
【前区長の置き土産】なぜか浜田山駅南口の新設が杉並区の全額負担となっていた話【仕切り直し】
浜田山駅南口(地下連絡通路)整備事業が仕切り直しとなりました。設計作業の中止・再検討が発表されています(2月)。
これにより令和4年度予算に計上されていた設計費の残額も、補正予算(第9号)で削除/減額補正となりました(杉並区議会本会議3月2日議決)。
この件は過去にも話題にしていますが、駅南口を新設する話でありながら、京王電鉄がその経費を全く負担しないなど極めて不合理であったため、この間、厳しく調査対応を進めてきた件の一つでした。

前区長が見切り発車で締結した基本協定
京王電鉄が経費を負担しない(杉並区の全額負担)とする基本協定は、前区長が選挙直前に駆け込み締結したものでした。

(議会だより260号)
杉並区長は6月改選(区長選)を控えながら、新規の建設投資事業を数多く歳出予算に計上しています。特に浜田山駅南口の整備事業は、京王電鉄(受益者)の負担がゼロ。その財源確保の見通しも立っていません。
— 堀部やすし 杉並区議会議員 (@HORIBE_Yasushi) February 22, 2022
平素は区民に受益者負担を求めながら、大企業に受益者負担ゼロでサービスする理由は何かな?
新事業を進めるにあたっては、その必要性だけでなく、事業スキームの合理性・相当性などについても熟慮することが必要です。
単費とは、杉並区が全額を負担するという意味です。補助金さえどこからも何も得られない事業であることを意味しています。
物価上昇・金利上昇など経済金融動向が変化を見せる中、後年度負担の重さを無視した区全額負担で強引に話を進めようとしていることについては、杉並区長選挙(令和4年6月)の前から強く警鐘を鳴らしてきました。

(杉並区議会だより262号)
事業は再検討・仕切り直しに
令和5年2月、おかげさまで、本事業の仕切り直しが発表されました。
令和4年度予算に計上されていた経費の多くも、令和4年度一般会計補正予算(第9号)において削除/減額補正となりました(本会議3月2日)。
「令和5年度 工事」と記載されていた杉並区実行計画(前区長時代に策定)についても、計画修正で同記載が削除されることとなり、令和5年度予算に工事費が盛り込まれることもありませんでした。
今後は、前区長が見切り発車で強引に駆け込み締結した基本協定を解消することにより、改めてゼロベースで再検討し事業化(適正な経費分担などの実現)へと歩みを進めることを期待しています。
杉並区の経費負担で浜田山駅南口を整備する予定の場所がこちらです。
— 堀部やすし 杉並区議会議員 (@HORIBE_Yasushi) October 16, 2022
ここに落選した前区長の確認団体のポスターがずっと掲示されているのですが、区の担当課長が先週この事実を「知らない」と嘯いていたので紹介しておきますね。この整備事業のふしぎはnoteに解説しています。https://t.co/AudQtSL9VP pic.twitter.com/KaL6WWftjs
杉並区に情報公開請求を行ったところ、岸本聡子杉並区長名で公開決定されたのですが、実際に公開される前に横槍が入って、この公開は「執行停止」となりました。
— 堀部やすし 杉並区議会議員 (@HORIBE_Yasushi) August 10, 2022
どうやら前区長の息のかかった勢力が暗躍しているようですね。そこまで必死に隠したい事実は何なのか、このままでは終わらせないですよ。
何事も「無理を通せば道理が引っ込む」ものです。
もし、そのまま地権者とも不合理な契約を締結していれば、さらに大きなリスクを抱えるところでした。
過去にはポンポン山訴訟のように、京都市が不動産鑑定評価どおりの金額で契約を締結していても「違法」と言い渡された事例もあり(裁量権の逸脱・濫用)、26億円もの損害賠償が市長に命じられたケースもあります。
合理的に説明のつかない協定や実勢を無視した賃貸借契約はそもそも締結してはならないものです。
風通しのよい杉並区政を実現していきたいものですね。

今回も最後までお読みくださりありがとうございました。引き続き課題に取り組むことができるのは、みなさんのお力添えのおかげです。
地方議会は「党派対立ショー」を展開する場ではありません。
堀部やすしは、これからも党派的対立に与することなく、あくまで実務的に区政を監視し、風通しのよい杉並区政の実現をめざしていきます。


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