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編集補記(Saori Hagaさんエッセイ|ふつうごと)

Webサイト「ふつうごと」で毎週公開しているエッセイ企画 #愛を語ってくれませんか

今月はVocalist & Care Tech R&DのSaori Hagaさん(以下「Saoriさん」)。

彼女が幼少期に感じた、おばあさまの介護への葛藤を皮切りに、とても素晴らしい4本のエッセイを寄稿してもらった。ぜひ読んでいただきたい。

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友人として、仲間として尊敬できる人

3年前、マザーハウスの代表取締役副社長の山崎大祐さんが主催する経営ゼミでご一緒した縁で知り合った。

Saoriさんが話し始めると、その場が厳かになるというか、みんなが彼女の言葉に耳を傾けるような雰囲気があった。彼女の自然体な振る舞いに、すぐに魅了されたのを今でも憶えている

飽き性で移り気な僕と違って、Saoriさんは幼少期の原体験をずっと胸に秘めながら、大学進学、キャリア選択と真っ直ぐに進んでいく。僕が彼女に魅了されたのは、純粋なまでの一貫性だったのかもしれない。

それは口で言うほど簡単なものではないはずで。友人として、仲間として尊敬できる存在だ。

自分自身を書くということ

そんなSaoriさんに、Facebookで「エッセイを書いてほしい」とメッセージを送った。

Saoriさんは仕事でも着実に成果をあげ、大規模なイベントに登壇するほど。出会った頃と比べ物にならないくらいの重荷を背負っているはずだと躊躇する気持ちもあった。

だからオンラインミーティングを経て、寄稿を快諾いただけたときは嬉しかった。そしてSaoriさんが寄せてくれた文章のトーン&マナーは、僕が思っていた通りのSaoriさんだった。

一方で、Saoriさんが少しずつ殻を破るように、自分自身を書いてくれたことにとても驚いた。もちろんエッセイという個人的な書き物において、自分自身を書くというのは「あたりまえ」のことではある。それでも、彼女の言葉は「あたりまえ」を超えるほどに純粋で、胸に響いた。

「可愛がってくれたのに、一生懸命生きてきたその祖母の最期の時期に、私は何もできなかった」

普通に考えたら子供の私は何もできなくて当たり前ですが……当時は、もっとできたことがあったのではないかと思っていました。

葛藤は少しずつ重なっていき、ついには、私は何のために居るのか、よくわからなくなりました。

気が付けば、学校に行けなくなっていました。
あと1時間休んだら、義務教育を留年してしまうほどの不登校になっていました。

1歩外に出ると、常に鎧を身につけているような緊張感がありました。自分自身を大切にできなければ人にもそうすることもできず、コントロールが難しい状態でした。呼吸すら安定してできないことがあり、当時はストレス性の病気にも罹患しました。

周りの同級生は、追いつけないほどに、どんどん先に行ってしまいました。
比べられるところに人がいないので、人と比較することもなくなりました。

(ふつうごと|「【人生編】I am(Saori Hagaさん #4)」より引用)

原体験を書くというのは、簡単なことではない。

誰しも隠しておきたいことがある。もちろんSaoriさんも生々しい出来事のいくつかは抑制して書かれていたと思う。

それでも、エッセイという個人的な文章が、誰かの個人的な感性に届くものだということを、Saoriさんとのやりとりを通じて確信することができた。

「ふつう」とは、いつでも戻れる場所

ふつうって、いつでも戻れる場所ですね

打ち合わせで、Saoriさんが口にした言葉だ。ハッとするような思いに駆られた。

日常生活は、いつだって騒がしい。

何かに追われているような感覚を拭えない。常に新しい情報をインプットし、何かをアウトプットするような毎日だ。そんなサイクルからひと息ついたとき、徒労感に似たような虚脱な思いを感じることがある。

そんなときに「ふつうに戻れる」場所は必要なのではないだろうか。

物理的な場所でも良い。心を許せる友人との語らいも最高だ。

それに加えて、いつでもどこでも、という気軽なカタチで「ふつうに戻れる」ための場所も必要かもしれない。そして、もしかしたら僕は、その場所を作ることができるかもしれない。

今のところは確信ではなく、ぼんやりとした予感に過ぎない。

エッセイと共に、Saoriさんから受け取ったギフトを、僕はこれからもずっと大切にしたいと思う。

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来週はお休み。次の更新は5/6(金)を予定している。

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