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わたしはもう小エビではありません

4月某日。

始業式があって、ムスメは高校2年生になった。

日本の学校に通うようになって丸2年が過ぎたことになる。

初めて日本の学校に足を踏み入れた日に「うわあ、アニメで見た日本の学校と同じ!」と驚いていたのが懐かしい。

リアクションがまるで外国人。

小学1年生から中学2年生の1月末までニュージーランドで育ったムスメは、『センパイ』という日本語をニュージーランド人の友人と香港出身の友人に学んだ。

学校の机の『クソガキ』という落書きを見て「どういうswear word?」と聞いてきたことも。

意味は分からなくても、世界のどの言語でも、机の落書きはたいてい罵り言葉だというのがムスメの持論だ。

日本の中学に通い始めて1ヶ月ほどたった頃、
「今日はイス替えしたよ」と言うので「それはたぶん席替えだね」と伝えたこともあった。
75%くらい合っていると思う。

2年生になったムスメは「あたしはもうシュリンプじゃない」と誇らしげである。

『シュリンプ』という英語は小さなエビのことなのだけれど、同時に『おちびさん』という意味もあるらしい。

私とムスメとオットが大好きな英国の作家ロビン・スティーブンスのジュブナイル・ミステリー「Most Unladylike」シリーズの中では、学園のいちばん下の学年の子たちはシュリンプと呼ばれている。小エビちゃんたち。なんだかイキが良くて可愛行くて好きだー!

ただし、この言葉は蔑称でもあるので、使う相手や場面には要注意です。

ロビンはアメリカ生まれ英国育ちで、両国の市民権を持っているそう。
「なので私はアメリカ大統領にもイギリス首相にもなれます」と、自身のウェブサイトで自己紹介している。自己紹介のスケールがでかい。

ロビンの綴りはRobinで、よく男性に間違われるそうだ。通常、女性の名前のロビンはRobynと綴るから。

そういえばダニエルも男性と女性で綴りが違って、アクセントの位置も異なる。

かつてムスメの担任が女性のダニエルだった時に、ムスメが先生の名前を言っただけで相手(英語話者)に先生の性別が伝わるのが不思議でたまらなかった。なんのことはない、ムスメの『ダニエル』のアクセントで伝わっていたのだ。

暗号のような、叙述トリックのような話。

今年もムスメの担任の先生は国語の先生だった。帰国してからずっとそう。

おそらく、英語優位で漢字と国語が苦手なムスメへの配慮だと思われる。

漢字が苦手すぎて「まりこは納豆を食べなかった」の英訳を「Mariko didn't eat Tofu.」にしてしまい、得意な英語でなかなか100点を取れないムスメなので。



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