のTRPGだったとのことですが、「頭を使っていることが感じられた」ともおっしゃっていました。
自分の行動を決定する、そして相手の考えも汲み取る……
まさに主体的・対話的な学びの時間だったのだろう、と考えています。
また、シナリオを書いてみて感じたこととして、様々な教科を横断的に学習できる可能性があることもTRPGを教育利用するひとつのメリットではないかとも思っています。
今海外を舞台にしたシナリオを制作していて、文化風習や地理などを調べているのですが、教科横断的授業、探究活動にぴったりだと感じています。
ただ最大のネックは「時間が足りないこと」でした。
授業時間が限られていると、どうしても「教えたい内容にたどり着かない」「進行役の手腕によっては時間がかかりすぎる」などの懸念事項も多くなるので、今度は「ゲームマスター養成塾」もやろうと思いました。

今後の執筆の糧を頂戴できれば幸いです。お気持ちだけで結構です。