異国で奮闘する等身大の若者たち。『イタリアに行ってコックになる 24 stories of Japanese in Italy.』井川直子
子どものときに思い描いた将来の夢はなんですか?
プロ野球選手、サッカー選手、パティシエ、保育士...数ある職業のなかで、僕が思い描いたのは「コックさん」でした。
初めての料理は5歳のときに作った「ピーマンの醤油炒め」。それから小学生になってドミグラスソースからハヤシライスを作ったり、 焼うどんを作ったり、1週間に1回は何かしら料理を作っていた気がします。母親が料理上手だったこと、いろいろ教えてくれたことも大きかったんだと思います。
料理研究家であるケンタロウさんの本には大変お世話になりました。炒め物を食べる時にごま油が使われていないと満足しなくなったのもケンタロウさんの影響でしょうか。その他にも、「バンビーノ」や「クッキングパパ」、「美味しんぼ」などいろんな料理漫画を読んでました。母親がたまに買ってくる「オレンジページ」も読んでたなあ。
小学生、中学生、高校生と年齢を重ねても料理熱は冷めることなく、たまに時間が出来たり、気が向いたりすると料理を作ってました。 お菓子を作り始めたのは高校生のときぐらい。お金もなかったので図書館に行って本を借りて、美味しそうだなあと思ったメニューを作ってました。
レシピだけでなく料理人や料理研究家の方のインタビューや人生の積み重ねにも関心が向くように。そんなとき、出会った本がこちらの本でした。
井川直子さんの「イタリアに行ってコックになる 24 stories of Japanese in Italy.」。僕が中学生から期限が切れて、返して、また借りてを何度も何度も繰り返した一冊です。
24人のイタリアでの奮闘、そしてその後の歩みが確認できるところも、面白いところです。1人1人の異国での奮闘、スタンスの違い、そして思い描く未来図は、大学生の今読み返しても、たとえ異なる職に就いていたとしても、当てはまる共通項があると思います。
イタリアで修行する料理人、ともすればきらびやかなイメージが持たれがちですが、異国で挑戦を続ける等身大の若者たちの言葉が綴られており、自分もがんばらなきゃと思わせてくれる本なんですよね。
そして、最近読み返したのには、1つの理由がありました。
2015年2月に出版された「シェフを『つづける』ということ」。13年の時を経て出版されたこちらの本は、タイトルが「なる」から「つづける」に変わり、若者だった男たちが1人の立派なシェフに成長した姿が描かれています。
「はじめた」ひとたちは、「つづけた」その先をどう生きている?
働き方研究家の西村佳哲さんも推薦するこの1冊。
まずは「コックになる」、そして「シェフを続ける」、時の推移と行動の実践から変化する考え方を目にすることが出来る井川直子さんの2冊、オススメです。
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