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「あなた以外なら誰でもいいよ。」という口説き文句(映画「恋するプリテンダー」を観て)

2024年はグレン・パウエルの年、というのは大袈裟かもしれないけれど、立て続けに主演作が上映されているのは間違いなくて。

「トップガン マーヴェリック」で注目を集めたグレン・パウエルのラブコメディは、パートナーにシドニー・スウィーニーを据え、ベタだけど安心して観られる作品に仕上がっている。

「恋するプリテンダー」
(監督:ウィル・グラック、2023年)

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「令和のラブコメ映画史上No.1」という、目を覆いたくなるようなキャッチコピー。そもそも“プリテンダー”っていうワードセンスが、J-POPに媚びている感が否めない。(結果、私も配信での鑑賞を選んだわけだが)

原題は「Anyone But You」。出会った瞬間に良い感じのムードになって、一夜を共にしたふたりが仲違い。それどころか憎しみも感じてしまうほどに。

ただ、愛と憎しみは表裏一体。世界共通の「ベタ」であるわけで、誰もが安心してふたりが恋仲になることを予感しながら、展開を追えるというストーリーになっている。名作かと言われればそんなことはなく、ただベンの「安心ソング」として扱われているナターシャ・ベディングフィールのヒット曲「Unwritten」の演出がとても良くて、恋っていいね、友達っていいね、仲間っていいねという気分にさせてくれる。

「(付き合う相手は)あなた以外なら誰でもいいよ。」

それって、もう結局「あなた」を選びたいってことじゃん。なんて鑑賞しながら思ってしまった。英語では、「Anyone else but you. 」という口説き文句があるけれど、真逆のフレーズだったとしても、口説き文句として成立しちゃうから不思議だ。

……ここまで書いて、「口説き文句」って言葉自体が、もしかしたら死語かもしれないですね。いずれにせよ本作は、映画で大事な「言葉」と「音楽」のマッシュアップがキマった作品だといえると思います。

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今更気付いちゃったけど、シドニーのオペラハウスが舞台になるから、主演にシドニー・スウィーニーさんを起用したって説ある?

例によって、アメリカ版のTrailerの方がおしゃれ。本作の世界観とは違うけれど、こういった「しゃれ」が利いているのって最高よね。

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