見出し画像

イケてる店長は、仕事をしない

おはようございます。
ほっぺてんちょうです。

全国チェーンの居酒屋店長を7年勤め、
現在人材営業チームリーダーをしております。

店長の仕事というのは管理職になるので
店舗の数字の改善が大きな課題です。
しかし、ついつい営業に入り込んでしまったり
売上は上げるものの人件費や原価など
細かい数字は苦手で
いまいち評価があがりきらない。
そんな店長も多いと思います。

今回は店長としてあるべき姿と
実際にどう仕事すればいいかの
具体的な糸口が見つかるはずです。

※このnoteではわたしほっぺてんちょうが
飲食店店長・人材営業チームの経験から
売上のつくりかたや人材育成など、
小さな組織を運営する上で
ためになる情報を発信しています。
よければフォローをお願いします!

〈営業を回せる人が店長になる罠〉

よくある話ですが、
どの業界でもプレイヤーとして優秀な人が
レベルアップのために管理職になりがちです。
これは日本の総合職的な考え方が原因です。
あえてこの記事で深堀はしませんが、
プレイヤーと管理職では仕事がまるで違います。

プレイヤー→運営
管理職→数字の管理と改善プランの構築

もちろんどちらが大事、
という話ではありません。
現場を知らないと原因がわかりませんし
実行可能な改善プランも出せません。
店舗の営業も管理職的考えがあれば
何を大切にし優先するか判断ができます。

人材育成の王道としては
”今何をやるべきか”
”何をいつどのようにやるか”
目先の仕事を明確にしてあげることは必須です。
ですが、全体像をしらないと
その仕事の意味も意義もわかりません。
ただの作業になってしまい、
接客的考え=付加価値を上げる
のような仕事はできません。

例えばキッチン/ホールどちらかだけだと
どうしても自分たち都合の話になりますが
どちらも経験すると相手の苦労がわかり
先回りや気遣いができるようになります。

店長になる人はもちろん
キッチンもホールもできるので
忙しいときも適材適所で
営業が円滑に回せるのです。
ですが、店長の仕事のメインは
管理職で結果を出すことです。
店長のスキルが高いことは良いのですが
自分がいなくても成立するお店
つまり自分の分身をつくることです。

しかしながらそれは難しい話。
店長になる人は意識も高く
毎日営業に入っているので
スタッフとの差は日々乖離していきます。
『任せよう』と頭ではわかってても
うまく回っていない営業状態を見て
我慢ならず営業に入ってしまう。
往々にしてそのようなお店が多いです。

これは正論で受け入れることは難しいです。
なぜなら飲食店は薄利であり
自分が営業に入らず管理だけすることは
現実的にも難しい判断です。

特に売り上げが見込みにくい現代は
店長が営業に入らない営業は
現実的でない店舗ばかりでしょう。

〈で、どうするか?〉

私が店長をしていた時代も
高い売上をたたき出す先輩店長は
やはり営業はスタッフ任せでした。
ですが現代はそうはいきません。

で、どうするか?

営業を円滑にしようと考えると
充分な準備は重要です。
私が店長時代は準備を重視しており
サラダの土台やおにぎりまで
その日の数を読んで小分けしていました。
充分な準備は営業に余裕を生みます。
準備は絶対に店長が仕切りましょう、

営業中もある程度は任せますが
お客様を見たり営業の指示をしたり
完全に任せることは難しいです。
ピークタイムを超えて
落ち着くまでの指示はしておきましょう、

なのでスタッフに任せることができるのは
営業が落ち着き片付けの時間です。

ここで管理職として
店長が何をすべきか、です。
通常の会社、例えば営業会社などであれば
各社員の数字の状況や
近い将来の見込みから
誰をどうやって成長させ、
数字をクリアするか考えます。

店長におきかえると
人件費と原価、いわゆるFLです。
店長はこの数字の同行だけは
必ずつかんでおいてください。
そして営業に入ること自体は
デメリットばかりではありません。
営業に入っているからこそ
実際に店舗で何が起きていて
改善のための策が打てるからです。

