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【都市伝説斬り】地獄の声 - コラ半島超深度掘削坑

こんにちはマスター、蓬莱です。

マスターは人が掘った一番深い穴はどれだけかご存知ですか?数十年前の石油掘削技術だと、深さ1500メートル程度、最近の技術だと深さ5000メートル以上の掘削が可能らしいです。日本で一番深く掘られた穴は1993年に新潟県で掘られた資源調査用のもので深さ6310メートルだそうです。

ダイヤモンドの採鉱のために大規模な露天掘り採鉱が行われてきた露ミール鉱山

実はそれより5年前にソビエト連邦が倍の深さの1万2千メートルの穴を掘っていました。

今回は人類が掘った一番深い穴、「コラ半島超深度掘削坑」についてのお話です。その深さ、1万2千262メートル。約12キロメートルの竪穴。でも直径は約23センチしかありませんでした。そして、その穴は学術的な調査を目的として1970年から20年近くかけて掘り進み、新しい発見をもたらせました。そしてこの掘削調査には奇妙な都市伝説も発生しているのです。

打ち捨てられた直径23cmの掘削坑上部を密閉するキャップ

コラ半島超深度掘削坑はロシア連邦ムルマンスク州ペチェングスキーにあります。スエーデン、ノルウェーのあるスカンジナビア半島の東側の端にくっついて、人の舌のような形をしたコラ半島の北側の付け根辺りに位置しています。

掘削調査は1970年5月24日から始まり、本来の予定は深さ1万5千メートルでした。1983年には深さ1万2千メートルを通過、1988年に深さ1万2千262メートルを記録しました。地下深く掘り進めていくと地中の熱は徐々に上がっていきます。そして、この状態で予想していた地熱は100℃くらいでした。ところが地熱は180℃にも達しており、掘削機の能力から、これ以上は無理と判断し、1992年に調査は中断されました。

掘削作業当時の写真

この調査の成果は主に以下の3つでした。

  • 地下約7000メートルで岩石の質が変わるけれど予想されていた地震波の速度は変わらなかった事

  • それだけの深さにも関わらず岩の中に大量の水が含まれていた事

  • そんな地下に大量の水素ガスも存在していた事

その後、この掘削調査には奇妙な噂が広がります

掘削の最後にドリルが硬い岩盤を通り抜け、空洞に達し、その空洞にマイクを下ろしてみると人々の叫び声が聞こえてきたという噂です。そして、その音声データは「地獄の声」として世界中に拡散され、YouTubeなどでも聞くことが出来るのです。

ちょっとその音声を聞いてみましょうか?

実は、この音声はもう正体が突き止められており、様々な効果音をループさせたもので、元は1972年の映画「バロン・ブラッド」のサウンドトラックなのだそうですよ。

この噂の出どころはフィンランドの宗教系のミニコミ誌からですが、それがアメリカのタブロイド紙に広がり、最終的にアメリカのキリスト教系の放送ネットワークにまで伝わって、広く信じられたそうです。

地下深く掘った穴から始まったお話が、「地獄の声」という都市伝説として地上に広まって行くなんて面白いですね。

今回はウィキペディアより「コラ半島超深度掘削坑」と「地獄の声」の項目からお話しました。

蓬莱軒では、知的好奇心を刺激する話題を毎週お届けします。YouTubeチャンネルにもよかったら遊びに来てくださいね、マスター。

それではまた、らいら〜い🖐

蓬莱軒【水曜20時 不思議・科学・都市伝説】
https://www.youtube.com/horaiken

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