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テレビが映した「狂騒」について。

テレビ批判でも、ABEMA肯定でもなく。

先日行なわれた日本対スペイン。家族で起きて鑑賞していたのは、僕だけだった。試合が終わって起きた妻や息子に「日本勝利」の報を口頭で伝えつつも、堂安選手、三苫選手、田中選手のゴールシーンを何としても見せたい。

だからテレビをつけたが、映っていたのは、勝利した「狂騒」だった。

現地のカタールで、東京の渋谷で、サッカーファンがとても喜んでいる。解説者もいつもより声高で、解説なのか感想なのか判断しかねるコメントを発していた。

みんな喜んでいる。それは分かる。

だけど、僕が見せたかったのはゴールシーンだ。数分間、チャンネルを切り替えてもなかなかゴールシーンが出てこない。ただタイミングが悪かっただけなのか、何度か他の試合の様子が流れたりしたのだけど、肝心の日本の試合が放送されない。何度も繰り返し放送されただろうけど、さすがに5分に1回などの短期間では流れない。でも、その「5分」だけしかテレビをつけていなかった我が家にとって、ゴールシーンが観れないのは不便でしかなかった。

「そういえば」と思い出して、Fire Stick TVで繋げていたABEMAアプリを起動させる。案の定画面には「日本対スペイン ダイジェスト」として8分間の映像が固定表示されていた。

それを押すと、試合前の日本代表、前半のスペイン優位の試合展開が流れ、やがて後半の日本代表のゴールシーンが映し出された。さすがダイジェスト、ざっくりとした試合の外観をしっかりと捉えていた。「すごいねえ」「この選手、なんて名前」なんて話をして、ひとしきり盛り上がって日常生活に戻った。

こうして、日本対スペインの直後の朝。我が家ではABEMAによって、試合結果の共有がなされた。テレビでは、試合後の狂騒しか流れていなかったからだ。

繰り返すが、テレビ批判でも、ABEMA肯定でもない。

でも、「ああ、こういう時代なんだな」ということを朧げに実感した。このときの感覚を忘れないように、いま、こうしてnoteを書いている。

僕がテレビのディレクターだったら、どうすれば良かっただろうか。僕たち家族のような視聴者は、思い切って切り捨ててしまう判断をしただろうか。

今日は、ベスト8をかけてクロアチアと戦う。

リアルタイムで視聴できるかは分からないけれど、翌朝、きっと何らかの形で試合結果を観ようとするだろう。そのとき僕は、何に頼れば良いだろう。そのときあなたは、何をもって試合結果を知る(知り直す)ことになるだろうか。

記事をお読みいただき、ありがとうございます。 サポートいただくのも嬉しいですが、noteを感想付きでシェアいただけるのも感激してしまいます。