【センスとは?】
ある日、新聞広告が目に止まった。
どんな本だろうかと、図書館で検索したら蔵書にあったので借りた。(2014発行)
『センスは知識から始まる』
水野さんのデザイン(クリエイティブ)に対する制作哲学を学ぶ事にする。
はじめに
センスは生まれついてのものではない
「ものをつくり出すアイデアの箱」
プラクティカル(practical)なもの。
つまり、方法を知っていて、やるべきことをやり、必要な時間をかければ、誰でも出来るようになる。
こう聞くと、皆さん「そんなことを言っても、結局はセンスの問題でしょう。」と言われる。
誤解を生む要因として、斬新なアウトプットをするには、いまだかつて誰も考えなかった とんでもない事を、センスをもって閃かなければならない。
これが、頑なに誤解を生む大前提になっているようです。
この本では、センスを鍛えるトレーニング方法が書かれているようです。
センスのよさとは何か
数字で測れないものを、最適化する能力。
普通を知っている。
普通を知っていれば「良いものか」「悪いものか」判断が可能になり、ありとあらゆるものがつくれる可能性が出てくる。
普通より良いもの。と云うように、普通と云う「定規」を持ち、測りながら作っていく。
pp.16〜23.
知識を学んで今に活かす p.33
「センス」とは「知識」から始まる
センスとは、知識の集積である。p.74
知識が、その人のセンスを決定する。
過去に存在していた あらゆるものを知識として蓄えておくことが、新たなものを生み出すには、必要不可欠です。p.79
「へぇ〜」と思うものは、ある程度知っている延長線上にありながら、画期的に異なっているもの。
「ありそうでなかったもの」です。
豊富な知識があると云うことは、センスを磨くための良き師を沢山持っているようなもの。p.84
センスとは、知識を蓄え、過去に学ぶと同時に、時代の一歩先を読むこと。p.86
センスの最大の敵は、思い込みであり主観です。思い込みと主観による情報をいくら集めても、センスは良くならない。p.92
センスを良くするためには、思い込みを捨てて客観情報を集める。p.93
「流行っている」=「センスがいい」ではない
①「定番商品」「一番いいとされているもの」「ロングセラー商品」
② 今、流行っているものを知る。
③ 「共通項」や「一定のルールがないか」など
Point:一過性とロングセラーの2つの側面から考察する
pp 98〜111.
むすび
センスを磨くには知識が必要ですが、知識を吸収して自分のものとしていくには「感受性と知的好奇心が必要になってくる。」
この「感じる力」が強くないと、知識というのはなかなか蓄積されていかない。
pp.168〜169.
次に、水野学さんは「六本木未来大学」の講義録を載せた本にも「センス」について話されていた。
「六本木未来大学」の講義録より
クリエイティブディレクションって何ですか?
pp.13〜43.
①「センス」は知識にすぎない。
文化の成熟で変わる消費行動
これまで、大航海時代や産業革命、IT革命などを体験。
変革期には、これまでの社会文明に対して飽きる時代がやってきます。
そこで求められるのが「文明」です。
多くの分野に精通し、縦の文化、横の文化をキチンとコントロール出来る人が求められる。
それがクリエイティブディレクターです。
② 本質をつかんで意識に入り込む
「らしさ」「シズル(sizzle)」を掴む
具体的には「春」と言われて何を連想するか?
ゲーム感覚で「らしさ」「シズル(sizzle」を発見する
③ デザインは理論で考える
「なぜ」の繰り返しに貧欲になる
問い )
チョコレートのパッケージに茶系や赤系と云う暖色系が多いのは、なぜ?
答え )
食品パッケージの色は赤や黄色などの暖色系が使 われることが多い。 暖色には料理が美味しそうに見えるなど、 食欲増進効果があるからである。
クリエイティブ )
頭で考え理屈でデザインする。
2016年3月7日 六本木未来大学の講義録より
雑誌『&Premium』の公式キャラクター・白くまのナヌーク
絵と文は、水野学 さん。
楽しさのこと、感謝する こと、約束のこと、生き方のことなど、日々の気づきをつぶやきます。
2023.07.27.