【都市伝説斬り】人工地震と地震兵器とHAARP
こんにちはマスター、蓬莱です。
マスターは、最近、大きな地震が起こるとSNSなどで「地震兵器」とか「人工地震」とか「HAARP(ハープ)」などの言葉が飛び交うのを見たことはありませんか?
秘密の大きな組織によって、大きな地震が人工的に起こされたのだとする荒唐無稽な情報とか、最近多くなっているような気がしませんか?
2022年3月16日の深夜23時36分福島県沖を震源とするマグニチュード7.3の地震が発生し、震度5から震度6の地域が東北地方から関東地方にまで及んだ事について、翌3月17日に、NHKのニュースが、専門家に依頼して、この人工地震による攻撃などの情報を否定し、それをサイトに掲載し、ツイッターにもアップしました。
その内容は、このたびの地震では地震そのもののエネルギーが大き過ぎて、たとえ地下核実験であろうとも、これほどの大規模な人工地震は起こすことがとても難しく、地震の波形も解析され、通常の地震で見られるモノであること、そして震源が地下5万7千メートルであり、今の人類では、ここまで深い穴を掘ることなど出来ないので、人工地震では無いし、人為的に地震が発生された訳では無いというものでした。
人類が今まで掘ることが出来た穴は、コラ半島超深度掘削坑の1万2千262メートル。これは以前の記事「地獄の声 - コラ半島超深度掘削坑」でも扱いました。
先の地震では震度において、その5分の1ほどしか届いていない計算になります。
実は人工地震は技術的には起こせますし、何度も人は人工地震を起こしていた過去があります。でも、巨大地震を自在に引き起こす地震兵器の実現は、かなりハードルが高いようです。
今回はそんな人工地震と、地震兵器について調べてみました。
人工地震は人為的に発生させる地震ですが、幾つかの方法があるようです。
一番多く使われるのが、震源とするポイントに爆発物を仕掛けて起爆させるもの。
爆発物はダイナマイトが主流ですが、核爆弾が使われたことも何度もあります。また、特に地震発生が目的では無くても地下核実験で地震が起こった場合も人工地震と見做されるようです。
実は、爆破で積極的に人工地震を起こし、その地震波の波形を各地の観測点で記録して地面の下の構造、地殻構造を調べていた時期がありまして、この分野を爆破地震学と呼ぶそうですよ。
また1970年代はアメリカとソ連が核開発で盛んに地下核実験を行っており、そこで起こした地震で最大のものはマグニチュード7だそうです。
ちなみに、広島型の原子爆弾のエネルギーとマグニチュード6の地震のエネルギーが、ほぼ同じらしいのですが、マグニチュードが1大きくなると、エネルギーはその32倍大きくなります。マグニチュードが2大きくなると32かける32で、エネルギーは千倍ほど大きくなります。
関東大震災のマグニチュードが7.9なので、仮にその規模の人口地震を起こすとなると広島型原子爆弾の1千発分のエネルギーを出す核爆弾を地下深くに送らねばなりませんね。
他には圧縮空気を使う方法や、水を放出する方法、また水中で放電させる方法、そして重量の大きな物を高いところから落とす方法や、地面を揺らせる重しを機械で振動させてスイープ波を発生させる方法があるようです。
データで見れば人工地震で一番大きな震度を得られるのは核を使った爆発型の方法です。
そして、それは、起爆点が震源になります。
つまり、大きな地震が起こった場合に、人工地震だと騒ぐ前に、震源の位置や深さによって「そこに人類が密かに爆発物を仕掛ける事が技術的に可能なのか?」そして「人工地震用の爆発物をどうやってその震源に仕掛けたのか?」まで考えてみると、根拠の薄いデマには流されずに済むのではないでしょうか。
さて、人工地震や台風などで大きな害が出た場合に、陰謀論として上がって来るのが気象兵器とも地震兵器とも言われるHAARPでしょう。
実はHAARPという設備は実在していまして、それは北アラスカでアメリカ軍がアラスカ大学と作った共同設備で、実は2014年にアメリカ軍がその施設を閉鎖しています。そして、2015年にアラスカ大学がそれを引き取り、民間の研究施設として活動を引き継いでいるそうです。
つまり、もし大地震や大型台風を起こすような気象兵器がHAARPならば、それは、アラスカ大学が全てをコントロールして起こしていることになる訳です。
では、HAARPについて説明しますね。
HAARPとは、英語で「High Frequency Active Auroral Research Program」の省略した名称で、直訳すると「高周波活性オーロラ調査プログラム」となります。そしてこれは、大気圏の高層部、電離層と呼ばれる部分で何が起こっているかを調査する為の研究施設で、UHFおよびVHF無線周波数帯域の電波送信機で、電離層の限られた領域に刺激を与える事で、その経過を観測し、電離層の特性を調査する設備なんです。
その設備は、約14ヘクタールの土地に180本のアンテナで構成されており、アンテナからの高周波送信機システムにおいて、無線周波数帯で約3.6メガワットの電力を生成することができるそうです。3.6メガワットとは、日本の山などにも立っている大型の風力発電の風車1基分の発電力に匹敵します。
つまり、HAARPが地震兵器ならば、高度約6万メートルから50万メートルの高さのアラスカ上空の空気の層を観測する為の設備が、なぜか地下深くに、風力発電用の大型風車1基分の電力を用いて、広島型原子爆弾に匹敵もしくはそれを大きく上回るエネルギーを震源の位置に電波で与えているという事になるのです。
これはどうやってもエネルギー収支が合わないと思われますが、マスターはどう思いますか?
なお、半径が100キロメートルの小型台風でも、広島型原子爆弾の2万4千発分のエネルギーらしく、大型台風だと軽く百万発分をはるかに超えるエネルギーで出来ているそうで、地震よりも台風のほうが、発生させるのに大きなエネルギーを必要とするようですね。
今回はNHKのニュースサイトから、2022年3月17日の記事「人工地震ではありません 専門家が解説」とアラスカ大学のサイト「About HAARP」、そして、ウィキペディアの「人工地震」「高周波活性オーロラ調査プログラム」および「エネルギーの比較」などの項目からお話しました。
蓬莱軒では、知的好奇心を刺激する話題を毎週動画でお届けしていますので、YouTubeチャンネルにもよかったら遊びに来てくださいねマスター。
それではまた、らいら〜い🖐
蓬莱軒【水曜20時 不思議・科学・都市伝説】
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