デジタルスキルの見える化が進む未来
「デジタルスキルの見える化」が、近い将来進んでいくと考えています。
そんな内容について書いていきます。
人的資本の情報開示
スキルの見える化に関連して昨今注目されているのが「人的資本の情報開示」です。
財務情報などと同様に、人的資本についての情報も社外に開示することを意味しています。採用人数、離職率、女性比率などの項目について、開示が求められていきます。
その中には、従業員のスキル向上などの人材育成についての項目もあります。
欧米は先駆けて情報開示の義務化が進んでいます。
背景にあるのは、デジタルによる産業の変化とヒトの資産の捉え直しです。
製造業などこれまでの産業では、企業価値の構成要素はモノ・カネの有形資産が主でした。ヒト(人件費)はコストとして捉えられてきました。
一方現代では、IT企業・ソフトウェアの企業を中心に「人が最も大事」だというビジネスモデルや企業は増えてますよね。
人材獲得・組織力の強化などなど、現代の企業活動では人への投資に多くのパワーを注いでいます。
どこの企業も社内人材やチーム力が企業成長の成否を分けると考えている昨今だと思います。
であるならば、企業の市場価値を図る指標としてヒトの無形資産を重要視すべきだろう、というのが、人的資本の情報開示の背景です。
定量的なヒト系データが必要
「人的資本の情報開示」は「人的情報のデジタル化・データ化」と言っても差し支えないです。
ヒト・組織の情報をデジタルに見える化して公開することが求められます。
「人が最も大事だ」「”人財”企業だ」とアピールしている会社は多く見られますが、これからは定量的に・ファクトでヒトの資産の開示や人的投資がどの程度行われているかの説明まで必要になってきます。
組織のごまかしが効かないというか、
以前から何となく違和感を感じていました。人材獲得競争や人材育成など企業はこんなにも人的投資に注力しているのに経営指標として評価されないのだろうと。
情報開示の動きは企業活動の実態に合うもので、正しく運用されれば人への投資が促進されて、それが企業の成長可能性の押し上げるものになると私は考えています。
デジタルスキルの見える化の未来像
デジタルスキルの見える化に話を戻します。
情報開示により、企業が保有しているデジタル人材と市場価値は密接に関わっていくでしょう。
企業は上記の様な観点で評価されていきます。
またそれは「DXに力を入れています!」というスローガンにとどまらず、定量的なデータによって評価されていきます。ある意味、ごまかしが効かないとも言えます。
このDXの昨今では、デジタルスキルを見える化した企業がさて、
見える化、どうやるか
デジタルスキルをどの程度保有しているのかは、目に見えづらいものです。
どういう知識・技術を持っていて、経験をしてきたのか、どういう結果を出してきたのか。
など、捉える領域も多岐に渡ります。
一例として、資格に合格しているからといってスキルを保有しているとは言えません。実際資格の学習内容が業務に活かせないということは多々あるでしょう。
業務経験や学習内容など包括的な視点で見える化することで、デジタルスキルを捉えられます。
包括的なスキル見える化のアプローチとして、アメリカではLearning and Employment Record(LER)が始まっています。
個人は学歴・職歴・資格に関するデータを記録していって、見える化を行います。個人はキャリアアップにつなげられるほか、企業としては採用時のマッチングとしてスキル重視をした採用ができるというコンセプトです。
見える化の手段:オープンバッジ
私たちCodeCampもLERの一環で、個人のスキルを記録してキャリアアップにつなげる取り組みを始めています。デジタルスキルに応じたオープンバッジの発行です。
スキル証明としてオープンバッジ(国際技術標準規格のデジタル証明書)を発行します。履歴書やポートフォリオに掲示することで、スキルレベルを証明できます。
技術スタックやエンジニアリングなどそれぞれの領域において、一定水準のスキルを有していることを見える化するものです。
採用時のマッチングなどで効果を発揮することを期待しています。
CodeCampとしては教育を提供して満足、ではなく本当に市場で評価され活躍してほしいと考えています。
人と企業のデジタルスキルを見える化していくことは、DX時代の人や企業の成長に対して、大きなインパクトを持っていくでしょう。
推し進められるよう引き続きがんばります。