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徳川夢声の『話術』を読む

本屋の店頭で、平置きしてありました。
ちょうど 講師などを引き受ける機会もあり、パラパラと中を見て購入。

『話術』徳川夢声 著
新潮文庫 (2018.04.01)

徳川夢声さん (1984〜1971)
島根県益田市生まれ

会議やプレゼン、スピーチなど、あらゆる場面での話し方に役立つ内容です。

【徳川夢声『話術』を読む】

はじめに

芸の名人は、その道に関する説明的な著書など発表しないのが、昔からの常態らしい。と云う「はしがき」で始まっています。

この本を書く動機について「現在の日本語は、実に混乱しきって、始末のつかないものとなりかけている。」

原因は、コトバの重要性を認識しなかったこと、これが第一である。

やたらと漢字やカタカナを乱用し、耳で聞いただけでは解りにくい変態語となってしまったこと。

この現況を解決するためには話術をもっと修練し、正しい表現力を養わねばならない。と結ばれています。

「話」と「噺」

話とは:日常的な会話
誰でも出来るから研究しない
誰でも出来るから難しい

噺とは:物語や説話を語ること
研究が必要になってくる

話の根本条件

話は 人なり 言葉は 心の使い
人の心に働きかける 雄弁を必要とはしない 
Point:心が良くて雄弁な人 

① 意思を伝える
② 感情を伝える
③ 知識を伝える

声の調子と口調

日常話/座談十五戒

座談は、キャッチボール。
第一戒 独りで喋らない
第二戒 黙り石にならない
第三戒 反り返らない
第四戒 馬鹿丁寧にならない
第五戒 お世辞屋にならない
第六戒 毒舌屋にならない
第七戒 愚痴のコボシ屋にならない
第八戒 自慢屋にならない
第九戒 法螺吹きにならない
第十戒 知ったかぶりしない
第十一戒 賛成居士にならない
第十二戒 反対居士にならない
第十三戒 おっちょこちょいにならない
第十四戒 愛想がない 洒落がわからない 融通が効かない
第十五戒 敬語を忘れない

会談の心得

心得1 話のコシを折らない
心得2 独りで喋り過ぎない

演説について

心得1 テーブルスピーチ ユーモアやウィットに富んだ話が ふさわしい
心得2 単調にならないように

演説の心得
第一条 自分が言わんとすることを、順序よく積み重ねておく
第二条 聴衆の状態により、言語や態度を自在に加減する
第三条 場所の状況いかんにより、臨機応変に対応する
第四条 自分の声を鍛錬する
第五条 会場の広い・狭い、聴衆の多い・少ないより、声の調子を計る
第六条 聞かせるが半分、見せるが半分と心がける
具体的には、手の使い方・足の据え方・目の使い方・水差し・服装・野次の捌き など
基本的には、理解させる。
2022.10.17.
2022.10.21. 加筆

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