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【エッセイ】結婚のときに大事にしたこと

こんばんは。今日は「結婚して良かったと思えること」について書きたいと思います。

とはいえ、まだ結婚して一年経っていないので、この先どうなっていくかは誰にもわかりませんが、それでも、心から「本当に良かった!」と思えることひとつあるのです。

それは、夫が「私がものを書くのを否定しないこと」なんです。私は小さい頃、あんまり結婚ということに、前向きな気持ちをなかなか抱けませんでした。どうしても、文章を書いていきたい、と心から思っていて、でも、生まれた家で、親はものを書くことに否定や拒絶こそしませんでしたが、あまり大きな声で勧めもしない、という感じでした。

なので、実家で過ごしていたころは、本はたくさん読んでいましたが、ものを書き綴ることに、なんとなく後ろめたさがあって、親の前では堂々とパソコンで文章を書いたりできなかったんです。だから、奥さんに「普通の嫁であること」を要求する男の人とは、結婚してもきっとうまくいかないだろうなあというたしかな直観がありました。

夫との出会いは、東京で大学生活を過ごしていたころ所属していた、児童文学研究会なんですが、そこの評論パートという場所で、出会いました。国内海外の児童文学を、メンバーで評論する、というのがメインの活動で、とても楽しい時間をすごしました。

結婚にいたるお付き合いがはじまったのは、それからだいぶあとなんですが、このことは余談ですので脇に置いといて(笑)何よりよかったのは、本を読むひとなので(もっぱら洋書ですが)嫁が文章をたらたら家で書いていても、おーそうかそうかがんばれー、好きにやれー、って感じでどーんといてくれるので気持ち的にすごく楽なんです。

私が去年初めて賞に応募したときも、夫がはっぱをかけてくれたのがきっかけでした(結果、一次選考通過、二次落選でした)。自分ひとりでやっていたら、たぶん何かと言い訳をして、応募をまた先延ばしにしていたと思います。なので、普段はあまり言えないですが、本当に感謝しているのです。

結婚初心者の私が、何をいえるかっていう思いもあるのですが、もしこれから結婚したいって方がいましたら「自分が結婚相手に求めるもので何を一番大事にしていて、譲れないことは何か」ということをはっきりさせて、それでパートナーを選んだらいいんじゃないかなっていうことです。

経済力とか、顔が好みのタイプとか、そういうことを大事にして、これからパートナー選ぼうとなさっている人もたくさんいらっしゃると思います。でも、それは本当に、あなたにとって一番大切なことでしょうか。それが本当に「大切なのよ!」っていうのだったら、もちろんそれでよいと思います。

でも、私が夫がいいと思った理由「ものを書くのを容認してくれるひと」のように、一見わかりにくい、でも捨ててはいけない大切な感情を、あなたの心はパートナーに求めているかもしれません。

私は夫と結婚してから、創作活動がとてもはかどるようになりました。たまに家が散らかると叱られるけど、それでも、これからも、ものを書いていける、という明るい未来への期待を手に入れることができました。

今、小説や本は、ひどく売れなくなっています。みんな日々の生活だけですごく大変なのに、1000円以上も出して、新刊の単行本を買える人はどんどん減ってきていると思います。本屋さんもどんどんつぶれたりしている現状ですよね。

だから私は、家庭と普段の仕事に、自分の足場をしっかり置くことを、ますます大事だと思うようになりました。ごはんが食べられなくては、ものも書けません。好きな作家さんの本を買って、お金を落とすこともできません。自分の生活をたしかなものにすることが、逆に私はものづくりをするときに、自分をいい環境にしておけるので、良いことだと思うのです。

本をつくることは、文章を書くことは、私の死ぬまで続くライフワークだと思っているので、あまり焦ってはいません。自分の生活の足場固めをしつつ、ずっと楽しく修行していきたいと思っています。そのために、ベストな伴侶を得て、私はとても良かったです。

のろけがしたかった、というよりも、自分の心の声、自分が人生でいちばん大切にしたいことは何か?っていうことをはっきりさせることで、いろいろ私は決まって行ったので、それを自分に問うことの大切さが、やっぱりあるんじゃないかなあと思って、今日は筆をとりました。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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