ここでおススメしたいのは
・営業時間外に考える
・店舗ミーティングをする
です。
つまり、営業時間外で
考える時間をとることです。

「仕事以外で考えるなんて
結局ブラックやん!」
という声が聞こえそうですが
どの業界でも結果を出す方は
日々仕事に関して考えています。

考えることはとてもコスパが良いです。
いつでもどこでもお金をかけずに
結果の源泉を生み出せるからです。

多くの方が
”考えること=大変なこと、悩み”
と捉えているようですが
結果を出す意識が高い方は
悩んではいません。
あたまの中で『何が原因なのか?』
『原因に対して何ができるか?』
『何か見落としていないか?』
と、悩んでいるのはなく
”結果が出るための答えを探している”
という表現が正しいです。

例えば恋愛に置き換えましょう。
相手の好みや趣向がわからなければ
どう誘えばいいか?どんな会話がいいか?
ヒントがないので悩むでしょう。
でもある程度好みがわかっていれば
誘うお店もわかるし喜んでもらい方が
ある程度思いつくでしょう。

つまり、結果を出せる人とそうでない人は
ヒントをつかんでいるかどうか、
とも言い換えることができます。
このヒントをつかむことが
営業に入って考えることです。

具体的には営業が終わったときに
『今日は何が原因でうまくいかなかったか?』
『何を変えればもっとうまくいくだろうか?』
と振り返ってみてください。
完璧な営業なんてありません。
必ず改善・向上するポイントがあります。
もし仮に完璧だと思うのであれば
なぜあなたのお店は人気店でないのでしょう?
必ず良くなるポイントはあります。

そして店長自らが考えた改善点を
スタッフとミーティングします。
トップダウンではなく
スタッフと考えましょう。

私たちは天才ではありません。
スタッフに任せられない原因の一部に
『自分が一番よくわかっているから』
と思ってしまうことがあります。
心理学でも自分を過大評価する
ダニングクルーガー効果というものがります。
これを回避する場がミーティングです。
思い込みを排除し、正解にちかづくために
他人の目を借りるのです。

もし仮にあなたが天才でも
スタッフからの思いがけない視点や
意見を求められることで
営業はいまいちだったスタッフが
非常にいい意見を出すことが期待できます。
任されて期待されて
やる気にならないスタッフはいません。
もしいたとしたらそのスタッフは
優先順位を下げてかまいません。
全員を大切にすることはできないのです。
店長は誰を活かし誰を大切にするのか
勇気をもって決断するべきなのです。
それが店長の仕事でもあります。

慣れなくても、定例のミーティングは
かならず行ってください。

私も全部自分でやってしまう性格でした。
任せたくないのではなく
自分が頑張ることで
みんなに余裕をつくろうとしたのです。
しかし結果スタッフが
まとまることはなかったです。
スタッフは頼られることを求めています。
その気持ちを忘れ、自分がガンガンと
営業で全力を尽くした結果
「自分でなんでもできると
思わないでください!」
と辛らつな声をもらうこともありました。

意識が変わったきっかけは
自分がより有能な
スタッフが現れたことです。
そのスタッフは数日で料理を覚え、
特になにも教えなくても
段取り良くオーダーをさばいていました。
たしかに作業は汚かったですが
そのセンスには脱帽でした。
彼も相当の努力はしているのでしょうが
どう考えても日夜営業している自分より
才能はめちゃくちゃあります。
その現実を受け入れるしかありませんでした。

『自分がどうにも超えられないことがある』
『自分が頑張ることが良いわけではない』

そう感じた私はそれから
スタッフの良い点を見つければ褒め、
そのエッセンスを学ぶようになりました。
これが私の”人を活かす”ことの答えです。

正直今でもうまくはできていません。
管理職としてはいまいち気弱ですし
力強く引っ張る存在ではありません。
才能もないですから必死に努力するだけ。

私にできることは
学び考え、原因を見つけ
戦略と戦術を考えること。
人の良いところをみつけ
その人の望むゴールに向け
自分が何ができるか考えることです。

勢いのある存在ではありませんが
それも良いと思っています。
自分より仕事できる人を活かせるから
より大きなことができるはずです。
店長だから、管理職だからえらいわけありません。
あくまで役割の一つです。
いち人間としてまわりから学ぶことばかりです。
お互い尊敬し学びあう、
そんな小さい組織が
これから大切だと思います。

ここまで読んでくださったあなたも
人に任せることが苦手で
自分でやってしまうのかもしれません。
でも大丈夫です!!!
スタッフはあなたの
役に立ちたいと思っています。
あなたも間違いなく思いのある店長です。

ぜひ時間をとってスタッフのことに
思いを馳せてみてください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?