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読書がはかどった日

今日は朝から微熱があり、横になっていたのだけど、その間に、県立図書館で借りた小説を、四冊も読破してしまった。最近は小説を一冊読むのにもなかなか難儀していた私が、すらすらと読めてしまい、自分でも驚いている。

読めたきっかけとなったのがこの本――栗栖鳥太郎さんの『「音読」で「バカ」が「天才」になる!世界最強の能力開発メソッド』というkindle本だった。

もともと、音読には以前から注目しており、筆写と同時並行して日常生活の中に取り入れていたのだが、音読・朗読を20分も続けると、翌日には腫れてしまうほどの弱い喉を持っている私のこと、なかなか音読を続けることができなかった。

しかし、この本で取り上げられているのは「小声で高速音読」という方法論で、つぶやくくらいの小声で、できるだけ早口で読み上げていくというものだった。さっそくこの方法で本を読んでみたところ、するすると内容が頭に入っていくのである。

結局、途中からは黙読になったものの、今までにないほど、内容が頭に残る状態で、1日に4冊も読み終えることができたのだった。

小声なので喉がまず枯れないし、高速音読することで、適度に神経を使うので、読み飽きることがない。負荷がかかる分、いい脳トレにもなっている気がする。

私が今まで黙読で読書しようとすると、本を読むことになまじ慣れているばかりに、どうしても斜め読みをしてしまったり、目がページをつるつる滑ってしまって、ろくに頭に内容が入って行かない状態が続いていたので、この本の内容は、私の読書人生において思いがけない助け船となったようだった。

そして、どうして私がここまで、小説を読み上げたり書きぬいたりにこだわるかといえば、ひとえにすっと出てくる語彙を増やしたいがため、そして、物語を通して読むことで、ストーリー展開を学ぶためである。

今まで、ふつう速度の音読や筆写では、通して読むのに膨大な時間がかかったため、全体のストーリー展開の把握が難しかったのだが、この「小声で高速音読」をずっと続けていけば、とても良い勉強ができそうで、期待している。

ちなみに今日読んだのは田牧大和さんの「恋糸ほぐし 花簪職人四季覚」「鯖猫長屋ふしぎ草紙」と千早茜さんの「西洋菓子店プティ・フール」「眠りの庭」だった。どれも素晴らしい文章技術と、ストーリー展開で、夢中になって楽しい読書時間を過ごすことができた。とくに、田牧さんの小説は、江戸時代が舞台なのだが、時代小説のおもしろさに開眼させられてしまった。ほかの作家の江戸物小説も読みたくなった。

小声で高速音読は、おそらく読書のほか学習にも使えると思う。最近どうも本が読めなくなっちゃったんだよね、という人には、一度試されることをお勧めしたい。

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