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【馬と人の関係】人の「今」と馬の「今」

小2男子が、「お母さん、「今」ってね、「い」って言った瞬間に、それはもう「今」ではなく、過去になっちゃうんだよね~。」と言ったそうです。

1.「今」ということ。

7歳の子どもの純粋な感性です。
ホースハーモニーを体験されたお母様に「馬は今を生きる生き物」だということをお話ししたときのこと。

「今」という、この「時」を意識しようとするその感性がすごいなぁと感心しました。
「いま」の「い」と言った瞬間は既に過ぎ去った時間。
0.1秒前でもすでに過去。

さて、この子の感性は「今」を忘れて生きている大人にはどのように響くのでしょうか。

大人の時間の感覚でそこまでミリミリ気にしたら、「永遠」に「今」を実感として感じることはできなさそうですね。「今」を意識した瞬間はすでに過去ですから。

でも、その子は真剣に「今」というものを掴もうとしているのす。
この子の、「時間のはかなさ」に気づく感性で「今」を感じるとることはもちろん可能です。

でも今回はその子の感性に対して、私からひとつ特別な「今」の感じ方のヒントをプレゼント。
「今」…それは「時」であって、「時間」というものではありません。「時間」は「時計」で計ることできます。でも、「時」はその人の「心」の中にあるものだと思ってみてください。

何かに集中して過ごす1時間と、何もやることがなく、ぼーっと過ごす1時間。
宿題をたっぷりためて残り1週間となった夏休みと、 クリスマスが終わってお年玉を楽しみに待つ1週間。
おなじ1週間でも、「あと1週間しかない」と感じるか、「まだ1週間もあるのかぁ」と感じるか。

考え方、生き方しだいで、同じ時間でも、長くも短くもなってしまいます。
これとは反対に、長くも短くもならない時間のとらえ方があります。


お母さんが作ってくれるカレーを一口食べて、「おいしい~!」
時間のことはまったく考えずに、ただただ、「おいしい~!」
それは、「今」食べているおいしいカレーですね。
「お」って言った瞬間、それは過去。なんて考えませんね。
なんて言ったって、お母さんの作ったカレーを食べているのは理屈抜きで 「今」なんですから。

「今」というのは、時計の頭で考えると、
追いつくことはできません。いつも過去の「確認」になってしまいます。
するといつも「過去に捕まって」しまいます。
いやなことがあったりすると、それがあたかも「今」起こっているかのような錯覚におちいります。


でも、「おいしい~!」と感じているひと時、これが「今」だということに気づくと、「おいしい~!」だけでなく、他にも「たのしい~!」も「悲しい…」もなんでも「今」だということが実感としてわかるようになります。

「今」を実感できるようになると、不思議なことがたくさんおこりますよ。

それは「喜び」は「深く」なり、「不安」は「浅く」なるということです。いつも時計を通した時間やルール、物理的な何かに囲まれた生活をしていると、日常生活で、ゆっくりと「今」を実感するのはなかなか難しいです。

馬といて「ありがたい」と感じるのは、そんな「縛り」がすっと取れて、馬が生きている「今」を通して、私が生きている「今」が本当にあるということに気がつくからです。

2.馬の「今」 を知るにはどうしたらいいのか。

では、馬が生きている「今」 を知るにはどうしたらいいのか。
それは、

1 人馬相互のパーソナルスペースを意識します。
まず、その時の馬と人の、お互いのパーソナルスペースを意識して、ただ、そばに一緒にいます。
2 次に、馬の呼吸を感じながら、自分の 呼吸を調えます。
安静時の呼吸数は、馬は1分間に8~16回くらい。
人は成人で12~18回くらい。
呼吸のリズムが、人馬ともに同調することを意識して、息を吸ったり吐いたりしてみます。
3 「気」を調えます。
馬の「気」を感じながら。人の心の状態と、馬の心の状態がシンクロする瞬間を待ちます。
それはとても嬉しいことなのですが、ホースハーモニーには「その先」があります。(「その先」についてはまた別の機会に書きます。)
4 「静かさ」を実感する。
呼吸と気が落ち着いてくると、「静かさ」がやって来ます。感覚が研ぎ澄まされてくると、周囲の自然の本当の「ありのまま」がわかりはじめます
5 「自信」が生まれる。
「いつでも」この状態になれるという静かな気持ちが「自信」です。「いつまでも」この状態でいるということとは全く違います。 

引用:ホースハーモニー読本(©葉山ハーモニーガーデン)

馬が生きている「今」 を通して、「私」が生きている「今」を知ると、「私」が生きている「今」は、じつは「私」が生かされている「今」だという気持ちに繋がっていきます。
そして「喜び」は「深く」なり、「不安」は「浅く」なっていきます。

 「お母さん、「今」ってね、「い」って言った瞬間に、それはもう今ではなく、過去になっちゃうんだよね~。」と言った子どもさん。
だれでもそこから始まります。「入り口」の存在に気づいた人が言える言葉なのですよ。

おしまい。


目次:馬に訊いてみよう!


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