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電子コミック業界の会社員が、ゼロから配信作品を制作する話 #3

まえがき

不定期連載シリーズ3回めです。
前回の更新(5/20)から3ヶ月ほど経ってしまいました。
「おい!」というツッコミが内なる声としても聞こえてくるようですが、経緯を書きつつ、今回も学びについて書きとめたいと思います。
本業第一で、苦戦しつつも引き続き進めていきます!

▼これまでのエントリー:

今回も振り返りは漫画本編のあとに記載するとして、5〜7月にかけて執筆(修正期間含む)した漫画を掲載します。

* * *

5〜7月に描いたもの

(つづく…?)

* * *

今回も、過程を記録することをメインに取り組んでいるので、自分なりに振り返りを書いていきます。

前回との比較

コンセプトや題材は前回のものを踏襲しています。

「見過ごされがちだけど、たしかに在る世界・感覚に焦点をあてたい」という考えが制作時のモチベーションになると感じました。   
妖怪をネタに選んだのも、オカルトや民間伝承の類(身近な世界の、非日常)にそうした魅力を自分が感じているからで、 実際に中高生の頃はオカルト雑誌「ムー」を好んで買っていたり、大学では文化人類学や民俗学を学んだ経緯があったりと、そうした方面にある程度の知識があったので採用しました。  
(略)
4ページの構成という点でTwitter漫画を参考にはしましたが、いずれにしても前回書いた通り、時間をかけてシリーズ化していく想定をしており、どちらかというとTwitter以上に、noteのような個人メディアで発表してアクセスしてくれた人に淡々と見てもらえるような作風や題材を意識しました。
(略)
紙よりもwebでの閲覧を中心に考えており、なるべく線を減らしてシンプルな画面にするとともに繊細なタッチを避けました。

引用元:電子コミック業界の会社員が、ゼロから配信作品を制作する話 #2

iPadでのクリスタ作画は前回が初めてでしたが、より慣れてきました(3Dツールの使用方法など)。今後もっと慣れてくるかと考えています。

ひらマンでの発見

今回は、現在、聴講コースとして通っている「ひらめき☆マンガ教室」の講義に大きなヒントを得て、途中までペン入れしかけていたオチを大きく変える経緯がありました。

「ひらめき☆マンガ教室」では、ゲストの漫画家さんによる毎月の講義のほかに、数ヶ月ごとに挟まれるメイン講師・さやわかさんによる「ひらめき回」と呼ばれる講義が存在し、そこでそれまでの数回分の講義を経た上での振り返りや(制作コースについては)今後の方針を決めるための公開相談授業が行われるのですが、その2020年7月10日(日)開催分の回で伺った「ストーリーの作り方」の解説が大変参考になりました。

ストーリーや脚本の作り方は、これまでにも評判のいい書籍を読んだり、講座を受けたりしてきましたが、最も汎用性が高く、核心を突いた解説だと感じました。
詳細は伏せますが、それだけの価値を感じたので、僕のなかで「漫画を描くすべての方に当スクールを勧めたい!」という気持ちがより一層強くなりました。

※今回の作品でいうと、当初の流れは「嘘をついて雪女の能力が発動→結果、悲しい結末」の流れだったものを、よりキャラクターやメインキャラ同士の関係性へ変えています

* * *

モチベーション管理

今回、時間をかけてしまった理由のひとつとして、じつは合間に体調不良でダウンしてしまう期間が2回あったり(一度は新型コロナウイルスの罹患、もう一度は腰痛の悪化で、どちらもすでに全快しています)、その影響で仕事の立て直しにばたついてしまったりと、さすがに執筆のモチベーションが揺らぐ状況がありました。
それでも、「戦略を考えるときは考える、実行するときはスピードをもって進めることが重要」と割り切って考え、遅れをとりましたが休日を使って原稿を仕上げました。

…とはいえ、そうやって自分を鼓舞し続けていると今回の原稿が完成したころには精神的な疲労が溜まっており、次回作を作る上で「自分がしていることに意義があるのか」などと不安が高まってきたので、先日は取材を兼ねて六本木ヒルズ・森タワーで開催中の「水木しげるの妖怪百鬼夜行展」に行ってまいりました。

会場の入口
巨大な「ぬりかべ」像
こちらで正面からスマホカメラをかざすと……↓
カメラ越しにAR技術で浮かび上がる妖怪「がしゃどくろ」のアニメーションが起動!
同じくAR技術で浮かび上がる妖怪たちのアニメーション

展示内容は子どもたちにも親しみやすいような、ARを利用したアトラクションやキャラクターの巨大な像(撮影スポット)から、もう一方では柳田國男・井上円了・小松和彦など妖怪学の権威とされる学者の説を解説したアカデミックなコーナーまで充実しており素晴らしかったのですが、実際にこうやって体感で情報を収集したことで、今後のアイデアが複数浮かびモチベーションにも繋がるなど大きな収穫がありました。

こうした、作品作りに一進一退するすべての体験が、会社員の身にはとても大きな学びとなっているのを改めて感じることも出来ました。

終わりに

こうして、引き続き制作を続けていきます。
楽しみながらやっていることとはいえ、自分にとってはなかなかにやり応えのあるプロジェクトでして…完走できるよう応援していただけると個人的にとても喜びます(たまに、見てくれているという声を聞けることが、本当に有り難く、感謝しています!)。

では、また!

文責:堀口(ナンバーナイン デジタル企画編集部)

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