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「時間」という制約を味方につけるには?

時間を可視化すること、情報社会の今こそ、じんわり重要な気がします。

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山下義弘さんが紹介しているTime Timerは、世界30ヶ国以上、販売実績20年以上の実績を誇るプロダクトだ。

赤いタイマーディスクが中央に配されており、時間の経過と共に面積が小さくなっていく。直感的に「残り時間」をイメージできる設計だ。

一般的なタイマー(デジタル式も含む)の場合、時計の秒針などから「あと1分か → 急がないと!」というように思考を働かせる必要がある。「どれくらい時間が残されているか」を判断するために、本当にわずかだがタイムラグが発生する。

わずかな差だが、タイムラグの有無が、時間管理を憂鬱なものにする。時間管理が好きな人はあまりいない。面倒なことはさっさと放棄してしまう。

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ただそもそも、2020年代に、時間管理は本当に必要なのだろうか。

時間管理をしない方が、自由でクリエイティブな発想が得られるのではないだろうか。

会社に属するのでなく、フリーランスを志向する人が増えていることは「時間や場所に縛られたくない」ことの、ひとつの表れだろう。実際にマネジメント界隈では「時間でなく成果物を管理しよう」ということが喧伝されている。

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山下さんは、以下のように書いている。

始業も終業も決まっておらず、働きたいだけ働けて、寝たいだけ寝られる。
それは裏返せば、仕事の効率性を自分以外誰も測ってはくれないし、仕事をして疲れたように思っていても全然成果につながっていないなんてことも起こりうるということだ。
言ってしまえばその自由は「糸の切れた凧」のようで、ふらふらーと風に流されれば自分の位置も決められないし、地に落ちて二度と動けなくなることだってある。
なんとかしてこの自由さをうまく扱うための「基準」を手に入れられないだろうか。
(山下義弘/ドケットストア店主「時間管理に悩むみんなにすすめたい。静かに過ぎ去る「時を見える化」する道具の話」より引用、太字は私)

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「時間」という制約から解放されたい。

そう願う気持ちはどの時代にもあるし、その渇望から完全に逃れることはできない。誰しも死を避けることはできないように、人類共通の宿命である。

だからこそ、時間という制約が持つ、ポジティブな側面に注目したい。

「納期」があるからこそ、人は / チームはスケジュールを頭に入れて仕事を進める。「締め切り」があるからこそ、人は何とか間に合うように相応のアウトプットを高めようと躍起になる。「12月31日」があるからこそ、人は一年を充実させようと懸命になる。「死ぬ」ことが決まっているからこそ、人は人生を悔いなく過ごそうと努力する。

時間という制約は、じんわり心を痛める一方で、味方につけると強い味方になる。

それをサポートしてくれるプロダクトは「忙しい!」と感じる現代人にとって、心強い仲間になってくれるはずだ。

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