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三月の星々(140字小説コンテスト第2期)応募作 part4

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【お知らせ】
先日お知らせしましたとおり、140字小説コンテスト「月々の星々」は雑誌『星々』春号(5月下旬発行)の制作に伴い4月の開催をお休みしますが、間が空くのは寂しいという皆様からの声を受け、来月はお休み中の特別企画を実施することになりました!
詳細は31日夜にTwitterなどでお知らせしますのでお待ちください。

雑誌『星々』には「月々の星々」受賞作や予選通過作に加え、短編小説コンテスト受賞作やほしおさなえさんの作品なども掲載されます。『星々』を年2回お届けし、会員証・限定ノベルティやイベントご優待など各種特典がつく「星々定期購読の会」へのご入会もお待ちしています。
https://hoshiboshi2020.stores.jp/items/61fc67f381dbb53544c80090

月ごとに定められた文字を使った140字小説コンテスト。

今月の文字は「解」。

3月31日までご応募受付中です!
(応募方法や賞品、過去のコンテストなどは下記をご覧ください)

受賞作の速報はnoteやTwitterでお伝えするほか、星々マガジンをフォローいただくと更新のお知らせが通知されます。
(不定期でマガジンメンバーの記事が配信されることがあります)

応募作(3月20日〜26日・投稿順)

葉菜(サイトからの投稿)
娘は毎日「髪、可愛くして!」と、言ってくるが私はあまり上手くはないので、時々彼女の髪で練習する。彼女は「可愛い!」と、言ってくれる。優しい。そんな彼女の為に、今日は解いては結び解いては結びと繰り返し練習する。彼女をとびきり可愛く仕上げる為、彼女から「可愛い!」と、誉めて貰う為に。

ヒトシ(サイトからの投稿)
植物の芽吹きとは、種子が発芽適温の土中で、適度な水分が与えられた際に生じる「加水分解」という化学反応である。光合成で有機物を合成する仕組みも、受粉して果実が成長する仕組みも化学反応。それはわかっている。わかってはいるが、未だ人間は、この植物の仕組みを作り上げることはできていない。

くろまど(サイトからの投稿)
誤解しそうな優しさばっかり、やめてよ。これなら、すきにならないほうがよっぽどよかった。あの人も、この曲も。今さっき、もう忘れようって決めたばかりなのに。胸の奥でじわじわと広がる何かがいる。この曲元気出るよ、って言ってたね。出ないよ、元気なんか。そう言えたらどんなによかったかな。

柏木(サイトからの投稿)
後悔を繰り返した。解らないことばかりが反響する体内は息の吸える場所ではなくなっている。まだ吸えるうちに、ゆっくり、慎重に、まだ大丈夫。曇っている鏡。喫煙所の喧騒。急行で止まらない駅に降る雨。そのまま帰って、眠る前に外す眼鏡。すべて手で拭って、朝起きると少し皮膚が無機質になった私。

柏木(サイトからの投稿)
カーテンから漏れた光で、床に転がる輪切りの大根がやけに白く見える。まな板にはその片割れが、やけに白々しく居座っている。誤解しているだけだと言う目の前の人。昨日、頬杖ついて、コップの中の液体がきらきらと輝いているのを見ていた。何を加えたらより輝いただろうかと、ただそれを考えていた。

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