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按田餃子の店主がペルーで経験した“支配からの解放”。自分自身の内面と向き合うビール「インカの扉」が完成!

HOPPIN' GARAGE(ホッピンガレージ)

今回発売される「インカの扉」は、代々木上原と二子玉川にお店を展開する名店・按田餃子の店主、按田優子さんと共に開発したビールです。

幼い頃から、いわゆる「ふつう」の価値観と共に人生を歩んできたという按田さん。ですが、36歳のときに仕事で行ったペルーでの経験が、按田さんのそれまでの先入観や固定概念を壊し、以降は世の中の常識に捉われることなく、思い切って生きられるようになったといいます。

そんな按田さんのペルーでの物語がギュッと詰まった「インカの扉」。南米で親しまれている、サチャインチ(インカインチプロテイン)やキャッツクローなど数種類のハーブが入っています。野趣あふれる独特な苦味がありながらも、ハーブティーのようにスッキリとした飲み飽きない味わいが特長です。

今回は、按田優子さんにビール完成までのお話をたっぷりと伺いました。

「インカの扉」とご対面!

個人的な物語を、どうやってビールにするんだろう?

──最初にホッピンガレージからビールづくりの誘いがあったときの、率直なご感想を教えてください。

按田さん:ホッピンガレージは、「個人の物語をビールにする」というコンセプト。私の個人的な物語をどうやって味にするんだろうと、まずは純粋な興味やワクワクがありました。

私はビール開発の工程が全然わからないので、味の想像は全くできなくて。「こういう味のビールにしたい!」みたいなリクエストもない状態からスタートしましたね。

──普段按田さんはご自身のお店でメニューを開発すると思いますが、そのときはどのような手順で進めるんですか?

按田さん:素材を食べてみて「これはこれと合いそうだな」といったふうに、自分の頭の中にある香りや食感、味などのパーツを組み合わせて作ります。なので、まったくのゼロから何かを生み出そうと思うことってあまりないんです。今回のビールは、素材としてはゼロからのスタート。いつもとプロセスが全然違うので、とにかく楽しみでした。

固定概念が崩れ去った、ペルーでの経験

──「インカの扉」のコンセプトは「先入観から解放されて、閉ざされた可能性をひらく」です。これはどのように決まったのでしょうか。

按田さん:私の人生経験をいろいろと聞き取っていただく中で、ペルーに行ったときの体験がすごく重要だねという話になったんです。

36歳のときに、仕事でペルーに定期的に通うことになったんですが、そこで今までの固定概念や先入観が劇的に崩される体験がたくさんあって。それから気持ちや考え方がガラッと変わり、今の私につながっています。だから、そのときの状況を共有できるビールをつくりたいなと思いました。

──具体的には、どんな体験をしたのでしょうか?

按田さん:初めてペルーに行ったのは2012年のこと。今はかなり少なくなっているんですが、その頃はまだ闇市のような市場がたくさんあった時期で、そういう場所って、もう全部が衝撃なんですよ。

カエルの栄養ドリンクが売られていたのですが、隣の水槽の中に大量のイボガエルが泳いでいて、それをバキバキバキ! ってミキシングして、おじさんが普通に飲んでいて。

──うわあ、それは強烈ですね……!(笑)

按田さん:ほかにも、アナコンダの白子の様な部分を軟膏に練り込み、新鮮だから効きますよと販売しているお店があったり(笑)。

それまでは、たとえばものを食べるときに、「いちごみたいな甘さだね」とか、自分の脳内にあるパーツに置き換えて解釈できていたのに、自分の脳内で何にもたとえられないことがすごくたくさんあったんです。

食だけじゃなくて、社会のシステムも、宗教観も、家族観も婚姻制度も、恋愛の仕方も全部そうです。自分が「ふつう」だと思っていたことが世界基準では全然違うんだなということを、地球の裏側で痛感しました。自分はすごく自由に生きていると思っていたら、ペルーに行って、そうではないことを知ったんです。

ペルーの経験が、今の按田餃子につながっている

──そういった経験を経て、日本に帰ってきてからの按田さんご自身の生き方に変化はありましたか?

