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あの頃へ 安全地帯との歴史⑨

1992年の出来事です。
安全地帯はデビュー10周年を迎え、長年のファンの為にライブハウスでのコンサートを企画してるとの情報が。

ライブハウス規模でのコンサート、という事になるとブレイクしたワインレッドの心の頃以来となる。

会場はクラブチッタ川崎で2daysライブ。
1日2公演、たしか一回目18時からと、二回目21時から。
オールスタンディングでのライブ。

サポートメンバーもなしの本当に久しぶりの5人だけのステージ。
アコースティック楽器のみでの演奏(通常は電子機器で、曲に合わせて楽器音を加工するのが普通)との事。

安全地帯10周年記念ライブ
「Acoustic Special Night In CLUB CITTA」


ツアーパンフレットは、このクラブチッタでのライブの模様が使われている。


3月9、11日に開催する予定だったが、玉置さん体調不良の為に1ヶ月延期。
4月16、30日に開催される。

僕は16日に2公演のチケットが取れた。
最初で最後となった、安全地帯のライブハウスでのコンサート。
開演前からドキドキ。

ライブハウスなので、たしか整理番号順で入場して、好きな所で立って待つという感じだった。
センター付近は人でいっぱいだったので、隅っこの辺で聴いてた記憶が。

当然ギッシリとファンでいっぱいな訳で。
当たり前ですが、めっちゃステージが近くて本当に一体感というか、ファンの為にやってくれているんだなってのは伝わった。

しかも1日2公演。
どの公演も20曲以上は演奏してたから、かなり大変だったんじゃないかな。

大歓声の中
「ジョンがくれたギター」
でスタート。
アコースティックライブって初だったので、なんだか新鮮。

「ナンセンスだらけ」
「今すぐに恋」
「プラトニック〉DANCE」
「月に濡れたふたり」
とセクシー系連発。
女性の方はたまらない感じだったでしょう。
個人的にはナンセンスだらけがすごく良かった。

途中ギター矢萩さんのソロ曲「約束」を歌う。
エプソンのCMで使われてた曲。
玉置さんが「この曲好きなんです」と紹介していた。
もちろんメインボーカルは矢萩さんで、コーラス玉置さんという贅沢なバージョン。

「微笑みに乾杯」
これを演ってくれたのが嬉しかった。
そう、活動休止を宣言した時の曲。

あの時の切なさを思い出しながら、復活してくれて今、目の前で歌ってくれている喜び。

「冬CITY−1」
アコースティックで演ると、良さが倍増。
目の前に北海道の景色が広がる感じ。

「時計」
隠れた名曲ですね。
これも名演でした!すごく記憶に残ってます。

MCは相変わらず控えめですが、いつもよりは話してくれた気がします。

ヒット曲は「ワインレッドの心」と「好きさ」だけだったが、むしろここに来ているファンは、アルバム曲も全部知ってるファンだけって事で、セトリも1stから最新のⅧまで全部入れたという感じだった。

アンコールで「ひとりぼっちの虹」。
これは胸に刺さった。
良い曲だな~、アコースティックの優しい音にピッタリ。
しばらくこの曲、ずっとリピートしてました。

この2日間のスペシャルライブは、ファンからも大好評で夏からの全国ツアーが、このアコースティックコンサートに変更となった。


「10th Anniversary Acoustic Special Night」
   

メンバー5人だけの、最初で最後の全国ツアー。

この時は本当にいい感じ!!だった。

遠くの存在だった安全地帯が、すごく近くに来てくれている。
そんな感じ。

こういうパンフレットがみたかった!という感じ



後日久しぶりに、安全地帯の映像作品がリリースされる

「Unplugged Live  安全地帯」

日本武道館でのコンサートを本来はリリースする予定が、ラスト公演のものに変更となった。


この映像作品の方が独り歩きしてる感じがあるが、本来のツアーの内容はクラブチッタでのコンサートの様に、一曲一曲丁寧に演奏している。

僕が行った地元公演の時は、完成したばっかりという「あの頃へ」を特別に演奏してくれた。
途中で止めるかも、といいながら結局全部演奏してくれた。

とても和やかな雰囲気でのコンサートだった。


逆にこのリリースされたライブ映像を見た時、僕が行った公演の時の内容と、ずいぶん違っていたのでかなりビックリした。

この公演の時は、曲順は決めず玉置さんのアドリブに合わせて演奏するというジャズセッションの様なスタイルにしたらしい。

全部の公演見た訳じゃないので、断言出来ませんが、ラスト公演の時のみだと思います。

「あんな感じでずっと演ってたら死んじゃいます」
とは矢萩さんの言葉。

たしかに尋常じゃない雰囲気でコンサートが進む。
玉置さんもギターの弦を引きちぎったり、シャウトしまくり、フェイク入れまくり。

思いつくまま途中まで歌ってみたり、全部演奏してみたり。

感情のおもむくままに、全てをさらけ出すという感じ。

今までキッチリとした演奏をしていた安全地帯とは、真逆の姿。

芸術家が、あえて完成させた作品をぶっ壊し、それもアートにしてしまう。
そんな世界観だった。


安全地帯のコンサートで一番最高というご意見もあると思うけど、僕は見てて辛くなる映像作品。
辛いというか、痛々しいというか、生々しいライブ。

今まで作り上げた、安全地帯、玉置浩二の世界を、自らで叩き壊す姿に見えて仕方なかった。


ツアー最終日という事もあり
「今日で終わり!どこまでもいくよ~!」
と言うのですが、この後の事を暗示させている様な気がしてならない。

とにかく、不穏な感じで10周年の記念の年が終わる。


この年の終わりには、あの名曲がリリース。

「あの頃へ」


個人的に松井五郎さんの作詞で一番好き。

どこか民謡を思わせる様な、玉置さんのルーツ的な曲。
松井五郎さんとのタッグも、本当に素晴らしいと思います。

語彙力なくてすみませんが、個人的には松井さんの作詞によって、曲がさらに昇華された感じです。

優しい、温かい言葉を使いながら、もう2度と戻れない、あの頃へ思いをよせる。
とてつもない寂しさ、虚無感を覚える詞です。




そして玉置さんは年末に、2時間ドラマにも出演されてました。
僕はこの作品が、玉置さん出演作では一番好きなんです。
ただ録画したもののデータがなくなって、もうずいぶん見れてないですが。


「フィリピーナを愛した男たち」


このドラマでの音楽も素晴らしい!

今後玉置さんは役者活動も増えるのですが、そのきっかけとなったであろう作品ですね。

役どころは、本当にうだつの上がらないサラリーマン。
フィリピンの女性と恋に落ち、日本を離れ異国の地で自分の居場所を見つける。
誰にでも居場所は必ずあるんだよって、メッセージを強く感じる作品。

劇中音楽ももちろん玉置さん。
こちらも本当に素晴らしい!

この時の玉置さんはあえていろんな物にぶつかって、それを全て音楽に変えていってしまうパワーというか、音楽を生み出す為にいろいろ身を削ってる感じがしますね。

「役を演じていると音楽が生まれる時がある、だからまた何か演じたくなる」

役者活動が増えた理由をこんな風に語ってました。

全ては音楽の為だったのですね。

こんな感じで10周年記念の年が終わります。
翌年は、とんでもない事になります。

僕も初めて北海道に行きます。
少し次を書くのは時間かかるかもしれないです。

よかったら、ゆっくり待っててください!

イイネ、ご感想お待ちしております🙇


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