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米国で自己免疫疾患について研究中の医師。いつか日本に帰って臨床現場に戻ろうと考えてはい…

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米国で自己免疫疾患について研究中の医師。いつか日本に帰って臨床現場に戻ろうと考えてはいるものの、すでに臨床から何年も離れてしまい、再び患者を診られるのかちょっと不安。

最近の記事

100万人に1人

一ヶ月ほど前、ワクチンに関して「たとえ100万人のうちの1人であっても、何かが起こるときには起こってしまいます」という事を記載した記事(リンク参照)を投稿しました。不幸にしてそれが現実になり、アストラゼネカ製のワクチンでは100万人に1人程度の割合で致死的な血栓症が出てくるという事が分かってきました。 これに関して最近、アストラゼネカ製のワクチンによる副反応で命を落としたイギリスの方のご遺族が「ワクチンを打つことで死んでしまうリスクはゼロではないが、ウイルスに罹って死ぬより

    • n=1

      昨今の、コロナワクチンに関する記事を見ていると、エビデンスに基づいたまともな解説が多くみられるようになったと思います。もちろんまだまだ科学的データに基づかないわけのわからない論説も見かけるのですが、インフルエンザ患者におけるタミフルと異常行動の件や、子宮頸がん予防におけるHPVワクチンと神経症状の件がもてはやされたころは、とにかく製薬企業を叩け、国を叩け、というムードばかりだったと記憶しており、それと比べると、一定の進化を感じるのです。 「科学リテラシー」という言葉は、自分

      • アメリカが閉じていく。科学にとっての不幸の始まり

        アメリカで研究する身として見過ごせないニュースが、ここ1週間程度の間に立て続けにありました。 1つはJ-1ビザからH-1ビザへの切り替えが制限されること。Traineeとして入国した研究者が、5年の期限を過ぎても滞在して研究を続ける場合は就労ビザであるH-1に切り替えることとなります。しかし、今回トランプ大統領はアメリカ人の雇用を守るため、H-1の発行を制限する方針と伝えられました。これが字面通りに実行されれば、事実上ほぼすべての研究者はJ-1ビザが切れたのちは帰国せねばな

        • 人に伝わるということ

          自宅から出られなくてどうも鬱屈しますが、そういう時にどう精神をコントロールして正常に戻すのか、自分なりのやり方というものを持っておく必要を感じています。 最近の私の好みは、昔の競馬の動画、特に杉本清アナウンサー実況の動画を見ることです。自分が一番競馬にはまっていた90年代のレースや、そのころ読み漁り見漁ったそれより過去の名勝負の動画を見ると、中高生のころの思い出が色づけしてくれ、程よいノスタルジーとともに少し泣けてきて、気持ちがすっきりとするのです。 杉本清アナウンサーは

        100万人に1人