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選挙カーがなくなった世界

統一地方選挙に限らず、選挙カーは有権者にとって「いらない」と思われている存在だ。

僕も2児の父親なので、乳幼児の寝かしつけの傍ら、マイクを使った選挙カーが来られたら腹立たしくもなるだろう。

一方で、選挙カーが完全に廃止された世界を想像してみる。それは決して歓迎すべき世界ではないのでは?というのが僕の見解だ。

以前こちらのnoteでも紹介したが、東京23区における前回の区長選挙(2019年)の投票率は以下の通りだ。

・江東区区長選挙 46.72%
・中央区区長選挙 45.64%
・文京区区長選挙 50.58%
・台東区区長選挙 42.56%
・墨田区区長選挙 43.76%
・大田区区長選挙 42.73%
・世田谷区区長選挙 43.02%
・渋谷区区長選挙 39.95%
・豊島区区長選挙 42.17%
・北区区長選挙 51.74%
・板橋区区長選挙 43.95%

昨年の参議院議員選挙の投票率は52.04%であり(それもかなり低いが)、国政選挙の投票率を上回っている区はひとつもないのが分かるだろう。

もともと「行くつもりがない」という人もいる。そんな人たちにとって、ますます選挙から足が離れ、政治家との距離が遠くなってしまわないだろうか。

「いや、もっとインターネットを使って宣伝すれば良いんじゃない?」という意見もあるだろう。半分賛成で、半分疑問だ。インターネットは物理空間よりも快適にカスタマイズされた環境で、知りたい情報しか集まらない、いわゆる「フィルターバブル」の問題が起きやすい。

そんな状況で、インターネットが投票率向上や選挙への啓蒙喚起のブレイクスルーになるとは到底思えない。(ただ、もちろん、もっと選挙活動がインターネット活用も踏まえたものになれば良いなとは思っている)

特に地方選挙の場合、政治家はその辺に歩いていることが多い。(地域によって異なるだろうが)

そんなとき、政治家を捕まえて「こういうことに困っている」と言ってみるのはどうだろうか。

選挙カーを過剰に敵対視するべきではない。

むしろ危惧するのは、有権者と政治家の距離が離れていくことだ。もっとたくさんの手段があれば良いと思うけれど、政治離れを促進するような意見は、僕はナンセンスだと思う。

地域によっては、そもそも選挙カーが回らず、無投票で政治家が決定しているケースもある。長野県岡谷市は「市」であるにもかかわらず、立候補者が定員を割るという異例の事態にも起こっている。

選挙に不平不満を述べるのは、もちろん自由だ。

だけど、もうちょっと一歩踏み込んで、選挙のあるべき姿に思いを馳せてみよう。また違った世界が見えるかもしれない。

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