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声にできない

そんな思いはあるだろうか。

喜怒哀楽、どう言葉にしていいのかわからない思い。
どんな感情かははっきりしているけれど、それを声にしてしまってよいかわからない思い。
声にしてしまうと何かを壊してしまいそうな思い。

ロマンチックに、センチメンタルに語られるものだけど、そんなものは誰にでもある。

その類の思いは、自分の中でじっくりと消化していくか、うまく消化できずに心がもたれてしまったら、ぶつけても大して影響のない誰かに吐き出してスッキリしてしまうのがいい。

そんな相手が、あなたにはいるだろうか?
声にできない思いを抱いてしまうことよりも、それをぶつけてしまえる相手の有無、このほうが大切だと思う。
そういう相手がいないから、ぶつけてはいけない人にぶつけてしまったり、誰にも吐き出せずに心が荒んでしまうこと、こちらのほうが怖い。


ところで、「声にできない」といえば久保田利伸であり、久保田利伸と月といえば「同じ月を見ている」だろう。
映画の内容は覚えていないけど、題名の言葉は詩や歌詞によくでてくるありふれた言葉だ。

離れていても、同じ月を見ている。
声を交わすことができなくても、同じ空の下、同じ月あかりに照らされて、僕らは繋がっている。みたいな。
声にしたくても、したところで届かない思いを抱いていても、月の存在はそれを吸い上げてくれる。相手が空なんか見てなかったとしても、僕らは繋がってると思っちゃってそれで満たしてくれる。

誰かを思う「思い」ではなくても、声にできない思いがあって、誰にもぶつけられない、そんなときは、月でも見上げたらどうだろうか。
朝日でも夕日でも、なんでもいいんだけど、せっかくスーパームーンなので、身体を冷やさぬように、ちょっと窓を開けて見上げるのも良いのでは。

ちなみに、久保田利伸は大好きです。

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