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【考察】日本における"まちづくり"



【はじめに】

都市計画から"まちづくり"へ

"まちづくり"について (wikipediaより)

"まちづくり"とは、街の建物を発展させることですが、一般的にこの言葉が使われる場合は、既存の「まち」をより良いものに「つくり」変えていく、人々の暮らしの向上のために、持続的な活動を示すために用いられることが多いようです。
"まちづくり"に関連した法令や条例などは「都市計画法」や「景観条例」などがあります。
この法令や条例の内容は、主に量的な面(建物の高さや容積率など)に重点が置かれ、質的な面(定性的な面)からの検討材料になり得ていない感じです。

【英国建築都市環境委員会(CABE)】

イギリスには、良好な街の景観を維持するために建築許可の際、デザインの協議・調整を行なう場合があるようです。これを行なっている行政機関がCABEです。
《Commission for Architecture and Built Environment》英国建築都市環境委員会

建築物や都市空間のデザインの向上を図るため、審査や技術的支援を行う英国の行政機関。

日本では建築の際、数値的な判断による確認申請が主で、良質や美しいといった判断基準は、ほぼ含まれていません。

このため、良質・美しいというような、物事を数値化できない定性的な基準を取り入れるためのいくつかの試みがあります。

【日本の試み】

例えば、建築基本法の制定活動。
数値的な解釈を行なう建築基準法とは異なり、建築は文化であることを理念とする考え方を取入れる試みです。

また建築基準法には、大きく単体規定と集団規定があり、この内の集団規定を許可型の申請にする試みもあります。

単体規定とは、文字通り建物単体の構造や防火・衛生など、全国共通の安全基準ですが、これに対し集団規定とは、周囲の環境の中での基準となります。

例えば、住宅地の中に、大きな音が出る工場を設置できないようにしたり、隣地の日照を確保するために、建物の高さや影の動きに制限をかけたりする基準のことです。

つまり、現在の建築基準法は、主に数値的な判断になっていますが、建物の形態などに関わる集団規定については、状況に応じ柔軟に問題を解決するような、裁量性のある許可申請にしようとする試みを行っているということです。

恐らく、従来は無かった良質・美しいというような数値化できない定性的な判断を、ここで協議・調整を行い判断するといった意図があるのだと思います。

『ビルディングレター』
(財)日本建築センター 発行
2008年11月号より

【日本版CABE】

良質な建築、美しいまちづくりのためには?

2024.06.24.

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