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社内Webライターから見るフリーランスWebライター

noteで「Webライター」と検索すると、Webライターを題材にした記事が鬼のように引っかかります。

物書きなのですから、ブログ的なことをやっていても当然です。
文章を書くのが好きでWebライターになった方も多いはずです。

私もnoteにポートフォリオを載せて、何か1つをテーマに執筆していこうかしらん?などと考えたこともありました(ポートフォリオ1本と温泉記事等を少し書いて挫折)。

さて、私は先月より副業としてWebライターを始めたのですが、本業もWebライターという、noteをざっと見る限りではあまりいないタイプのWebライターです。

本業の会社はWebサイトを運用しておまんまを食べていますので、記事作成、リライト、SEO対策は欠かせません。
弊社は究極の人手不足にある状態ですから、もちろん、フリーランスのWebライターに記事を外注することもあります。

しかしながら、外注費用をケチりたい弊社。
以前依頼していた外注のWebライターは、文字単価1円という報酬でした。
(クラウドワークスやランサーズで募集)

するとどうでしょう。
ゴミのような記事がたくさん撒き散らかされているではありませんか……
(私が配属になる以前の出来事)

当時SEOの重要性を理解していなかった、とりあえず記事アップしとけ!精神旺盛な、チェック体制の甘い弊社も悪いのですが、ほとんどの記事が軽微なリライトでは済まない、丸っと全部書き直しだ!状態なのです。

これは、安かろう悪かろうの典型でした。

文字単価1円というと、駆け出しのWebライターが目指す金額です。
正直、文字単価1円のWebライターではスキルが低過ぎて話になりませんでした。

外注に頼むとしても、これじゃあいけないね、単価を上げてまた新たに別のWebライターを募集しよう。となったのが、ちょうど3ヶ月ほど前のこと。
タ○ンワークで外注ライターを募集しました。

単価を上げようと心を決めたにもかかわらず、ここでも弊社の悪い癖が出ます。

文字単価は経験により1~3円、「未経験者可」で募集をかけたのです。

少しでもコスパの良い人材が欲しいという性根はもうどうすることもできないのでしょうか。
優良人材は高給を出さないと来てくれない時代というのが理解できないのでしょうか。

弊社って心がブラックだよねという話はさておき、2週間の求人掲載で、200名の応募があったと聞いています。

選考はまずテストライティングからスタート(悪名高き無報酬)。
テーマをいくつかこちらで用意し、応募者が書きやすいと思ったものを選択して書いていただくというテストライティングです。

テストライティングに進んだのは30名ほどでしたでしょうか。
記事を提出してくれたのが200名中30名ということで、テストライティングの時点で脱落した(書く気がない)方が結構いるということになります。

送られてきた記事を私も拝見しましたが、経験の差は一目瞭然です。
弊社のWebサイトがどのようなサイトなのかを理解せず、俺流(自分の得意な文章)をかましてくる方も少なくありませんでした。

そして、最終的に5名のWebライターと契約することになります。
文字単価最大3円というのが功を奏し、契約に至ったのは全て「SEOを理解している経験者」でした。

弊社で外注ライターを使って記事を書くのは、私の仕事ではなく、SEOディレクターの立場にあるリーダー格の社員です。

SEOディレクターではありますが、割と最近まで別の部署で別の仕事をやっていたような社員です。SEOの知見が深い状況にあるとは到底いえません。

ですから、私が直接外注のWebライターとやり取りするという機会はないのです。

やり取りすることがないので、外注Webライターの本番仕様の記事については気にせずにいました。
弊社のSEOディレクターがどのような指示を出し、上がってきた記事についてどういった修正をかけているのかもわかりません。

ところが先日、そのSEOディレクターから、「朱鞠さんが担当するカテゴリで、外注ライターに1本書かせた新規記事があります。チェックしますか?」との話が舞い込みました。
SEOディレクター的には問題ないと判断し、すでに流し込みできる状態の記事です。

ちなみに、私が担当しているカテゴリは、法律が絡んでいることもあり、記事の内容についてはかなり厳しいチェックが必要です。

今となっては誰が書いたかもわからない既存記事は、誤認情報や認識の足りない内容が盛りだくさんでした。
もはやウソ情報を垂れ流しているWebコンテンツです。
(半年かけてすべてリライト)

