刺激(快楽性)が強すぎる本について。
長男は本が好きだ。
生まれてから、特に妻が頑張って「読み聞かせ」を続けてくれたことが大きいのだと思う。寝る時間も惜しんで、「これ読んでほしい!」と泣きながら主張する彼の姿は、今思えばとても尊かった。(今は6歳ということで、泣きながら読み聞かせを求めることはなくなった)
ここ最近、いや、案外じわじわとだったのかもしれないが、息子の本の読み方に変化が訪れている。良くも悪くも、刺激を求めるようになったのだ。
最近の息子のお気に入りは、学研が出版している「最強王図鑑」シリーズ。テレビアニメ化もされていて、子どもには人気なのだそう。
息子も、アニメはAmazon Prime Videoで鑑賞している。恐竜やら妖怪やら昆虫やら英雄やら、テーマごとに1on1で対決して「最強王」を決めるという仕組みだ。
なんとシリーズ累計発行部数430万部超えとのことで、やっぱり「勝ち負け」というのはシンプルだが興味を惹くのだろう。
僕はもともと、「本を読むなら何でもいいよ!」と思っていたタイプだ。
僕も幼少期、本に助けられて生きてきた実感はある。だから息子にも、本を読む楽しさを知ってほしいと願ってきた。
だがここにきて、長男が「刺激を求めているような読書」に偏りつつあることに微妙な心境になっている。
「最強王図鑑」シリーズを非難したいわけではない。エンタメコンテンツとして優れているのも分かっている。
けれど読書体験をエデュケーションのひとつと捉えるならば、刺激が強すぎることによって、他の本に触れる機会を奪ってしまうのではないか/他の本では物足りなくなってしまうのではないかと心配している。
何事も、刺激というのは「ほどほど」でなければならない。
調味料やスパイスだって、ガツンとくる刺激というのは中毒性が高く、食べ過ぎてしまうと健康を害する恐れがある。(たまに食べるのはOKだが)
現に、息子が「また新しい最強王の本がほしいなあ」と口にするようになってきた。「本がほしい」なんて喜ばしいことだけれど、もっと1冊の本を精読してほしいので複雑だ。
ちょっと乱暴な意見かもしれない。あくまで私見として胸に留めておくことにする。しばらくは経過観察してみようか。