按田さん:もちろんありました。自分を構成する要素には、「寝る」「食べる」といった人間の根源的な行為と、「人のモノを取ってはいけない」といった社会的なモラルがあると思うのですが、どれが日本基準のもので、どれが世界基準のものなのかを考えるようになりました。

そして、日本基準のものに関してはこだわらなくなりましたね。わかりやすい例で言うと、「お母さんがみんなの料理を作るのは当たり前」とか、「働かない男の人は変」とか。「こうしなきゃいけない」と、なんとなく漠然と感じていたことに疑問を抱くようになりました。

──それは、お店づくりにも反映されているのでしょうか。

按田さん:そうですね。たとえば餃子に関しても、私は餃子や点心の勉強も修行もしたことがなかったんです。だから「餃子のお店を始めよう」と誘ってもらったときも、自信がないからできませんって言ってもよかったんです。

でも世界には、自分のやりたいことを自由にやっている人もいる。日本人には考えられないようなお寿司を作る人もいる(笑)。それと一緒だなと思ったら、異文化のものを完全に再現したり、「これが本当の餃子だ!」と思い込んで磨こうとする行為にこだわらなくてもいいのかな、と思うようになりました。「君のそういうのもおもしろいね」と言ってくれる人がいて、そこから生まれる餃子の形もきっとあるに違いないと思って、我が道をいくようになりましたね。

開店前の按田餃子 二子玉川店。「助けたい、包みたい、按田餃子でございます」

ビールには、古代から大事にされてきたハーブを配合

──「インカの扉」は、サチャインチ、キャッツクローなど、数種類のハーブが調合されているのが味のポイントだと思います。この成分は、どのように決めたのでしょうか。

按田さん:まずサチャインチは、私がペルーに行くきっかけになった植物なんです。この植物の研究をするためにペルーに通うようになったので、きっかけを与えてくれたものとして、絶対に入れたいと思いました。

キャッツクローは、私が森の中を散歩しているときによく遭遇したハーブです。どちらも、古代から人々が衣食住全般で使っていた生活に欠かせないものなので、組み合わせて入れたいと思いました。

──パッケージのデザインもかわいいですね。

按田さん:パッケージは、最初は私が実際に撮ったペルーの森の写真をイラストにしてくださっていたんです。でも、商品として考えたときに、ただの森のイラストだとどこの国かわからない。ペルーらしさを強く出したくて、ビラコチャを取り入れました。すごいインパクトですよね(笑)。気に入っています。

──「インカの扉」というネーミングは、どのように決まったんですか?

按田さん:このビールを飲んだときに、脳のゲートがパカって開くような感覚になればいいなと思って。私がはじめてペルーに行ったときのように、自分で扉を開けて未知な世界に飛び込んでいくイメージです。「扉」というワードがすごくいいねという話になり、この名前に辿り着きました。

水餃子との相性がバツグン。飲むときは、ぜひひとりで楽しんでみて!

──「餃子とビール」は鉄板の組み合わせだと思いますが、今回のビールはどのような餃子に合わせるのがオススメでしょうか。

按田さん:あまり味の強くないものが良いと思います。焼き餃子よりも水餃子の方が合うだろうな。「よーし、飲むぞ!」というようなガツンとした食べ物よりは、ローインパクトで、野菜やハーブがふわっと香る感じが良さそうです。

──まさに、按田餃子の水餃子にぴったり合いそうですね。最後に、このビールをどんな方に楽しんでもらいたいですか?

按田さん:誰かと飲むのも良いですが、ひとりで飲んでみてもらいたいです。家で時間がゆっくりあるときに、いろいろなことを思い出しながら、ハーブティーを飲むように飲んでほしいですね。

複数人だと、感想を言わなきゃいけないと思ったり、相手に合わせたり、どこか言葉を探してしまう。でも、言語化しなくていいんです。ゆっくりと自分の感覚を大切にしながら、自分をじっくりと見つめ直して、新しい扉が開けていく時間になるといいな、と思います。

あとがき

取材終わり、編集部メンバーがインカの扉を飲んでいると、按田さんがスタッフさんたちに「みんなも飲もうよ!」と一声。和気あいあいと、ビールの味やアレンジについて話すみなさんに、自由な精神を垣間見ました。先入観から解放され、可能性の扉をひらいた先には、きっとあたらしい世界が広がっているはず。

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HOPPIN' GARAGE(ホッピンガレージ)は、お客様との共創によるビールづくりを展開するサッポロビールの新しいブランドです。魅力的な人々の人生ストーリーをもとに多様性あふれるビールを生み出し、そのストーリーを味わいながら飲むという、これまでにないビールの楽しみ方をお届けします。新作ビールを2カ月に1回お届けする定期便サービスも展開中です。




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HOPPIN' GARAGEは、お客様との共創によるビールづくりを展開するサッポロビールの新しいブランドです。魅力的な人々の人生ストーリーをもとに多様性あふれるビールを生み出し、そのストーリーを味わいながら飲むという、これまでにないビールの楽しみ方をお届けします。