<春闘>中部の大手企業の賃上げ回答にひと言
2月のはじめ、こんなツイートをしました。
2022年は物価ロシアのウクライナ侵攻に端を発した原油高や穀物不足の影響でホントに物価が動いたと実感できる年でした。もちろん”上に”です。これによって家計への影響を実感されている方は多いのではないでしょうか。
物価の代表的な指標である”消費者物価指数”は昨年1年間の平均で前年比2から3%上昇しているのが見て取れます。ここでは、エイヤアで2.5%としておきます。
4人家族の1か月の消費支出(生活費)を28万円(総務省:家計調査報告書より)とすると、さきほどのエイヤアの2.5%の上昇は7千円相当となります。
つまり、これくらいお給料が上がらないと、サラリーマンは生活を切り詰めないといけなくなることを意味しています。
中部企業の賃上げの回答はどうなった?
ものづくり王国の中部を代表する主要企業の回答は毎年大きく報じられます。今年もいち早くトヨタ系を中心に報じられました。
上の表の回答の列に注目です。ん?なんかわかりにくいなぁ・・・・
オークマと日本特殊陶業の金額が低いぞ。回答がしょぼく見えるのはどうしてでしょうか??
注意して見ないといけないのですが、オークマと日本特殊陶業は”制度昇給(会社の制度で必ず昇給する金額)”と呼ばれる部分を除いた金額が公表されています。簡単に言えば平均賃金が30万円程度なのでその2%の制度昇給分6,000円をプラスして見なければいけません。
つまり、オークマは15,000円、日本特殊陶業は13,000円程度ということになると思います。
そうすると、結果は概ね横並びですが総額で4%程度と予想される今年の賃上げは例年と比べると大きなものになりました。
大手の結果について当事者ではないボクがどうこう言える立場にはないのですが、賃金の引き上げ交渉にあたった労組の皆さんはよくがんばったと思います。もしかしたら労組幹部の皆さんへ組合員からのねぎらいの言葉があるかもしれません。
一方、回答を出した会社も自社の状況を踏まえ足元の物価上昇だけでなく総合的に判断をした結果だと思いますが評価できるのではないかと思います。
これで終わりじゃない。大手の結果が日本全体の賃上げに波及していくかが重要
昨日は大手企業の集中回答日。中堅中小の回答はまだまだこれからなので大手の賃上げ結果が日本全体の賃金引上げにどのくらい波及するのかはもうしばらく様子をみないといけませんが、ネットを検索してみると、民間のシンクタンクの中にはことしの賃上げ率は3%程度(制度昇給込み)で、1994年以来の高い水準になるという見方も出ています。
大手が4%、日本全体で3%程度となればまずまずだと思うのですが、中小企業にそれだけの実力や体力があるのかは疑問だし、賃上げは今年だけのものではありません。継続して引き上げていかないと経済は良い方向に向いていきません。
上のサクサク経済Q&AでNHKの記者が取材を以下のように締めくくっています。
まったく同意見です。ボクなんかが論評するよりきちんとまとめてくれています(笑)
ただ最後に一つだけ。”例年以上に注目される春闘”とはありますが、決して例年以上に世の中で春闘が盛り上がっているとは思えません。
お金持ちにはあまり興味のないであろう”春闘”、中堅中小や個人事業主には大手のような賃上げはなかなか実現せず「春闘なんて関係ない」っていう意識もあるんだと思います。
でも、日本経済を変えるきっかけにつながる可能性や影響力を持っているわけですから、ボクも含めてもう少し関心をもってみていかないといけないのかもしれません。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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