当然チェックしました。

経験があり、自称「SEOに対応」「リサーチをしっかりおこないます」というWebライターが書いた記事です。
言い回し程度の軽いリライトで済むかな……と思っていた私が間違いでした。

文章自体はキレイなんです。
ただそれだけ。

誤認情報も含まれており、結果、私が書き直しレベルでフルのリライトをかけました。

SEOもリサーチも全然足りていませんでした。

では、なぜそのようなWebライターが「SEOに対応できる」というのでしょうか?

それは、ディレクション側のスキルが低いということに尽きます。
その程度の記事でOKを出してしまうのです。
これは弊社に限った話ではないはずです。
経験の浅いWebライターはごまんといますが、その人達を指導・教育できる経験豊富なディレクターが足りないのです。

今回も私がチェックすると言わなければ、弊社SEOディレクターはそのまま記事を掲載していたでしょう。
誤認情報が含まれているにもかかわらず。

多少の修正はあれど、OKが出たら「自分の構成とライティングで問題ない」=「SEOできてるじゃん、自分」です。

そんなことはない、自分が書いた記事が1位・2位を取ったことがある。というフリーランスのWebライターもいらっしゃるでしょう。
しかし、大抵検索ボリュームが少なく、競合記事も少ない、スモールキーワードやロングテールKWによるものです。

つまり、フリーランスのWebライターは、自分に何が不足しているかの把握が難しく、成長できる環境がないに等しいのです。

じゃあ、社内Webライターはどうなんだ?
そういうお前はどうなんだ?

フリーランスWebライターとの圧倒的な違いは、記事の順位上げのみならず、収益を上げるライティングをしていることでしょう。

社内Webライターは、Webサイト全体を俯瞰しながらライティングをしています。
さらに、Webデザイナー、営業、代理店……あらゆる分野の人達と関わりながら仕事をしているのです。

記事もライティングだけでなく、流し込みにも対応するので、HTMLあたりは理解している必要があります。
画像作成はフリーランスの方もやっているでしょうから、当然の業務です。
記事の順位確認以外に、あらゆるツールを使って記事データの計測もします。

社内Webライターは、多角的に記事作成を進めて、収益目標を達成しなければ、給料が上がりません。
まぁ、給料が上がらないのは弊社だけかもしれませんが。

これだけの面倒な環境があれば、嫌でもスキルが上がると思いませんか?

私がWebライターとして稼働しはじめたのは、2022年1月からです。
ちょうど1年半が経ちました。

副業で獲得してきた案件は、契約クライアントのサイト立ち上げプロジェクトです。

記事1本いくらで納品というものではありません。

先ほど、フリーランスのWebライター歴1年、大規模修正の戻しが多くなり、自信をなくしてしばらく休養する。という方のnoteを拝見しました。
ポートフォリオにこの方が作成した記事が載せてあったので、そちらも拝見しました。

率直にいうと、構成が甘く、文章も単調な記事でした。
ダメ出しされても無理はないかなと思いました。

ちなみにこちらの方は、Webライティングに関する書籍を読んだり、YouTubeを見たり、とても勤勉な方です。
私なんかよりずっと勉強してらっしゃるでしょう。

仕事をする環境がこんなにも差を生むものかと震えました。

私はとてもラッキーです。
フリーランスでしかWebライターを目指せない環境であれば、きっと、Webライターという選択はおこなっていません。

「未経験Webライターが3ヶ月で月20万円稼げるようになった方法」

といった記事がnoteにも溢れています。
その記事を鵜呑みにしても、高度スキルを有するWebライターにはなれないでしょう。

未経験からはじめたフリーランスのWebライターが3ヶ月で20万円稼いでいるのなら、それは記事の質が高いのではなく、要領がいいだけです。

私のこのとりとめのない記事を最後まで読んでくださる方がどれだけいるかわかりません。

読んでも何が言いたいのかわからなかった、それでもなおWebライターを目指したいという方は、どうぞ今一度「Webライターは何をする人か?」ということを考えてみてください。





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